切らずに「顔やせ」「小顔に」効果長持ち脂肪溶解注射とは

脂肪溶解注射とは

脂肪を溶かす効果のある成分を皮下に注射し、脂肪細胞を分解・溶解することで顔痩せを可能にする治療法です。

デオキシコール酸を含んだ脂肪溶解注射は脂肪細胞を破壊する作用があり、破壊された脂肪細胞は再生されることはないので、減ったままの状態が半永久的に持続します。そのため効果が半永久的であることが特徴です。

脂肪を分解・溶解する代表的な成分としてデオキシコール酸・フォスファチジルコリン・L-カルニチン・ヒバマタ(海藻)抽出物・チロシン(アミノ酸)など多数あり、色々な組合せで調合した薬剤が多くのメーカーから販売されています。

大きく分けるとBNLSといった植物由来成分の薬剤と、デオキシコール酸を主成分とする薬剤があります。

デオキシコール酸は強力な脂肪溶解作用があるため、最近の脂肪溶解注射の主流となっています。また、メーカーによって色々な濃度の薬剤が製造されています。

脂肪溶解注射の主成分デオキシコール酸について

デオキシコール酸は胆汁酸の一種で、元々体内に存在する成分です。食事で摂った脂肪の分解と吸収を助ける働きがあります。
デオキシコール酸は脂肪細胞の細胞膜を破壊し、細胞そのものを溶解することで脂肪細胞の数を減らします。

デオキシコール酸以外の成分は細胞破壊作用まではありませんが、脂肪細胞内の脂肪の代謝を促進し、脂肪細胞のサイズを小さくすることで皮下脂肪を減らします。

正常な脂肪細胞・破壊された脂肪細胞

デオキシコール酸を含む代表的な脂肪溶解注射製剤

デオキシコール酸の濃度の違いと原産国

製剤名濃度(%)原産国

カイベラ (Kybella)

1.0

米国

カベリン (Kabelline)

0.5

韓国

チンセラプラス(Cincelar+)

0.8

韓国

ネオベラ (Neobella)

0.5

韓国

ミケランジェロ(Michelangelo)

2.4

イタリア

メソラインスリム(Mesoline Slim)

2.4

ドイツ

BNLS アルティメット (BNLS uitimate)

0.02

韓国

BNLS ネオ (BNLS neo)

0.0001

韓国

ファットエックス(FAT X)

1.0

韓国

ファットエックス コア (FAT X core)

1.0

韓国

  • デオキシコール酸は脂肪細胞を破壊できるほどの強力な成分ですが、その分腫れや赤み痛みなどの炎症が多少は起こります
  • デオキシコール酸の濃度が高いほど炎症が強くでますが、炎症をやわらげる色々な成分を配合することで予防します
  • ミケランジェロとメソラインスリムは2.4%と飛び抜けて高濃度ですが、デオキシコール酸の破壊作用をやわらげるフォスファチジルコリンという成分が配合されています

製剤名

デオキシコール酸

フォスファチジルコリン

L-カルニチン

ヒバマタ
(海藻)

チロシン
(アミノ酸)

カイベラ

カベリン

チンセラプラス

ネオベラ

ミケランジェロ

メソラインスリム

リポスタビル

輪郭注射

BNLS

BNLS アルティメット

BNLS ネオ

ファットエックス

ファットエックス コア 

脂肪細胞破壊

脂肪代謝促進

脂肪代謝促進

脂肪分解

脂肪代謝促進

脂肪溶解注射の使い分け

基本的に、腫れや赤みなどダウンタイムが多少長くても良いのでしっかり効果を出したいという場合は、デオキシコール酸を含む脂肪溶解注射がオススメです。

ダウンタイムはできるだけ避けたいという方は、効果はマイルドになりますが、デオキシコール酸を含まないBNLSや輪郭注射がオススメです。
一般的に副作用の少ない薬剤は効き目が少ないです。

副作用が出るということは、薬剤が効いている証拠で、その意味でBNLSや輪郭注射は効果があまりなく、ノーリスクノーリターンというところです。輪郭注射は以前は使用していましたが、現在は効果が少ないため使用していません。

