薄毛の悩みがある女性は20代〜50代であっても96%⁉女性の薄毛治療を論文ベースで検証しました。

女性の薄毛治療の特効薬的な飲み薬は無し。しかし、女性型脱毛症(女性の薄毛のこと)に有効性が認められている治療方法もあるにはあるので、その辺りを解説してみます。

若い女性から中年の女性の96%が薄毛に悩んでいるとの調査結果もあります(調査の精度等に関しては少々問題ありだけどねw)。

男性型脱毛症に有効な飲み薬はあるけど、残念ながら女性向けの飲み薬はナッシング。

先日、私のような泌尿器科医は男性型脱毛症に深く関連している男性ホルモンのプロフェッショナルなんだよ、ということをお伝えさせていただきました。

男性型脱毛症と再生医療の深い関係をテストステロン・ジヒドロテストステロンのプロである泌尿器科医として解説

男性型脱毛症と再生医療の深い関係をテストステロン・ジヒドロテストステロンのプロである泌尿器科医として解説

多くの人を悩ませる薄毛の問題、AGA治療が身近になってきたとはいえAGAは男性の脱毛症です。薄毛と深い関係のあるホルモンの専門家である泌尿器科医が、男性型脱毛症(AGA)だけでなく女性型脱毛症(FAGA)の治療にも効果が期待できるPRPによる再生医療の可能性と今後について解説します。

となると、女性の薄毛治療のプロフェッショナルは産婦人科医なのか?と気になるのですけど、私が知る限りではその界隈から積極的な意見は無いようです。それもそのはずで、男性の薄毛は男性ホルモンに大きく左右されていても、女性の薄毛は女性ホルモンに依存する割合が少ないからと考えられます。

女性の薄毛治療に関しては、男性型脱毛症治療に使用されるフィナステリドやデュタステリドのようは作用機序も明確で有用性が認められている飲み薬は現時点では知られていません。

しかし、女性であっても男性同様に薄毛にお悩みの方は少なくは無いはずですし、有効性が確認されている治療方法をエビデンスを交えながらお知らせしますね。

女性型脱毛症とはこのような状態です

男性型脱毛症はAGAと称されています。女性型脱毛症はFemale Pattern Hair Lossを略してFPHLと呼ばれることが医学方面では多いです(しかし、医学用語ってどうして略語が多用されるんだろう)。女性型脱毛症を簡単に説明すれば、男性ホルモンが関与していない脱毛症、ってこと。

女性型脱毛症は「前頭部の生え際は大丈夫だけど、頭頂部から前頭部にびまん性に毛髪密度が減少している状態」が特徴です。

女性型脱毛症の症例写真

Parietal scalp is another affected area in female pattern hair loss: an analysis of hair density and hair diameterより

女性型脱毛症治療の目標は抜け毛を減らし、髪の再生を促すこと

男性の多く見られる男性型脱毛症と発症のメカニズムがちょいと違っている女性型脱毛症です。私は個人的には、「本当に効果あるの?」と懐疑的視線で見ていたドラッグストアで購入可能なミノキシジル(Minoxidil、商品名はいろいろあります)という発毛剤が実はエビデンス的にも効果があることを知って猛省しています。

ミノキシジルの作用機序はミノキシジルがなぜ薄毛治療に効果があることがわかったか、という開発秘話を知っていた方がいいかもしれません。

そもそも降圧剤として開発されたミノキシジルの副作用として多毛症が報告されたために、「これはひょっとして薄毛治療に役立つかも」と考えた研究者がいたのです(※注意:日本においてミノキシジルの飲み薬は未承認です)。薄毛治療に効果を示す根拠としては、ミノキシジルが体内でATP-感受性Kチャンネルを刺激することによって、血管の平滑筋が広がることによる血流改善効果であると考えられています(帝京大学医学部薬理学中木敏夫先生の説明を参考にしました)。

例えば「Interventions for female pattern hair loss」(PMID: 27225981)では1242名の女性を対象として24週から32週間調査したところ、ミノキシジルを使用した方がプラセボグループと比較して統計学的に有意に毛が増えていることが認められています。

ミノキシジルの濃度が高ければより効果があるのか?

