東京都 目黒区 内科 高血圧症 前立腺癌 糖尿病 高脂血症 かぜ症候群 インフルエンザ 花粉症 胃潰瘍 痛風 脂肪肝 メタボリックシンドローム 不眠症

五本木クリニック 泌尿器科 内科 皮膚科 美容皮膚科 東京都目黒区中央町2-18-14
0120-70-5929
【診療時間】
月・火・水・金(9:00〜12:30/15:00〜18:30)
木・土(9:30〜12:30)

内科

高血圧症

  血圧とは血流により血管壁にかかる圧力のことで、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)があります。この血圧が標準より高いことを「高血圧症」といいますが、通常は血圧が高いことによる急性の症状はありません。高血圧が怖い病気であるのは高血圧が引き起こす合併症です。高血圧が続くと、血管の壁がその圧力に耐えなければならず、徐々に厚くなってきます。そして血管は徐々に硬くなり、動脈硬化という状態となります。その動脈硬化が進行すると高血圧症合併症、つまりは狭心症や心筋梗塞などの心疾患や脳梗塞などの脳血管障害の発症頻度が増加し、これは場合によっては生命を脅かすこととなります。高血圧症の原因としては様々あり、もともと先天的に持っている遺伝的要素と、後天的な要素である過量の塩分摂取、肥満、ストレスや緊張、とくに喫煙などが関与しています。

  実際の血圧の目安は125/80mmHg以下であり、血圧135/85mmHg以上となれば高血圧症と診断されてしまいます。ただ血圧は一日中同じ値ではなく変動しているので、コントロールの悪い方は家庭でも少なくとも朝晩2回程度は測ってみましょう。

  血圧を下げねばならない目的は、高血圧合併症、つまり虚血性心疾患などの心臓病や脳出血などの脳卒中の発症を防ぐことです。それにはまず生活習慣の改善からであると考えます。しかしどうしても生活習慣の改善のみで正常血圧に到達することは難しく、必要に応じて降圧薬を用いなければなりません。基本的に降圧薬治療というのは対症療法であり、高血圧そのものを治すのではありません。つまり自覚症状がないからといって薬を止めると通常は数日で元の血圧が高い状態に戻ります。

  当院では、生活改善指導や食事療法指導から降圧剤の処方まで高血圧加療を積極的に行う一方で、区健診などによる高血圧スクリーニングにも力を入れています。

糖尿病(2型糖尿病)

  糖尿病とは、血中のブドウ糖(グルコース)濃度、つまり「血糖」が高い状態が続く病気です。食事で摂取する糖分は消化され、血中に入り、ブドウ糖として体内で使われますが、膵臓から血中に出るインスリンによって血糖は調節されています。このインスリンの働きが不十分だと血糖値は高くなります。

  高血糖でははじめはほぼ症状のない人がほとんどですが、口渇感、頻尿(多飲多尿)などの症状が現れてきます。そしてそのまま放置していると、全身の様々な臓器に様々な障害をもたらします。糖尿病加療も高血圧加療と同様に血糖自体を下げるのが最終目標ではなく、糖尿病による合併症を防ぐのが加療の目的です。合併症は主に、眼障害、腎障害、神経障害です。眼障害、つまり糖尿病性網膜症は悪くなると失明に至ります。腎症も悪くなると人工透析(人工透析の原因のトップは糖尿病です!) をしなければならなくなります。神経障害は、知覚障害、膀胱排尿障害、勃起障害(ED)などが起こりえます。また血管障害により下肢の壊疽をきたし下肢を切断しないといけないとか、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすとか、とにかく合併症が起きれば生活の質や生命にかかわる重症となります。また糖尿病が進むと免疫力が低下し、様々な感染症を引き起こしやすくなり、敗血症に至ることもあります。


  当院での糖尿病の診断は血糖値を調べることで行います。空腹時血糖値126mg/dl以上(随時血糖値200mg/dl以上)を参考にして、糖尿病かどうかを診断します。またHbA1cが6%を超えているかどうかも糖尿病の診断と糖尿病コントロールの参考にしています。


