女性の薄毛の原因|すぐできる対策と薄毛になりやすい人の特徴も解説

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女性の薄毛の原因とは|抜け毛の理由は加齢だけではない

①加齢による毛髪数の減少

頭頂部・後頭部の毛髪は30歳代と比較すると50歳代になると13%以上減少することが日本の研究によって知られています1)

②びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は男性より女性に多く見られることが知られています。びまん性脱毛症に気がつくのは、髪の手入れをしている時に分け目が目立つようになったり、地肌が透けて見える時です。加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の影響が原因のために40歳代以上の女性に特に多いと考えられています。

③牽引性脱毛

牽引、つまり引っ張られることが原因で髪の毛が薄くなる状態です。髪を結うことが多い方は注意が必要です。また、同じ髪型で同じ分け目で髪を整える習慣も牽引性脱毛の原因となります。

④産後脱毛症

出産後に抜け毛が増える疾患で、症状を産後脱毛症と呼んでいますが、出産時に増加していた女性ホルモンが出産後に急激に減少することが原因と考えられています。

⑤脂漏性脱毛症

皮脂の分泌異常や発汗などによって生じる脂漏性皮膚炎という病気があります。ホルモンバランスの乱れや頭皮の常在菌であるマラセチアと呼ばれる真菌が原因となります。脂漏性脱毛症により頭皮がカサカサとなり、フケが増える状態を伴い脱毛が生じます。

⑥ひこう性脱毛症

ひこう性脱毛症は漢字だと「粃糠性脱毛症」であり、粃糠とは皮膚の角質が増加して細かい屑状にパラパラと落ちる状態を意味しています。フケが増えると同時に脱毛が生じる状態がひこう性脱毛症ですが、フケが毛穴を詰まらせてしまうくらい大量に発生する点が脂漏性脱毛症との違いです。原因として、シャンプーや整髪料の洗い残しが考えられます。

⑦円形脱毛症

脱毛症で皮膚科を受診する場合に一番多いものでありながら、治療は容易ではないことが知られています。脱毛の範囲から単発型・多発型・全頭型・蛇行型に分類されされ自己免疫疾患の随伴症状であることもあります2)

⑧抜毛症

毛髪を引っ張る癖や精神的に安定していない状態で無意識のうちに髪の毛を抜いてしまう行為によって生じるものであり、多くはストレスが原因と考えられています。思春期に発症することが多い抜毛症ですが、成人しても症状は続き、中には数十年という長期間に及ぶこともあります。

⑨甲状腺機能の異常

甲状腺性脱毛症と呼ばれる脱毛があります。甲状腺機能低下症の場合、皮膚の新陳代謝が悪くなるために発毛サイクルも悪くなり脱毛が生じることがあります。逆に甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症であっても、皮膚の新陳代謝が活発になりすぎることによって脱毛が生じることもあります。

⑩病気の治療による副作用

薬剤性脱毛症とも呼ばれる状態であり、抗がん剤による成長期脱毛症、薬剤の副作用が原因となる休止期脱毛症に分けられています3)

コラム:低容量ピルが薄毛の原因になるって本当?

避妊効果や生理痛改善や生理周期調整に使われている低用量ピルによって薄毛になるとの話があります。逆に低用量ピルを服用することによって毛深くなってしまうとの噂も出回っています。低用量ピルを服用することによって、女性でも分泌されている男性ホルモンが相対的に優位になるために体毛が濃くなってしまうことを期待して処方されることもあります。一方で頭髪は女性ホルモンが多い方が薄毛になりにくい傾向があるために、低用量ピル服用は薄毛の原因とはなりにくいはずです。低用量ピルの副作用として添付文書4)には脱毛は記載されていませんので、必要以上に心配することはないと考えて良いでしょう。

1.中村雅子:「女性毛髪の加齢変化」、皮膚・第37巻・第6号・平成7年12月

2:日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン作成委員会:日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン2017年版

3:天羽康之:毛包幹細胞から考える薬剤性脱毛症の病態:北里医学 2014; 44: 1-5

4:ヤーズ配合錠添付文書

薄毛になりやすい人の特徴

薄毛に悩む女性の多くは、ホルモンバランスが乱れる更年期に頭頂部を中心として広く髪の毛が細くなったFAGA(Female Androgenetic Alopecia)やFPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれる場合が多いです。

