醜いキズあとを消す特別な方法~W形成術

ケガや手術などで残ってしまったキズあとがコンプレックスとなって、自分に自信が持てない、人前に出たくないなど、心に影をおとしてしまうことがあります。

特に顔にできてしまった、大きなキズあとは隠すことができないので、患者さんにとって大きな悩みとなってしまいます。

キズあとを消す方法はあるのか?

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(出典:http://www.thenewyou.in/plastic-surgery-myths-and-facts/)

五本木クリニックは形成外科・美容外科を標榜していますので、キズあとの修正を希望して来院される方もたくさんいらっしゃいます。

その方たちから必ず聞かれるのが「キズあとを消せますか?」という質問です。それに対して「はい、完全に消せますよ」と、答えるとそれは嘘になってしまいますが、「今あるキズあとを100だとすると、それを限りなくゼロに近づけることは可能です!」と答えています。

修正方法はいろいろな種類があり、キズあとの状態によってどの方法を採用するかは異なってきますが、長さが長いキズあと、盛り上がっているキズあと、ひきつれのあるキズあとなどはまず手術が第一選択となります。

キズあとの部分をもう一度きれいに切り取り、美容外科・形成外科の高度な縫合技術を駆使して縫い直すことで、キズあとをほとんどわからないくらいの状態に治します。

この高度な縫合技術の詳細に関しましては以前のブログを参考にしてください。⇒https://www.gohongi-clinic.com/m_blog/1410/

今回は応用編ということで、さらに高度な「W形成術」を使ったキズあとの修正方法を紹介します。

シワと直角にできるキズあとは特に目立つ

下の写真は48歳の男性Aさんの額のキズあとです。交通事故に遭い、額が縦に6センチも裂けるキズを負い救急病院で縫ってもらいました。

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救急病院 の当直医師はキズ縫合の専門家(つまり形成外科医)ではないことがほとんどなので、たいてい太い糸でざっくり縫って、とりあえずキズはふさいでおきました的な処置をします。

このような縫い方だと、上の写真のようないわゆる「ムカデの足」のような醜いキズあとになってしまいます。

さて、布には布目があるように、人間の皮膚にもコラーゲン線維の方向によってできる布目のような線があります。これを皮膚緊張線(ストレスライン)といい、顔の場合は下図のような方向に存在しています。

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(出典:http://pocketdentistry.com/17-rhytidoplasty/)

この線は目には見えませんが、年とともにこの線に沿ってシワが刻まれてくるので、だいたいシワの方向と一致していると考えるとわかりやすいですね。

キズあとがこの皮膚緊張線に沿って平行にできたなら、シワの中にまぎれてしまってそんなに目立たないのですが、線を横切るように直角についてしまったキズあとはとても目立ってしまいます。

額は横方向にシワができますが、Aさんのキズあとは縦にできていますから、さらに目立ってしまうのです。

そこで登場するのが「W形成術」です。

W形成術

W形成術は、下の図のようにキズあとをジグザグに切り取り、直線状のキズあとをジグザグに変える手術法です。このジグザグの形がアルファベットの「W」に似ているため、W形成術と呼ばれています。

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(出典:http://pocketdentistry.com/11-scar-revision/)

シワと直角に交わるようなキズあとをジグザグに切り取ることで、ジグザグの一方向のキズをシワの方向と一致するように変換できるのです。

また、長い直線状のキズは縮む傾向があり、それがひきつれの原因となるので、アコーディオンのようにジグザグにすることで、縮もうとする力を分散させる作用もあります。

では、Aさんのキズあとで実際にこのW形成術をおこなってみましょう。

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額の横のシワと直角に交わるキズあとはとても目立ちます。

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ジグザグに切り取る線をデザインしたところです。ジグザグの一辺をシワの方向に一致させるのがポイントです。

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縫い終わったところです。図で描くとジグザグの線がまだ目立って見えますが、実際の写真で比べていただくと、W形成術のすごさがわかっていただけると思います。

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上が術前、下が術後の写真です。よく見ると細いジグザグの線が見えますが、キズあとはほとんど目立たなくなっていますね。

執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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