  次に治療ですが、これには食事・運動療法、薬物療法があります。食事・運動療法が治療の基本ですが、これでコントロールが不良のときには薬物療法を併用します。


  食事療法ではまず1日のカロリー摂取量を重症度や体格などから決めます。その中で炭水化物、蛋白質、脂質やその他のビタミンなどをバランスよく摂ります。これはカロリー摂取を決める簡単な一例ですが、体重(kg)÷{身長(m)の2乗}(BMIという)が22程度を標準体重といい、標準体重1kgあたり25〜30kcalを目安として一日のカロリー摂取量を決めます。またジョギングや水泳などの適度な運動療法の継続も糖尿病加療とその予防には不可欠です。


  薬物療法には経口血糖降下剤を使用する場合とインスリン注射を使用する場合があります。当院では基本的に薬物療法は経口薬のみの加療を行っておりますが、食事・運動の必要な程度は個人個人によって非常に多様なため、食事・運動療法指導に関しては患者さんの個人個人に合わせて細かく行っています。

高脂血症

  高脂血症とは血中のコレステロール値(または中性脂肪値)が高い病態のことです。コレステロール自体は有害物質ではありません。むしろそれ自体は体には大切なものであり、ステロイドホルモンなどのホルモン骨格を作る原料となります。またコレステロールにも種類があり、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールといういわゆる「悪玉コレステロール」や、逆に動脈硬化を防ぐ「善玉コレステロール」といわれるHDLコレステロールがあります。高脂血症の原因としては、もともとの遺伝的素因と後天的な生活環境の相互であり、多因子による疾患です。


  高脂血症も糖尿病や高血圧と同様に、ほとんどの場合自覚症状はありません。コレステロールを下げる目的は、高脂血症が続くといずれは起こる高脂血症合併症を防ぐためです。合併症は高血圧合併症と同じで、血管が詰まりやすくなることや動脈硬化から起こる心臓疾患や脳血管障害です。これは一度きたせば生命を脅かすこととなります。


  診断には採血し、血中のコレステロール値や中性脂肪値を測定して診断します。ただ中性脂肪は朝の食事や前夜の食事に非常に影響されます。コレステロールは直前の食事にさほど影響を受けませんが、基本的には空腹時で採血します。


  治療は、まず始めに食事・運動療法が中心となる生活環境の改善です。それで十分な効果が得られなかった場合に初めて薬物療法を行います。


  食事療法はまず、糖尿病の食事療法と同様に1日の摂取カロリーの決定からです。体重(kg)÷{身長(m)の2乗}(BMIという)が22程度を標準体重といい、標準体重1kgあたり25〜30kcalくらいに一日のカロリー摂取を抑えます。脂肪は全体摂取カロリーの1割以下とし、肉類はできるだけ避けましょう。中性脂肪が高い場合にはアルコールの加療摂取が原因であることが多く、その場合にはお酒は控えます。


  運動は食事療法と併用したほうがよい効果が得られます。ジョギングや水泳などある程度の時間をかけて継続的に行うもの勧められます。激しい運動は必要ありません。とにかく無理はせず、長続きさせることが必要です。


  薬物療法は様々なものが現在はありますが、当院でも数種類の薬剤をそろえており、食事・運動療法の指導とともに積極的に行っています。また健診による高脂血症スクリーニングも行っています。

かぜ症候群

  かぜ症候群とは、喉の痛みや鼻汁、咳、くしゃみ、痰、発熱などのいわゆる風邪症状を呈するウイルス感染のことです。感冒や急性上気道炎とも言われます。原因はライノウイルスやRSウイルスなどのウイルスによるものですが、はしか(麻疹)やおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)のように一度かかったら免疫がついて通常は一生のうちで2回かかることがないというものではなく、かぜ症候群にはもちろん一生のうちに何度でもかかりますし、短期間で何度もかかってしまうこともあります。それは原因となるウイルス亜型の種類が非常に多く、数百種にも及ぶからであるとされています。