FAGAの主な原因として、毛髪の成長に関連するエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が減少することが考えられています。エストロゲンの分泌が大きく変化する出産や加齢は薄毛になりやすい人の特徴です。

また毛髪の成長を促すエストロゲンだけではなく、成長ホルモンの変化も発毛には大きく関連していると考えられています。成長ホルモンは寝ている間に分泌が活発になる為に、睡眠不足も薄毛に悪い影響を与えます。

毛髪の栄養は毛細血管から毛根の毛乳頭細胞に送られ毛母細胞の働きが活発になることによって維持されています。極端なダイエットや栄養の偏りによりこのサイクルが狂ってしまうことも、薄毛に悩む女性の特徴と考えられています。

気づいたらすぐ対策を!女性の薄毛を改善する3つの方法

ここまで女性の薄毛の原因について現在わかっていることを解説してきました。では鏡をのぞいた時にご自身の薄毛に気がついた場合はどのような対処方法があるでしょうか。

①薄毛治療をする

男性の薄毛(AGA、Androgenetic Alopecia)治療の一つとしてフィナステリドやデュタステリドの服用があります。しかし、残念ながら女性の薄毛に効果があると強いエビデンスによって支持された薬は現時点ではありませんし、女性の服用は禁忌とされています。

男女ともに薄毛・脱毛に対する外用薬としてミノキシジルがあります。男性型脱毛症と女性型脱毛症では使われるミノキシジルの濃度が違っていることに注意が必要です。男性型脱毛症では5%のミノキシジルが使われていますが、女性型脱毛症で効果が認められているのは1%であることが研究結果として知られています5)

女性型脱毛症は前述のなんらかの病気や治療薬が原因となっていることもあります。薄毛治療をする前にはそれらをしっかり診断することが重要となってきます。

②良質な睡眠をとる

発毛と関連しているエストロゲンや成長ホルモンの分泌は睡眠の影響されることが知られています。薄毛を改善する為には良質な睡眠を取ることも重要なポイントと考えられます。

③食事を改善する

食べもので薄毛を改善を提案する医学関連情報は多いですが、実際の効果に関しては質の高いエビデンスはありません。

例えば毛髪の成分の一つであるたんぱく質が豊富な食材を積極的にとれば薄毛が改善されるとの考え方があります。しかし、たんぱく質を積極的にとりいれても亜鉛が不足していると、たんぱく質を体内で十分に活用することができません。

貧血が薄毛の原因になることもあります。女性の貧血の原因の多くは鉄分の不足です。しかし、鉄分をたっぷり含むレバーやほうれん草、ひじきを摂取するとしても限界があります。

もしも、偏った食生活を送っているのであればそれを改善し、過激なダイエットは避けるべきであり、バランスの良い食生活を送ることが薄毛対策の基本であったとしても、食事の改善だけで薄毛を解消することは難しいです。

コラム:髪の毛が生える食べ物はある?

なんらかの食べものを積極的に食べると薄毛が改善することはありません。バランスの良い食べもに期待できるのは薄毛の予防効果であり、薄毛になってしまっている状態を改善することはできないと考えるべきです。

5:Ryoji Tsuboi ら:A randomized, placebo-controlled trial of 1% topical minoxidil solution in the treatment of androgenetic alopecia in Japanese women:Eur J Dermatol
. 2007 Jan-Feb;17(1):37-44.

本当に薄毛を改善したいなら再生医療!

女性の薄毛に対して効果が明らかな治療方法は、男性型脱毛症とは違って限られています。そこで大いに期待できる治療方法として再生医療が考えられます。

再生医療は着実に成果を上げている治療方法である一方で、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」によって厳重に管理・監視されている治療方法です6)

再生医療の一つとして、患者さん自身の血液から抽出した成長因子を頭皮に注入するPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)と呼ばれる治療方法があります。PRPの発毛促進効果については多くの試験・研究がなされてはいますが、法律に従って施術する必要がある為に実施できる医療機関が限られています。

当院は厚生労働省に届出をした、再生医療に関する法律を遵守して安全で効果的な女性の薄毛治療を行なっている医療機関です。

コラム:「湯シャン」で薄毛が改善するは本当なのか?

