顔の脂肪注入について色々質問に答えてみました

40代後半の女性の患者さんからの質問をまとめてみました。
趣味は筋トレで、週3回ジムに行ってトレーニングをしているとのことです。
ムキムキというわけではなく、年齢を感じさせない引き締まったスタイルを維持しているのがとても印象的な患者さんでした。
それでもやっぱり顔のシワといった老化は、トレーニングではどうにもならないのでご相談にいらっしゃったという経緯です。

額のシワとほうれい線を目立たなくするために、ヒアルロン酸か脂肪注入という方法があることを知って、どちらがいいかというご相談でした。

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患者さん

患者さん:ヒアルロン酸と脂肪注入ではどっちがお勧めでしょうか?

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松下

難しい質問ですね。それぞれメリットデメリットがありますね。

ヒアルロン酸は、イメージ通りの形に仕上がるのが一番のメリットですね。

デメリットとしては、徐々に体に吸収されてしまうので、いずれ元に戻ってしまうということです。効果を維持しようとしたら定期的に通院いただく必要があるので、経済的な負担が大きいことですね。

脂肪注入は自分の体の一部として注入した箇所に定着するので、効果が非常に長持ちすることで、経済的なのがメリットです。

デメリットとしては注入した脂肪がどれだけ定着するかはやってみないとわからないので、イメージと違った仕上がりになってしまうことがあるという点ですね

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患者さん

患者さん:ヒアルロン酸は定期的に通院が必要とのことですが、どれくらいおきに通う必要があるのでしょうか?

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松下

半年から2年ぐらいで元に戻るので効果を維持しようと思ったら、それくらいの間隔で通院いただく必要があります。

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患者さん

患者さん:値段はどれくらい違いますか?

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松下

◯◯さんの場合だと、まずヒアルロン酸の料金は、1本目は正規料金で、2本目から10%引きとなります。またヒアルロン酸注射の場合は血液検査は必要ありませんので、合計金額は252,000円になります。

脂肪注入の場合は吸引が250,000円、それにプラスして額への注入が350,000円、ほうれい線は100,000円、それに術前採血代金で、合計すると750,000円になります

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患者さん

患者さん:大体3回でトントンという計算ですか?

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松下

それくらいですね。やっぱり何度も来ていただくのは費用も大変ですし、通院の手間も考えると、お得なのは脂肪注入でしょうね。

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患者さん

患者さん:脂肪注入はずっともつのでしょうか?

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松下

基本的には効果は持続するのですが、でも脂肪って痩せると減りますよね。
顔の脂肪が痩せて減ってしまえば、注入した脂肪も減ってしまいます。そのため、生きている限りはずっとというわけにはいかない可能性が高いです。
また、歳を取ったらどうしてもいろいろな部分にシワもできてきますし、その時点で改めて考える必要があるでしょう。

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患者さん

患者さん:でも脂肪注入の方が、長い目で見ればコストは安いと考えて大丈夫ですよね?

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松下

はい、それは間違いありません。

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患者さん

患者さん:コストは脂肪注入の方が良さそうだと思いましたが、他にヒアルロン酸と比べたときの違いはありますか?

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松下

脂肪注入にはもう2つのメリットがあります。
1つ目はお肌の若返りの効果が期待できることです。脂肪に含まれている幹細胞には成長因子が含まれるので、お肌の再生を強く促進します。これはヒアルロン酸にはないメリットですね。
また、自分自身の細胞なのでアレルギーや拒否反応が起こらないのもメリットと言えます。まあ、ヒアルロン酸でもアレルギーや拒否反応が起こることはまずありませんが。

しかし、脂肪注入は終わったあとで腫れがひくまでの期間が長かったり、どれだけ吸収されるかわからないので、仕上がりが完全に予想できないデメリットはあります。

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患者さん

患者さん:仕上がりが予想がつかないというのはどういうことでしょうか?