  期間は冬季に主に流行しますが、夏季に流行するかぜ症候群もあり、年中通して感染します。感染している人の咳やくしゃみで飛び散った飛沫を吸いこんで感染する飛沫感染や接触感染が主な感染様式です。症状が出てから最初の1〜2日間が最も感染力があります。また腹部症状が主なかぜもあり、腹痛、嘔吐、下痢のような症状から発症します。このような症状の多様性もウイルス種の多様性によるものと考えられます。またかぜはウイルス感染ですが、かぜ症候群をきっかけに細菌性の咽喉頭炎、肺炎といった病気に悪化してしまうこともあります。


  病気の診断には通常臨床的な所見のみでなされます。採血でのウイルス抗体測定などで診断するわけではなく、基本的には症状で診断されます。


  治療に関しては、咳やのどの痛み、解熱といった個々の症状に対する対症療法が中心になります。また細菌性の二次感染が疑われれば抗生物質を使用します。かぜ症候群の症状と思ったら、実は副鼻腔炎や口頭蓋炎などの細菌性の耳鼻科領域疾患ということもあるので注意が必要です。その場合は抗生剤の使用と耳鼻科専門医の診察が必要となります。かぜ症候群自体の原因となるウイルスを抑える薬はインフルエンザウイルス以外には今のところありません。

インフルエンザ

  一般的に「インフルエンザにかかった」というのは、インフルエンザウイルスの感染によって、高熱とそれに附随する関節痛や倦怠感、気道感染症状を主に呈するウイルス感染に罹患したということです。インフルエンザ桿菌という細菌もいますが、通常はインフルエンザ菌による細菌感染症のことは指しません。


  具体的な症状は、まず喉の痛み、痰、咳、頭痛、悪寒などとともに39-40℃近くになる高熱がみられます。そしてこの高熱のため筋肉痛、関節痛などがおきます。中には嘔吐、腹痛、下痢など腹部症状がみられることもあります。熱はだいたい5日間くらいは続きますが、途中2-3日で少し解熱することもあります。また咳や気道の炎症は完全に治るまで2-8週間かかることもあります。とくに小さな子供ではいちばん悪いインフルエンザの症状は脳症です。発症すると治療は困難です。このためには脳症を発症しないように早めの診断と治療を心がけなければなりません。


  インフルエンザウイルスには主にA型とB型があり、流行は一般に11月くらいからから3月くらいにかけてみられます。感染した人と接触してから発症するまでの潜伏期間は1-2日なので非常に短く、どんどん周囲に感染し、大規模な流行になることもあります。インフルエンザ感染は主に飛沫感染といって、インフルエンザに罹っている人の咳やくしゃみの飛沫を吸い込んで感染します。


  診断は、咽頭粘膜から抗体を調べる迅速診断のキットができて確定診断ができるようになりましたが、キットのなかった以前のようにかかった時期やインフルエンザ感染者への接触の既往や高熱などの症状から総合的に判断し、問診のみで診断されることもあります。


  治療薬は現在、ウイルス増殖を抑制するものとして、タミフル(内服薬)とリレンザ(点鼻薬)が認可されています。ただし、基本的には高熱を発症してから1-2日以内でないと効果はあまり期待できません。あとは基本的にはインフルエンザはウイルス感染なので、十分な水分摂取と、解熱や鎮痛など対症療法中心に経過を診ていくしかありません。


  予後に関しては基本的には良好で、症状が数週間以上長引くことはないですが、高齢者や小児は脱水や脳症から重篤になることもあります。高熱では思った以上に体が脱水になるので水分摂取はこまめにしましょう。


  また当院ではシーズンになればインフルエンザワクチンによる予防接種も積極的に行っています。インフルエンザ抗体のレベルが11-3月のピークにもってくるように接種します。注射してから抗体が効きはじめるのに2週間はかかり、ピークには1ヶ月はかかるとされています。

花粉症(アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)