シャンプーを使わないで洗髪する湯シャンは、冷水での洗髪と比較して頭皮に残ったフケや整髪料を洗い流す効果はあります。皮脂は頭皮を守るバリア的な働きも備わっていますので、シャンプーを使ってゴシゴシ洗うことは発毛・育毛には逆効果であるとも考えられます。

しかし、シャンプーを使用しない「湯シャン」によって発毛が促進されたり、抜け毛が減少する可能性は低いと考えて差し支えありません。頭皮の汚れである皮脂は水温が高ければ高いほどキレイになります。しかし、あまりにも高温であると必要以上に皮脂を取り除くことになり、頭皮の肌荒れの原因になりかねません。

整髪料も湯シャンだけで洗浄することは難しいと考えられます。適切な量のシャンプーを使用して正しい洗髪方法を行うことの方が湯シャンより薄毛には効果があると考えられるのではないでしょうか?

女性の薄毛にまつわるよくある疑問

Q. 10代・20代の若いうちの薄毛は何が原因なのでしょうか?

若い方の薄毛の原因として、生活習慣の乱れ・間違ったヘアケア方法・ストレスが挙げられます。もちろん基礎疾患があり、それが原因で薄毛になることもあるためにまずは医療機関受診をすることが重要です。

生活習慣の乱れやストレスは発毛・育毛に必要なホルモンバランスの乱れにつながります。

よくあるヘアケアの誤りとしては、以下の例があるでしょう。

  • ヘアオイルの使用:ヘアオイルで髪の毛に栄養を与えられると考えられていますが、実際にはヘアオイルは髪の毛の表面に付着するだけで、毛髪に浸透することはありません。
  • ドライヤーを使わない:ドライヤーの熱風によって髪の毛が傷むと考えて、自然乾燥をした方が良いと思っている方もいるようです。髪の毛が湿った状態が続くと、頭皮の常在菌が増殖する可能性が高まってしまい、薄毛・脱毛の原因となる疾患を引き起こします。
  • 洗いすぎ:清潔感を保つために洗いすぎることは、逆に頭皮の皮脂の分泌量を増やす原因にもなってしまいます。

Q. 肥満と薄毛に因果関係はありますか?

高脂肪食を大量に摂取させることによって脱毛症が発症することを明らかにした論文があります7)。この研究で明らかになったのは、肥満と幹細胞の機能低下が密接な関係にあることです。しかし、あくまで動物実験によって得られた結果であり、そのまま人体に適用するかについては今後の研究結果を待つ必要があります。

7:Hironobu Morinagaら:Obesity accelerates hair thinning by stem cell-centric converging mechanism:Nature
. 2021 Jul;595(7866):266-271.

Q. 「育毛サプリ」「育毛剤」「育毛シャンプー」…育毛商品で薄毛は改善できますか?

脱毛治療と育毛剤を併用することによって抜け毛が減少する効果はあっても、育毛剤だけで薄毛を改善することは困難です。特に育毛サプリの有効性に関して様々な研究が行われていますが、男性型脱毛症の治療薬であるフィナステリドやデュタステリドのような効果は認められていません。

育毛剤は発毛剤とは薬の分類としても違いがあります。育毛剤は「医薬部外品」であり、発毛剤は「医薬品」となっており、薄毛治療として女性にも効果がある外用薬であるミノキシジルは発毛剤、つまり医薬品に分類されています。

育毛剤や育毛シャンプーの効果は頭皮の環境を整えて毛髪が育ちやすくすることであり、脱毛治療にはなりえません。

Q. 女性の薄毛治療は保険が適用されますか?

現時点で薄毛治療に対しては男女ともに健康保険は適用されません。その理由としては日本の医療制度上、薄毛治療は美容領域の治療であると判断されているからです。薄毛治療は全額自己負担(自由診療)ですから、治療に際しては安全性が担保され効果が確実な実績をもつ医療機関を選ぶことが重要なポイントになってきます。

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