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松下

脂肪はどれだけ吸収されるか予想ができないんですよね。大体、顔の場合は注入した脂肪の40~60%程度吸収されるのが普通です。体の場合は、60%~70%といったところです。

このようにかなりの幅がありますし、その範囲を超えて吸収されたり、あるいはそこまで吸収されなかったりとかします。こればっかりは運なので予想ができないところです。

吸収されることを見越して、顔の場合は仕上がりイメージの2倍を注入します。

額のシワ改善や輪郭形成の場合は半分ぐらい吸収されることを見越して、大体20〜30ミリリットルぐらい入れます。
そうすると、おでこがすごく膨らんでデコッパチみたいになってしまいます。3ヶ月ぐらいで吸収されて落ち着くのですが、それまでは不自然な感じになります。

しかし、3ヶ月ぐらいたっても思ったほど吸収されないで、デコッパチみたいな感じのままになってしまうこともあります。その逆に吸収されすぎてシワや凹みが復活してしまう場合もあります。

脂肪注入で最も多いのは豊胸手術ですが、豊胸手術であれば多めに注入しておけば問題にはなりにくいのですが、顔の場合はちょっとの差が大きな見た目の違いになってしまうのですね

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患者さん

患者さん:仕上がりが予想と大きく違うということは結構あるのですか?

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松下

まあ、そこまで多くはないですね。かなり差がでることもありますが、9割ぐらいは想定の範囲に収まる感じです。

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患者さん

患者さん:それほど差が出るわけではないんですね。でも、もし大きく差が出てしまった場合はやっぱり困りますよね。

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松下

大きく差が出てしまうのが困るのであれば、最初は控えめに注入しておいて後から追加で注入するという方法もあります。
1回でちょうどいいあんばいになればいいのですが、やっぱり物足りないから追加となると、2回分の施術費用をいただくことになってしまいます。

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患者さん

患者さん:やっぱり控えめに入れるのはもったいない気がしますね。であれば、最初から狙った量を入れた方が良さそうな気がします。でも、思ったより吸収されなかった場合は、修正することってできるんでしょうか?

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松下

方法はあります。ヒアルロン酸の場合は、多く入れすぎた時はヒアルロニダーゼという薬剤を注入すれば簡単に溶かすことができます。
脂肪注入の場合、多く入れすぎた場合は簡単に取ることができないものの、脂肪溶解注射で減らす、あるいは脂肪吸引して取るといったことになりますが煩雑にはなります。
〇〇さんの場合は関係ありませんが、目の周辺はメスで切って直接目で見ながら余分な脂肪を摘出するといった方法をとります。
減らすのは大変と言えば大変ではありますが、多くなりすぎることはそんなにありませんし、減らすこともできるのでジャストの量を狙うことをお勧めしています。

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患者さん

患者さん:わかりました。ところで、お腹の脂肪をたくさん取って細くしてもらうことってできますか?

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松下

〇〇さんの場合、太っているようには見えないので必要ないと思うのですが・・・。うちの場合は脂肪注入で必要な量を取るだけなので、それほど痩身効果は見込めないです。

ボディーの脂肪吸引がメインの目的であれば、機械式の吸引機が必要で、当院にはないので脂肪吸引を専門的に行っている別のクリニックに行ったほうが良いかと思います。

でも、お腹の脂肪吸引は死亡事故などの重大なリスクがあるのでクリニック選びは大切です

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患者さん

患者さん:死亡事故ってあるんですか?そんなことがあったらニュースになりそうなものですが・・・

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松下

実際にニュースになったこともありますよ。
腹筋という筋肉は意外に薄いので、これを突き抜けて吸引管を腹腔内に刺してしまうリスクがあるんですね。

表沙汰にはなっていないのですが、脂肪吸引の事故は裏では多額の示談金を払ってもみ消しているという話も結構あります。そんなわけであまり表に出てきてないという側面もあります

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患者さん

患者さん:怖い話ですね。

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松下

やるならちゃんとリスクを理解して、経験と入院設備のあるクリニックでやることをお勧めします。

ボディの脂肪吸引は術後の経過を観察して、急変に備えることが大切です。入院設備のないクリニックで脂肪吸引をやるのは絶対に危ないですね。やるんだったら入院設備のあるクリニックでやることをお勧めします。