  花粉症とは、主にスギ花粉が抗原となって鼻炎や結膜炎症状を起こす病態をいいます。これはスギ花粉という抗原に対する即時型T型アレルギーです。スギの季節以外に症状が続くときは、スギ花粉以外の抗原、例えば他の植物の花粉、ハウスダスト、食べ物、カビや細菌などが原因である可能性もあります。花粉症の原因抗原となる植物は60種以上が知られており、日本で代表的な抗原となる花粉は、春ではスギやヒノキ、夏ならカモガヤなどイネ科植物、秋になるとブタクサやヨモギなどのキク科植物があります。


  アレルギー反応が起こると、ヒスタミンという炎症を起こす物質が作られ、目や鼻などの粘膜に作用して、かゆみなどの症状を起こします。その症状は、具体的には反復性のくしゃみ、涙や鼻汁、眼のかゆみなどです。 日本人の約15%以上が花粉症を有するといわれています。


  診断については、基本的には上記アレルギー症状の自覚症状で診断します。スギ花粉症の場合は、2-5月ごろの毎年特定の期間に発症するので診断は比較的容易です。日本気象協会の地域の花粉飛散情報も参考になります。最近アレルギーの抗原で特に多くなったといわれるハウスダスト・ダニなどは、布団やじゅうたん、屋内のエアコン内部などに多くみられ、慢性的に症状を引き起こします。詳しい検査は採血によって行います。それは抗体(とくにIgE抗体)の測定とともにスギ花粉など各種抗原に対する抗体測定をします。当院では治療目的と今後の生活指導などのために、初回治療時に基本的には抗原を同定する血液検査をお勧めしています。


  治療に関しては、当院では、第二世代の抗ヒスタミン剤の内服を中心に、点眼や点鼻薬を使用しています。スギ花粉症の場合は、毎年の発症と経過が予測できることが多いので、炎症を引き起こす少し前 (毎年花粉症状が出る2週間前程度前) にヒスタミンの遊離をあらかじめ抑える薬剤を使用するのが効果的です。しかし基本的には薬物治療の前にできる限りのアレルギー抗原の原因対策をすることが大切です。スギ花粉に対しては、外出時の花粉用マスクや花粉用メガネの着用、そして洗眼やうがいでの花粉の除去などです。ハウスダスト・ダニ対策としては、吸引掃除の徹底と寝具の日光消毒、エアコンの洗浄などです。薬剤治療として、ステロイド内服も症状が強い場合には処方を検討しますが、長期投与では耐糖能異常や緑内障などの副作用もあります。「1回の注射で治る」と巷で広がっている徐放性ステロイドデポ注射剤は当院では使用していません。

胃潰瘍

  胃潰瘍とは、胃酸や胃消化液によって胃壁(また十二指腸)が障害を受け潰瘍をつくる病態です。症状は、空腹時の胃部痛、胸やけ、悪心、嘔吐などです。また高度な潰瘍では吐血や下血がみられます。下血は黒色便であることが多いです。胃酸は主に強酸性である塩酸であり、肉類を溶かします。胃壁は溶かされないように、粘膜上皮細胞が分泌するアルカリ性粘液で守られています。この胃酸と粘膜のバランスが悪くなると胃炎⇒胃潰瘍となります。このバランスが崩れる原因はたくさんあり、よく知られているようにストレス、とくに消炎鎮痛剤などの薬物、食生活の乱れや喫煙などがあります。また一般に、ストレスが原因なのか、男性は女性に比べて3倍くらい胃潰瘍にかかりやすいようです。


  最近更なる原因の一つが明らかになりました。バリー・マーシャルとロビン・ウォレンのノーベル賞受賞にも至った研究で、ピロリ菌という胃に感染した細菌が胃潰瘍の原因の多くを担っていると1990年ごろから徐々に分かってきました。実際、胃潰瘍の7割以上にピロリ菌感染が先行しており、またピロリ菌感染者は胃潰瘍に3−4倍罹りやすいといわれています。ピロリ菌検査は当院でも行っており、血中の抗体検査と呼気試験の2通りを行っています。また陽性の方には除菌をお勧めしています。