ファットエックスはミケランジェロに比べると濃度が低いものの、フォスファチジルコリンを含んでいないので、腫れや炎症といった副作用が強く出る傾向があります。

当クリニックで現在使用している薬剤は2種類で、ミケランジェロとチンセラプラスです。

ミケランジェロはデオキシコール酸の含有量が多く、非常に高い効果が期待できることがあります。かつフォスファチジルコリンがデオキシコール酸の効果を制御して副作用がそれほど大きくならないためです。

また、代謝を促進する作用のあるL-カルニチンを配合しており、メソラインスリムよりも効果が期待できるため採用しています。

チンセラプラスはデオキシコール酸の含有量が多過ぎず少な過ぎず程よく配合されているので、副作用がマイルドな割に効果が比較的よく出ます。韓国製のため施術の費用もイタリア製のミケランジェロより低価格になっています。

脂肪溶解注射の効果

一回の施術でそれほど多くの脂肪を破壊できるものではありませんので、数回程度の通院が必要になるケースが多いです。

もし、一回の施術で完全に脂肪を取り去りたい、あるいはすぐに効果が欲しいということであれば、脂肪を吸引して取り去ってしまう脂肪吸引という方法もあります。脂肪吸引についてはこちらに詳しくまとめてありますのでご覧ください。

どちらがよいかわからない場合はご相談いただけたらと思います。

脂肪溶解注射はどれくらい注射するのか

脂肪溶解注射の種類や皮下脂肪の量により多少異なりますがハガキサイズの範囲に通常4〜5ml注射します。

脂肪溶解注射の範囲

通常上図の範囲全体でハガキサイズ1枚分です。あご下に大量に脂肪のついている方はあご下だけでハガキ1枚分となることもあります

薬剤の種類によって使用する量は変わります。

ミケランジェロはハガキ1枚につき顔の場合5〜10ml、チンセラプラスはハガキ1枚につき顔の場合4〜8ml単位で使用します。これよりも多くの量を一度に使うことはありません。

脂肪の量が多く、この薬剤の量で効果が足りないとわかっている場合でも、一気に多くの量を注射するのではなく、改めて通院していただくことになっております。

一気に多くの量を注射しても、比例して効果が大きくなるわけではなく、副作用の弊害ばかりが増してしまうためです。

脂肪溶解注射の効果はどれくらいであらわれるのか

脂肪溶解注射は即効性がなく効果が出るまで時間がかかります。注射後3〜4日は炎症反応による腫れやむくみが出るためかえって太って見えます。
それが落ち着き破壊された脂肪細胞や脂肪が体から排出され、効果が実感できるまでに4〜6週間ほどかかります。
これで様子をみることになりますが、脂肪の量や部位によっては1回で効果がでず2回以上の治療が必要なことがあります。その場合には効果が出るまでにさらに時間がかかります。

最初から効果が不十分とわかっている場合には、回数を指定して2週間おきに3回通院していただくといった計画になる場合もあります。

脂肪溶解注射の効果の持続期間

健康的な食事や適度な運動を心がければ半永久的に効果をキープできます。
破壊された脂肪細胞は再生されることはありません。また新たにできることもないので脂肪細胞の数が増えることはなく減ったままの状態で半永久的に持続します。

ただし脂肪溶解注射は注射部位に存在するすべての脂肪細胞を死滅させるわけではありません。

暴飲暴食や運動不足などのライフスタイルを続けると、残りの脂肪細胞が肥大化する可能性があります。脂肪溶解注射の効果を維持するためには健康的な食事と適切な運動を維持することが重要です。

脂肪溶解注射をやってはいけないのはどんな人

  • 妊娠中 授乳中の方
  • 脂肪溶解注射の成分に対してアレルギーのある方
  • 血管合併症のある糖尿病の方
  • 重度の腎臓病、肝臓病の方
  • 自己免疫性疾患の方
  • 16歳以下の方

脂肪溶解注射の痛みについて

針を刺す時に少しチクっとした痛みがあります。でもご安心ください。
痛みを極力抑えるために極細の針を使用しますので、通常は氷でよく冷やす冷却麻酔のみで我慢できる程度の痛みです。