濃度が1%のミノキシジルより2%、あるいは5%の方がより効果があるんじゃないの、と普通は考えます。女性型脱毛症治療に2%のミノキシジルと5%のミノキシジルを使った研究の結果が前掲の論文中にあります。

女性型脱毛症に関しては2%のミノキシジルと5%のミノキシジルでは有意な差がなかった!!

ということが3つのランダム化比較試験の結果を分析したところわかっています。

日本でドラッグストアなどで手軽に入手できる女性向けのミノキシジルの濃度は1%です。5%と2%の差は無いとしても、1%より2%のミノキシジルの方が発毛及び脱毛予防効果があるような気がするんだけど少なくとも日本人女性を対象とした比較試験は論文ベースでは見つけられませんでした(私の調査能力不足の可能性もあるけどね)。

「A randomized, placebo-controlled trial of 1% topical minoxidil solution in the treatment of androgenetic alopecia in Japanese women」(PMID: 17324826)は日本人女性を対象として1%のミノキシジルの効果を確認した論文です。結論としては1%のミノキシジル外用によって重大な副作用無しで治療効果があったことを伝えています。

飲み薬やサプリメントの女性型脱毛症に対する治療効果はいくつかの疑問が・・・

男性型脱毛症に効果のあるフィナステリドやデュタステリドの女性型脱毛症に対する治療成績に関する信頼できる論文はあまりありません。そりゃそうですよね、そもそも男性ホルモンが影響していると考えられる女性型脱毛症は稀でしょうから。世の中にはチャレンジャーがいることはいるけど、現時点でホルモンに影響して脱毛症を改善させる内服薬を女性が服用することは少なくとも日本では推奨されていません。

一方で「Pantogar(パントガール、あるいはパントガー)というサプリメントに分類され、女性の薄毛治療に多用されているものがあります。中には「パントガール(Pantogar)は、世界で初めて効果と安全性が認められた、女性専用の飲む育毛薬です。毛髪の成長を促進して薄毛を治療し、健やかで美しい髪を育てます。」と伝えている医療機関も見受けられますが、作用機序として主成分のD-パントテン酸カルシウムやL-シスチンが髪の毛の栄養補給をするためと説明されています。

確かにパントガールの臨床試験データはあることはあるのですが、「Comparative evaluation between two nutritional supplements in the improvement of telogen effluvium」(PMID: 30237729)などを参考にすると栄養に偏りがある方には有効であっても、男性型脱毛症におけるフィナステリドやデュタステリドのように明確な効果は期待できないように感じています。

PRPという再生医療技術を使用した女性型脱毛症治療の効果について

当院では厚生労働省に以下のように、多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、略してPRP)を用いた頭髪に対する再生医療を届け出ています。

多血小板血漿を用いた頭髪に対する再生医療

実は再生医療法が制定された時から多血小板血漿による発毛治療を行なっていたのですが、多血小板血漿(PRP)を作成するキットがあまりにも高額であり患者さんのお財布に優しくなかったのでここ数年は積極的に患者さんにこの治療方法はお伝えしていませんでした。

ひょんなことから京セラの方と知り合いになり、京セラのご協力により高度管理医療機器に分類される血液成分分離キット「Condensiaシステム」(医療機器承認番号:30100BZX00223000)を使用して男性型脱毛症だけではなく、女性型脱毛症治療を本年2022年から本格的に行なっています。

当院では効果だけではなく、現時点では確認されていない重篤な不具合や副作用が発生した場合は速やかに追跡調査を行い認定再生医療等委員会に報告することになっています。

基本は40mLを患者さんご自身から採血させてもらい、PRPを作成して使用します(治療費用は税込30万円・・・この量で手のひらサイズの面積の薄毛治療が可能です)。もしも、この量では足りない場合は20mL採血させていただき、追加費用を12万円いただいています。リスクは注入時の痛みや皮下出血で、重大な副作用は現在まで報告されていません。

色々な脱毛治療をしてきたけど、効果が感じられない、長年サブスク的に定額料金を支払ってきたけど数年に及ぶ治療費を計算したらメッチャ高額じゃん、と感じた方はぜひご相談くださいませ。

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