それであっても盲腸の手術や帝王切開といったおなかの手術経験がある人や出べその方はリスクが高くなりますのでさらに注意が必要です。

ちなみにうちでは 基本的には太ももの内側の脂肪を採取しています。結構量も取れますし安全です

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患者さん

患者さん:リスクはやっぱりあるんですね

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松下

リスクはやっぱりありますよ。
そんなに重大な事故以外にも、吸引する側には腫れや、内出血、凹凸になったり、感染したり、血腫になってしまったり、しこりができたり皮膚が固くなるということが起きたりします。

注入する側では腫れや左右差ができてしまったり、しこりが残ったり、感染したりといったリスクはあります。

これも医師の経験で回避できるものではあるのですが

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患者さん

患者さん:ちなみに脂肪注入って美容だけではなくて、普通の医療でもやるものなんですか?

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松下

普通にありますね。たとえば乳がんでおっぱいを切除した場合に、再建するといった場合とか、先天奇形で顔面の一部がへこんでいるような場合に、そこを補って形を作ってあげる場合など色々あります

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患者さん

患者さん:どれくらい痛いのでしょうか?

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松下

手術中の痛みと術後の痛みがありますが、まず手術中の痛みに関しては、局所麻酔だけだとかなり痛みがあるので、静脈麻酔や笑気麻酔、ブロック麻酔などと併用することで大幅に減らすことが可能です。術後の痛みに関しては注入した部分はほとんどありません。吸引した部分は数日間筋肉痛のような痛みがあります

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患者さん

患者さん:注射針のあとが目立ったりしませんか?

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松下

顔には傷はまったく残りません。吸引した側にはほんの少し残りますが目立つものではないですね

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患者さん

患者さん:終わった後でどれくらい膨らんだりしてしまいますか?

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松下

腫れたり大きく膨らむと困るという場合であれば、2倍まで入れないで少なめに注入し、数回に分けて注入することで徐々に改善していくという方法もあります。ただしその都度施術しないといけないので非常に手間と費用がかかります

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患者さん

患者さん:抜糸は痛いですか?

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松下

脂肪吸引のために切開した傷口の表面は当院では縫わないので抜糸の必要はありません。自然に溶けて体に馴染むタイプの糸を使って皮膚の裏側で縫うことで傷口をきれいにふさぎます

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患者さん

患者さん:終わったあとで、どれくらいでやった箇所が目立たなくなりますか?

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松下

吸引した箇所は内出血、腫れが起こります。これが落ち着くには1、2週間ぐらい、長い場合は3週間ぐらいですね。

注入した箇所は1、2週間ぐらいで、腫れた場合は3ヶ月ぐらいかかることもあります。人前に出る仕事で、腫れると困るという方の場合であれば、何回かに分けてやることもあります

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患者さん

患者さん:運動はいつぐらいから大丈夫でしょうか?

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松下

吸引した側は運動すると問題が起きる可能性があります。内出血が落ち着いたら少し動かすぐらいは大丈夫になります。通常は1週間ぐらいから徐々にならしてやったほうがいいでしょう。マラソンなどだと1ヶ月とか、軽く走る程度なら2週間程度からならOKって感じですね。

筋トレは1ヶ月ぐらい経ってからの方がいいでしょう。1ヶ月後に通院いただくので、そのときに状況をみて私の方で判断させていただいたほうが無難ですね

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患者さん

患者さん:通院が必要なのですね。何回必要なのでしょうか?

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松下

3回通院していただくことになります。

まず1週間後ですね。吸引した箇所に何か問題が起こっていないかを確認します。

次は1ヶ月後で、注入した脂肪の定着の状況を確認します。

最後が3ヶ月後で、この時も定着の状況を確認します。
3ヶ月以降はほとんど変化しないので、このときに定着の状況が想定よりもあまりにも少なかったり、多すぎた場合は調整の提案をさせていただくことがあります

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執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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