鼻のプロテーゼを自己組織に入れ替えた後の詳しい経過写真

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鼻に入れたシリコンプロテーゼについての相談が増えています。シリコンプロテーゼは本来、人間の体内には存在しない異物ですから、そのようなものを何十年も埋め込むことは体にとってよいわけはありません。

異物によって生じた不具合を治すためには、異物を取り去るのが一番です。

新しいシリコンに入れ替えるだけじゃダメなの?

と思われる方も多く、クリニックによっては、異物を抜いて、また別の異物を使って修正するところがありますが、異物を使い続けている限り、いつかまた抜かなければならなくなるリスクを常に抱えることになり、根本治療とは言えません。

鼻整形の修正をしたい方のうち、。少しだけ直したい、形を変えたいという場合ではなく、根本的に治したいと思われる方は、根本治療を選択すべきでしょう

この手術に関する相談や問い合わせが連日のようにありますが、多くの方が心配されているのが、術後のダウンタイムです。

何日くらい、どの程度腫れるのか?青あざはでるのか?テープを貼ったり、包帯を巻いたりしなければいけないのか?いつから人前にでられるのか?仕事は何日休めばよいのか?などの質問をよく受けます。

患者さんから受ける質問でもっとも多いのがダウンタイム

ひと目で術後の様子がわかるように、時系列に沿って術後の経過写真を掲載します。

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Jさんは、約20年前に、全国にチェーン展開する有名美容外科クリニックにてL型プロテーゼを入れました。術後の仕上がりにはとくに不満なく、順調に過ごしてきました。

 しかし、2~3年くらい前から、鼻に痛みや圧迫されるような違和感を覚えるようになり、また、寒い時期には鼻先が白く変色するようにもなり、今回思い切って異物を抜いて自己組織に入れ替える手術をしました。

まずは、手術前の写真です。

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直線的で人工的な鼻スジ、不自然なテカリ、鼻先の皮膚の白い変色などの症状がみられます。

プロテーゼを抜いた後、自己組織(筋膜と軟骨)を移植して鼻の形を整える手術をしました。

こちらが抜き取ったL型プロテーゼです。

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L型シリコンプロテーゼ

術後、腫れのピークは2~3日目です

こちらが手術直後の写真です。

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局所麻酔の注射を鼻全体に打つので、それだけでかなり腫れます。腫れによって鼻筋が太く高くなっています。特に目と目の間の部分の腫れが強いです。

腫れは手術直後がピークではなく、手術の翌日から翌々日にかけてが一番腫れる時期です。術後、少し遅れてさらに腫れてくるので、不安に思われる方が多いですが、それが通常の経過ですので心配いりません。

上の写真の中で、所々、髪の毛のような黒い糸が出ていますが、これは移植した組織が動かないように、固定するための糸です。この糸はテープの中に隠れるように固定しますので、外からは見えません。

術後、まる3日間、鼻全体にテーピングをします

術後は、腫れを最小限度に抑え込む目的と、移植した組織を固定するために鼻全体に肌色のテープを貼ります。

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上は眉と眉の間から、下は鼻先まですっぽりとテープで覆われます。下半分の範囲はマスクで隠せますが、上半分は隠しきれません。しかし、大きめのサングラスや黒ぶちの伊達メガネなどをかけたり、帽子を深めにかぶればカモフラージュできます。

術後、翌朝まで頭に包帯を巻きます

側頭部から筋膜を採取しますので、その部分に血がたまらないように、ガーゼを厚めにあてて、包帯を巻き、圧迫固定をします。

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この包帯の上から大きめのサイズの帽子をかぶれば、包帯を隠すことができます。この包帯は一晩そのままにしていただき、翌朝には自分で簡単にはずすことができます。

包帯がずれないように、眉より少し上のおでこの部分にテープを貼って、包帯を固定します。包帯を外す時には、このテープをはがして、帽子を脱ぐように包帯を上に引っ張れば、すぽんと簡単にとれます。

寝ている間に包帯がすっぽ抜けてしまうことがありますが、その場合は巻きなおす必要はありません。そのままはずした状態で大丈夫です。

術後3日目にテーピングをすべてはずします

手術の翌日を1日目として数え、3日目に来院していただき、鼻に貼ったテープをすべて取ります。同時に、組織を固定していた糸も抜糸します。傷口を縫っている他の糸は1週間後に抜糸します。

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上の写真は3日後にテープをすべて取った状態のものです。この時点で大きな腫れはかなりとれていて、鼻筋もすっきりしてきています。

鼻筋の中央あたりが少し紫色になっていて、そのまわりが黄色っぽく見える部分は、青あざです。これは時間とともに、1~2週間で消えていきます。テープがとれたその日から、お化粧もできますので、ファンデーションで隠すこともできます。

よく見ると、鼻筋に細かいシワのような横線が見えるのは、テープの跡で、すぐに目立たなくなります。

手術して1週間後にすべて抜糸をします

術後1週間で、傷口を縫った部分の糸をすべて抜きます。筋膜を採った側頭部の傷、軟骨を採った耳の裏の傷、鼻の穴の中の傷の三か所の糸を抜糸します。

抜糸の際には多少チクチク感はありますが、麻酔の必要はなく、約5分で終わります。

術後1週間目、全抜糸後の写真がこちらです。

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鼻先にまだ少し軽い腫れが残っていますが、1週間でほぼ腫れはひき、人前に出てもまずばれることはないと思います。

術後、組織が定着し安定するまで、約半年の間に3回通院して経過をチェックします

抜糸がすべて終了した後、まず1か月後に来院していただき術後の状態をチェックします。問題なければ、次は2か月後に来院、さらに問題なければ3か月後に来院していただき、定期的に診察をします。通院の間隔を徐々にあけながら、約半年の間に3回ご来院いただきます。それで問題ない場合は、治療終了ということになります。

下の写真は術後約8か月後のものです。

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術前のものと比較してみましょう。(向かって左が術前、右が術後です)

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正面から見た場合に、不自然に直線的で、てかっていた鼻筋がやわらかく、自然な鼻筋になっています。

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横からのシルエットは、術前とほぼ同じ形がキープできています。

鼻に入れたプロテーゼでお悩みの方は、異物を抜いて、自分の組織に入れ替えることで、他人に気づかれずに、自然な鼻を取り戻すことができます。

腫れの程度や、腫れの回復具合は個人差はありますが、なかなか休みがとれない方も、最短3日のダウンタイムで仕事復帰可能で、7日もあれば十分です。

鼻プロテーゼについて松下医師に相談してみる

執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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