  胃潰瘍の診断についてですが、確定診断には胃カメラで実際に潰瘍を確認するのが確実ですが、胃症状の有無、生活歴、薬剤の服用歴などをよくお聞きすることで外来診療での診断は可能です。当院では施行していないため内視鏡検査は連携医に紹介依頼し、実施しております。ピロリ菌は胃癌にも多いですし、胃潰瘍の症状が治療により落ち着いていても、定期的な胃内視鏡検査は受けたほうがいいと考えますので、やはり連携施設による胃内視鏡検査も積極的にお勧めしております。


  治療ですが、出血による内視鏡処置が必要なものでなければ、基本的には薬剤内服治療です。まず胃酸を抑える薬ですが、これにはH2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤(PPI)という薬があり、効果はPPIの方がより高く、最近はこの薬が主役になったおかげで胃潰瘍の外科的手術は明らかに減りました。また他にも胃粘膜を胃酸から保護するものとして粘膜保護薬があります。当院でもこれらの3種類(H2ブロッカー、PPI、粘膜保護薬)を常備しており、症状にあわせて適宜使用しています。ただし、出血が止まらない場合や潰瘍が深くて穿孔に至った場合には緊急の手術が必要です。その際には緊急で手術施設のある連携病院への紹介を行います。


  さらに当院ではピロリ菌除菌にも力を入れており、再発を繰り返す潰瘍に対してはピロリ菌の検査と除菌をお勧めしています。具体的にはPPIと抗生剤2種の3剤内服併用療法を行っています。

痛風(高尿酸血症)

  体内に尿酸が蓄積すると高尿酸血症になります。そして高尿酸血症の代表的な合併症状が痛風です。人の遺伝に重要なDNAの成分であるプリン体が余分になると尿酸という物質に変わって、尿から排泄されます。このプリン体から尿酸ができる過程や尿酸の排泄の過程で異常が起きると、尿酸が体内に溜まっていくのです。この異常の原因としては、もともとの遺伝的要素と後天的な生活環境、とくにプリン体を含む食品の過剰摂取やアルコール摂取など、が複雑に組み合わさっています。高尿酸血症と痛風は圧倒的に男性に多く、女性で痛風発作まできたす方は非常にまれです。


  痛風とは高尿酸血症による関節炎症状で、その約1割に発症し、関節に尿酸結晶がたまってしまうことにより四肢関節が腫れて痛みます。とくに足の親指の外側のつけ根(中足趾関節)付近によく起こり、初発で約5割、再発で約9割の頻度となります。突然赤く腫れて痛み出し、一晩で激痛により歩けなくなり、1週間くらいで自然にまったく治ってしまうという経過をとります。痛風発作が治っても高尿酸の状態自体を治療しなければ、発作は頻回に起きてしまいます。ただ高尿酸血症があってもすぐに痛風の発作が起きるわけではなく、無症状で経過することもありえます。


  痛風の治療としては、痛風発作時には痛みをとることが優先します。非ステロイド性抗炎症薬を短期間で、痛みがなくなるまで使います。急速に尿酸値が低下すると逆に痛風の発作を増悪させることがあるため、関節痛発作時は尿酸降下剤を新たに始めたり、増量したりは基本的にはしません。


  次の高尿酸血症の合併症状としてですが、尿酸が尿として排泄される際に尿酸の濃度が高くなると尿の中で尿酸が結晶となり、尿酸結石ができます。尿路結石症があると、突然の腰背部に激痛をきたし、血尿が出ます。高尿酸血症を長く放置すると痛風腎といって腎不全に陥ることもあります。


  診断の基本は採血による血中尿酸値測定で行います。痛風は特徴的な発作の症状で簡単に診断ができますが、発作時には尿酸が関節内に溜まってしてしまうため、血中の尿酸値が低くなることもあります。腎臓にできた尿酸の石はレントゲンでは見えないので、超音波検査でわかります。当院でも高尿酸血症の方には、無症状でも積極的に超音波検査で腎結石のスクリーニングを行っています。


