ヒアルロン酸注入について色々質問に答えてみました

30代後半の女性の患者さんからの質問をまとめてみました。

ほうれい線が気になっており、年齢より老けて見えるというお悩みで来院されました。
「いくつに見える?」といろいろな人に質問してみると「43?」といったように実際の年齢より5歳以上歳をとっているように見られることが多かったといいます。

様々な化粧品を試したりしても効果が感じられないので、エステか美容医療に行ってみようと考えて、色々調べてみたそうです。
美容医療の方が効果がありそうだと思い、知人に聞いたことがある当クリニックに来院されたという経緯です。

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患者さん

ほうれい線を消すにはヒアルロン酸がいいのでしょうか?

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松下

ほうれい線を消すことはできないのですが、目立ちにくくすることはできます。

ヒアルロン酸の注射が第一選択肢でしょうね。他にも脂肪注入やハイフ、スレッドリフトといった方法もありますが、まずはヒアルロン酸がいいかと思います。

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患者さん

まずはヒアルロン酸が第一選択肢ということですが、それはどうしてでしょうか?

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松下

脂肪注入は効果が長持ちするんですけど、太ももなどの脂肪のたくさんある部位から脂肪を吸い出して注入するという施術です。その脂肪を吸い出すという作業があるので、大掛かりになりますし、体への負担も比較的大きいものです。

吸い出した部位はしばらく腫れたりしますし費用も高めです。長い目で見れば安いのですが、いきなり最初から脂肪注入をされる方は少ないですね。

ハイフは皮膚に機械で熱を加えることで、収縮させてシワを取るという方法です。肉を焼くと縮みますが、それと同じ原理ですね。体への負担は軽いものの、効果はそれほど持たないです。徐々に効果がなくなって大体半年から一年ぐらいで全くなくなります。ほうれい線が目立たない状態を維持するには半年に一回ぐらい通院して頂く必要があります。

スレッドリフトはトゲのついた糸を頬に埋めて、シワを引っ張り上げるという治療です。たるみ対策では一般的な治療法ですね。糸を埋め込むので治療が終わった後の数日は少しチクチクしたりします。
ほうれい線が目立つ1番の原因は、頬のたるみによるものです。よってほうれい線が気になる方はたるみもあります。
根本治療は単にヒアルロン酸でほうれい線の凹みを埋めることではなく、原因となっているたるみを糸で引き上げるのが根本治療となります。理想的には糸で引き上げ、それでも残っている凹みにヒアルロン酸を入れるというように併用するのが理想的です。

ヒアルロン酸は比較的効果が長持ちしますし、施術も簡単に終わり体への負担もまったくありませんので、第一選択肢となるとまずはヒアルロン酸と言っていいでしょう。

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患者さん

こちらのクリニック以外のいろいろなホームページも見たのですが、ヒアルロン酸はクリニックによって全く値段が違うのですが、どこが違うんでしょうか?(ここでスマホを取り出し、某美容チェーンクリニックの価格表を見せる)

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松下

ああ、これですね。この初回限定の金額もそうですが、それ以降の金額もすごく安いですよね。
確かにうちみたいな個人経営のクリニックよりも、チェーンの美容クリニックの方が薬剤の仕入れ値は安いと思います。でもそこまで大きな違いはないはずです。

実際にこの金額でやっているのかどうかはわからないですね。
患者さんから聞くのですが、ホームページに書いてあった金額でできると思っていたら、それよりも高い施術を強引に勧められたっていうケースが多いんですよ。

もし本当にこの金額だとしたら、安全性の確立していない中国や東南アジアの薬剤を使っていたり、さらに薬剤を使いまわしている可能性もあります。
薬剤の名称が書いていないのですごくあやしいですね・・・。

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患者さん

安いということは何か心配なことがあるということでしょうか?

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松下

心配ですし、効果もあやしいです。
心配な点としてはまずは薬剤の信頼性です。

当クリニックで使用しているヒアルロン酸はスタイレージと、ジュビダームビスタですが、これは安全性が確認されていて世界各国で広く使われているものです。

ジュビダームビスタは厚生労働省の認可を受けていますし、スタイレージはヨーロッパの安全性認可のCEを取得している薬剤です。

また、持続期間についても非常に優れています。

これに対して安価な薬剤は品質にバラつきがあって、副作用が出たりすることも少なくありません。
また、架橋という形を維持する機能が弱く効果がすぐになくなってしまう薬剤も多いです。

あとは、薬剤を使いまわしている可能性もありますね。

良心的なクリニックであれば、患者さんの見ている眼の前で新品のパッケージを開封して、使い回しでないことを示すのが普通ですが、安さを売りにしているクリニックであればそのあたりはやっていないでしょうね。

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患者さん

副作用ってやっぱりあるんでしょうか?

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松下

内出血して青あざができたり、腫れたり、赤くなったり、かゆみが生じたりすることはあります。でもこれらは大体1週間ぐらいで落ち着くのが普通です。これらは大した問題ではないのですが、重大な副作用は注射針で神経を傷つけてしまうことと、血管を詰まらせてしまうことですね。

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患者さん

そうなるとどうなってしまうんでしょうか?