それでも心配な方は、振動を与えて痛みを感じにくくする器具、麻酔クリーム・麻酔テープ、笑気麻酔などの併用も可能です。

脂肪溶解注射の副作用について

これは信じられないような話なのですが、皮膚が壊死したという実話があります。

素人さんが自分で薬剤を個人輸入して、自分で注射したそうです。素人さんだと脂肪の層に注射することは難しいので、浅い皮膚に注射してしまい皮膚壊死が起こってしまったわけです。

脂肪溶解注射は確実に脂肪の層にのみ注射する必要があり、間違って筋肉や皮膚に注射してしまうと重大な合併症を起こしてしまうことがあります。

これはお気の毒ですが自業自得というしかないと思います。

ヒアルロン酸など自分で注射される方がたまにいらっしゃいますが非常に危険です。

さて、これはさておき通常は脂肪溶解注射の副作用としては以下の症状があります。

腫れ・赤み・痛み・かゆみ・熱感・圧痛・しびれ感・違和感・しこり・内出血などです。

しかし、これらの症状は一時的なもので通常3〜4日で治ります(脂肪溶解注射の種類によっては治るまでに2週間位かかることもあります)。

内出血・違和感・しこりに関しては治るまでに1〜2週間かかります。

その間アイスパックで冷やしたり鎮痛薬を飲むことで、症状を軽くすることができますので大きな問題ではありません。

脂肪溶解注射後に日常生活で気をつけることは

腫れ・内出血予防のために血行を良くする行為を制限する

サウナ・岩盤浴・長時間の入浴・温泉浴・激しい運動・飲酒などで血行が良くなると、腫れや内出血が遅れて出てきたり長引くことがあります。

これらの制限は注射後2〜3日必要です

薬液が行き渡るようにまた脂肪が排出しやすいように適度にマッサージをする

  • 注射後は薬液が注入箇所全体に行き渡るようにやさしくマッサージしてください。
  • 痛みが強い場合は痛みが治まってからマッサージを開始してください。
  • マッサージにより脂肪排出の効果をさらに高めることができます。
  • 高周波温熱治療(ラフォス治療)を併用されることをオススメします。

効果を持続させるために健康的な食事と定期的な運動を心がける

脂肪分解注射により破壊されて減少した脂肪細胞の数が再び増えることはないです。しかし暴飲暴食や運動不足などの生活習慣により壊れていない脂肪細胞が肥大すると、リバウンドする可能性があります。

脂肪溶解注射後も健康的な食事と適度な運動を維持することが重要です。

脂肪溶解注射と併用すると相乗効果が期待できる治療法は

エラボトックス

小顔にしたい人の中には咬筋(噛むときに使う筋肉)が発達しすぎてエラが張って見える人もいます。その場合には咬筋にボツリヌストキシン製剤(ボトックス)を注射することでエラ張りを改善することが期待できます。
エラボトックスについて詳しくはこちら

スレッドリフト

フェイスライン・ほうれい線上部・あご下の皮下脂肪を、脂肪溶解注射で減らすとそれぞれの部位のたるみが出てしまう場合があります。

その場合には皮膚の下に糸を通すことで、たるみを引き上げるスレッドリフトを併用することがあります。

スレッドリフトについて詳しくはこちら

高密度焦点式超音波治療(HIFU治療)

フェイスライン・ほうれい線上部・あご下の皮下脂肪を脂肪溶解注射で減らすと、それぞれの部位のたるみが出てしまう場合があります。
その場合にはHIFU治療で皮膚を引き締めることでたるみを改善することが可能です。
当院のHIFU治療器はウルトラフォーマー3です。
ウルトラフォーマー3について詳しくはこちら

高周波温熱治療

高周波温熱治療は高周波エネルギーによる脂肪燃焼温熱療法で脂肪細胞中の脂肪代謝を高め脂肪の量を減らします。また高周波の熱作用により肌を引き締める効果もあり脂肪溶解注射と併用することで相乗効果が期待できます。

高周波温熱治療(ラフォス治療)について詳しくはこちら

執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

五本木クリニックのブログを購読する

五本木クリニック院長のtwitterアカウントをフォローfeedlyで五本木クリニックのブログを購読するインスタで松下医師のアカウントをフォローする