  高尿酸血症の治療ですが、まず薬剤には2種類があります。どちらも血中の尿酸を下げますが、尿酸を作らないようにするものと、尿酸を尿からたくさん排泄させて体外に出すものとがあります。尿酸を排泄させるものの方がより尿酸を下げる効果がありますが、腎結石の既往がある方には使いにくく(尿中の尿酸が高くなり結石ができやすくなります)、当院でも2種類を患者さんの既往に応じて使い分けています。ただし、無症状の高尿酸血症の対しての積極的な薬物治療は日本と違い米国ではあまり推奨されておらず、意見の分かれるところです。


  この病気は予防としての食事療法が重要です。具体的には、プリン体を多量に含む食品を避けること、過食をやめること、および多量の飲酒(とくにビール)を控えることです。プリン体が多い食品としては、レバーやあん肝などの肝臓、うにや白子などの卵巣や精巣、かにみそなどの内臓やいくらなどの魚卵があげられます。鶏卵を気にされる方が多いようですが、鶏卵にはほとんどプリン体は含まれておりません。また肉類もよく気にされますが、肉類も一般にプリン体を多く含むのですが、尿酸は調理過程で水に溶け出て行ってしまいますので、肉類を生でたくさん摂取しなければそれほどプリン体を摂ることにはなりません。またビールは多量のプリン体を含有しており、アルコール過量摂取でも尿酸値の上昇の原因となります。尿路の結石を予防するために、1日の尿量が2l以上となるように水分を十分とることが勧められています。

脂肪肝

  脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積した状態です。その原因に応じて大きく分けると、アルコール性脂肪肝、過栄養性脂肪肝に分かれます。原因としては過栄養、肥満、糖尿病およびアルコール多飲によるものがほとんどで、その最多となるのは過栄養です。


  脂肪肝に特有の症状はなく、普通は無症状です。ありうる症状としては食欲不振、腹部膨満感、易疲労などがあります。また脂肪肝だけではそれほど頻度は高くはないですが、肝硬変⇒肝細胞癌と発展するものもあるため注意が必要です。


  診断には採血と超音波検査が有効です。血液検査では、GOTやGPT (GOT<GPTとなることが多い)、γGTPなどの肝酵素上昇を認めます。アルコール性の場合はγGTPの上昇が顕著に認められます。食事や生活習慣病の既往で脂肪肝の存在が疑わしい方には当院でも積極的に肝臓の超音波を行い診断しています。念のためB・C型肝炎ウイルスのチェックも必要に応じて行っております。


  治療は、基本的に食事療法と運動療法です。薬物治療は当院でもあまり行っていません。生活環境をよくお聞きすることからはじめて、生活環境の改善につき積極的に指導させて頂いています。食事療法と運動療法によって体重をコントロールします。アルコール性脂肪肝はとにかく禁酒です。

メタボリックシンドローム

  メタボリックシンドロームとは、インスリン抵抗性を中心とし多数の動脈硬化の危険因子が合併している状態です。簡単に言うと、血糖値や血圧が高くて、お腹が出てきた人のことをいいます。危険因子の具体的な要素は、内臓脂肪の蓄積、糖尿病、高脂血症、高血圧などです。個々の危険因子の程度が軽くても、それらが合併することにより動脈硬化から心血管障害や脳血管障害の発症が相乗的に増加するという考えに基づき、以前からシンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群などとも呼ばれていましたが、1998年ごろになり症候群として正式に定義されました。「メタボ」というその言葉はメディアでも汎用されており、ご存知の方も多いと思います。


  メタボリックシンドロームを有すると、心筋梗塞などの虚血性心疾患を将来おこす危険度が約40倍近くも高くなるといわれます。また高尿酸血症が7割に認められ、脂肪肝も高率に合併します。このため心臓や脳の血管障害だけでなく肝不全にも陥ることもあります。いずれにしてもメタボリックシンドロームの引き起こしやすい合併症は生命を脅かすものばかりであり、この合併症の発症を極力抑えねばなりません。