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松下

神経を傷つけてしまうと、しびれが残ったりすることがあります。でもこれは解剖の知識の浅い医師が行った場合にのみ起こることで普通はありません。もし、万が一そんな事があったとしても、神経は再生するので治ります。

最大のリスクは血管を詰まらせてしまうことですね。ヒアルロン酸が血管に入って固まってしまうと、そこから先に血液が行かなくなってしまいます。
そうすると激痛が起こり皮膚が壊死したりしてしまいます。これが目に血液を供給している血管の場合は、失明するという事態にもなりえます。失明したという事故は、実際に今までに世界で50例ほど報告されています。

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患者さん

かなり怖いですね。

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松下

そうですね。ヒアルロン酸の注射はプチ整形に分類されているぐらい、施術そのものは簡単に終わるものです。
でも、事故は起こりえます。そこで事故を防ぐために当クリニックでは3つの安全策を取っています。

まず第1に十分な経験のある医師が慎重に実施することです。
血管や神経の走っている箇所は個人差がかなりあります。思わぬところに大切な血管があったりすることもあるんですね。

当クリニックの担当医師には長年の経験と実績があり安心していただけると思います。

第2に万が一血管に詰まってしまった場合の処置を速やかに行うことです。
詰まってしまった場合でも、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を分解する酵素を注射すれば事故を避けることができます。

第3は注射針を先の尖っていない鈍針(どんしん)を使うことです。鈍針を使うとほとんどのケースで事故を防ぐことができます。

鈍針拡大

このような針を使えば血管や神経に深刻なダメージを与えないで済むことがほとんどです。

当クリニックではヒアルロン酸に限らず顔への施術では必ず鈍針を使用しています。

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患者さん

こういう針を使うのは普通なんですか?

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松下

普通じゃないようですね。というのも例えばスタイレージはこんな感じで最初から注射器に入っている状態で売られています。

スタイレージ

付属品として専用の針が付いていますが、鈍針ではなくて尖った針なんですね。

なので、わざわざ患者さんがオプションを希望しない限り、このまま使うというケースも多いようです。実際にそう書いてあるクリニックのページも見たことがあります。

でも、安全性に関わる部分をオプションにするというのはどうかと思いますね。

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患者さん

注射の痛みはありますか?私はどちらかというと注射って苦手なので・・・

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松下

痛みの感じ方は人それぞれで、個人差があるのでなんともいえないのですが、今までの患者さんの中で痛みで治療を中断した患者さんはいらっしゃらないので安心してください。

また麻酔で痛みを軽減できます。局所麻酔でこの鈍針を差し込むところに麻酔の注射をすると全く痛みを感じないで済むでしょう。麻酔の注射は少しだけチクッとしますが、普通の予防接種などで使う針の太さの半分ぐらいの極細の針を使っているので、痛みはとても少ないです。つねられるよりも痛くないと思います。

また、それでも針が怖いのであれば麻酔薬を含んだクリームを塗る、あるいはシールを貼るという方法もあります。刺さないので全く痛くはありませんが、薬剤が浸透するのに30分ぐらいかかりますが、時間がゆっくりとれればこういう方法もいいかと思います。

ちなみに私も実際に自分で自分の顔にヒアルロン酸を打っていますが、私の場合は痛みにかなり強いので、注射を打つ箇所を冷たくして痛覚を弱めるだけの冷却麻酔という方法でやってます。

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患者さん

時間はどれくらいかかりますか?

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松下

局所麻酔や冷却麻酔でやる場合なら5分程度ですね。麻酔薬を浸透させる場合は、大体1時間ぐらいみておく必要があります。

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患者さん

終わったあとどれくらいで普通に生活できますか?

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松下

ヒアルロン酸は注射したその日から普通にしていただいても大丈夫です。
メイクもしていただいても問題ありません。
私や院長なども業務時間中にヒアルロン酸を打って、その後も普通に診療をしているというぐらいほとんど日常生活に差し障りがないものです。でも、長時間の入浴やサウナなど体を温めるようなことは24時間は避けて頂いたほうがいいですね。
また運動や重労働、飲酒も24時間は避けましょう。
顔のマッサージも半月ぐらいはやらないほうがいいでしょう。
その他は普通に生活していただいて全く問題ありません。

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患者さん

副作用で青あざや腫れなどが出ることもあると聞きましたが、どれくらいの頻度でおこるものでしょうか。

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松下

赤くなるのは多少なりともあります。体外から異物が入ってくるため体が警戒して炎症反応が起こるためです。まあ、目立たない程度なので心配はいらないです。

もともとヒアルロン酸は体内にある物質なので、48時間程で体に馴染んで赤みはなくなります。

青あざが出ることはまれですが、高齢の方や血液がサラサラになるサプリを常用されている方などでは出やすい傾向があります。平均すると50人に1人ぐらいは起こるという感じでしょうか。

〇〇さんの場合はほうれい線なので、マスクで隠れる場所ですね。もしマスクをしない場合でもコンシーラーを塗れば見えなくなるので、それほど心配する必要はないでしょう。
青あざは1週間から2週間程度で薄くなって消えます。

打った当初はヒアルロン酸が体内の水分を吸収するので少し腫れることがあります。でも普通は目立つ程ではありませんし、また1週間ぐらいで落ち着きます。

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患者さん

通院は1回でいいのでしょうか?

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松下

2週間後に来ていただき、必要があればリタッチをします。

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執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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