  診断は、ウエスト周囲径の増大に加えて、高脂血症、高血圧、糖尿病の3項目のうち2項目以上を満たせばメタボリックシンドロームと診断されます。具体的には、まず「ウエストが男性は85cm以上、女性は90cm以上」で、「血圧130mmHg以上、中性脂肪(空腹時)150mg/dl以上、空腹時血糖110mg/dl以上」のうち2項目にひっかかればメタボリックシンドロームと診断されてしまいます。


  メタボリックシンドロームの治療ですが、第一には内臓脂肪を減少させることです。糖尿病や高血圧などの個々の治療は基盤である内臓脂肪蓄積が改善されれば並行して改善されてくることが多く、個々の治療を細かく行うより内臓脂肪減少に向けて徹底することが患者さんとしてもやりやすくまた分かりやすい考え方だと思います。基本的には体重とウエストを落とせばいいのですが、一般に体重が減るときは皮下脂肪より内臓脂肪から減るので、BMI 22以下の標準体重を目標に無理して減量を頑張る必要はそれほどありません。1ヶ月に1cmで十分と考え、半年以上かけてゆっくりゆっくりウエストを減らしていけばいいのです。


  食事療法にしても運動療法にしても、基本的には高脂血症や糖尿病とやり方は同じです。ただとにかく継続が大切です。無理のないスケジュールを毎日継続するということが長い目で見ると命を救うことになるのです。また喫煙により動脈硬化性血管障害の危険性を高めるので、禁煙は望ましいことです。


 次に薬物療法ですが、内臓脂肪をなくしてしまうような薬はありません。食事療法と運動療法による生活改善を半年行なったが、高血糖、高血圧、高脂血症が全く改善されない場合は、個々の病態に対しての薬物療法が行なっていきます。


 当院ではこれらの患者さん個人個人に合わせた指導と適宜薬剤治療に加えて、健診などによるメタボリックシンドロームのスクリーニングも積極的に行っています。クリニックを受診する目的は治療薬をもらうことだけではありません。時間の許す限り、生活習慣改善などの相談に応対していきたいと考えます

不眠症

  不眠症とは簡単に言えば、十分に眠れないことを主訴とする症状ですが、睡眠時間には個人差が大きく、何時間以上眠れなければ不眠症であるという診断基準はありません。


  一概に不眠といっても様々で、「とにかく寝つきが悪く、しかし一度眠れると朝まで眠れる」という入眠の障害、「始めは眠れるが、朝早くに目が覚めてしまい、それからずっと眠れない」という早朝覚醒、また「睡眠の時間は十分取れるが、始終眠りが浅く、寝た感じがしない」熟眠障害など症状も多様となります。その原因としてもいろいろなものがあり、加齢によるある程度生理的なもの、現代人に多い生活環境でのストレス、頻尿などの排尿障害、慢性的な痒みや疼痛などの基礎疾患、また短期的なものとしては旅行や引越しなどによる環境変化、うつ病などの精神疾患、アルコールなどの薬物など様々です。


  治療に関して当院では薬物療法を中心に加療していますが、症状や年齢にあわせて眠剤の種類や量を使い分けています。例えば、入眠障害には効果が出るのも効果が切れるのも早い短期型のハルシオンなどを、また不安による要素が強い場合はデパスなどを、といった様に使用します。ただし、薬物療法はあくまでも対症療法なので、患者さんの生活環境や不安が生じる原因やストレスなどゆっくりお話して頂くようにしています。そして指導として、「日中部屋を暗くしすぎないで、起きたら外に出て日光にあたるように」とか「カフェインの摂取をひかえるように」とか患者さんの生活スタイルをお聞きした上でアドバイスさせて頂きます。「朝早く起きるのは年のせいだから仕方がない」「ストレスだから仕方ない」などと不満があってもあきらめないで、なんでも相談していただければ、できる限りの対処をしていきたいと思っています。