オステオポアの問題点・トラブル解決法

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オステオポアの問題点とは

今回はオステオポア(オステオポール)によって起こる問題と、その問題の修正方法についてお話します。

オステオポアとはメッシュ状の人工素材を立体的に加工したもので、鼻先の皮下に埋め込んで、鼻先の形を整えるのに使用する人工物です。

当クリニックは他の美容クリニックが失敗してしまったあとの修正や、年月が経過して不具合が生じてしまった患者さんを数多く治療しています。
その中でも近年オステオポアの修正が非常に多くなっています。立て続けに5例オステオポアのトラブルによる来院が続きましたので、注意を喚起する意味でも記事にすることにいたしました。

オステオポアの埋め込み自体は技術がない医師でも簡単にでき、しかも10分程度で終わるためプチ整形感覚で気軽に広く行われています。しかし、オステオポアには下記に述べるデメリットがあります。

  • 体にとって異物を埋め込むため不具合が起きる危険性が非常に高い
  • 特に鼻先は皮膚が薄いため、皮膚に常に強い負荷をかけ続けることで破れる危険性がある
  • 破れるなどの不具合が起きた際の修正には高い技術が必要であり、オステオポアを入れた美容クリニックでは対処できない可能性が高い
  • オステオポアは歳月が経過すると組織に癒着し、ポロポロと崩れてしまうため後で除去するのが非常に困難
  • オステオポアを入れる手術はクローズ法(鼻の穴の中を切開して手術する方法)であるため、傷口は全く見えません。しかし、オステオポアを除去する手術は、鼻を外から切開するオープン法でしかできないため、修正後傷が多かれ少なかれ残ってしまう
    オープン法とクローズ法の違いはこちらをクリック

鼻先の皮膚は薄いため、オステオポアが皮膚を突き破って飛び出すということはよくあります。
オステオポアが飛び出してしまったあとで、これを入れる手術をしたクリニックが修正手術をしてくれなかったため、2年間ぐらいずっとマスクして仕事をしていたという患者さんもいました。
この状態を放置すると穴から血液に細菌が入って、敗血症を起こすなど命に関わる危険もあるのです。

オステオポアを入れることそのものは難しくないのですが、修正は難しいのです。
最悪なのはプロテーゼの上にオステオポアを入れるというケースです。異物の上に異物を入れるのは最悪です。
こんな手術を行なった場合、いずれトラブルになる可能性が高いのですが、修正する技術のない医師が修正をするとどうなるでしょうか?

「とりあえず抜きましょう。」

と言ってプロテーゼとオステオポアを抜いたままにしてしまうことがあります。抜いたままにすると、プロテーゼとオステオポアがあった部分が穴になって凹んでしまい、鼻をかじられたような変な形になってしまいます。
そして変形した状態で固まってしまうので、更にその後の修正は非常に困難なものになってしまいます。

症例紹介

症例1

40年前にL型プロテーゼを入れたという事例です。
昨年の10月にL型プロテーゼを残した状態で鼻先にオステオポールを入れ、術後感染を起こしてしまいました。
その1ヶ月後にオステオポールを除去したのですが、鼻先の皮膚の血流障害を起こし皮膚が壊死し、L型のプロテーゼが露出してきたという経過です。

40年前にL型プロテーゼを入れたという事例

L型プロテーゼはそれだけでも鼻先にLの頂点が来るので、鼻先の皮膚に強い負荷がかかります。その上に更にオステオポアを入れるというとんでもない手術です。
案の定感染を起こし、皮膚が壊死し鼻先に穴があいてオステオポアが飛び出してしまったのです。
ちなみにこの手術を行なったクリニックと患者さんは、いま弁護士を通じて話し合いを行っている最中とのことです。

治療はまずプロテーゼを抜きます。
プロテーゼを抜くと、いままでプロテーゼが入っていたところが凹んで穴になってしまいます。
その穴には患者さんの耳から採取した軟骨と、頭の横から採取した筋膜を移植して形をキープします。

この患者さんは掲載をご了解いただいたので、写真を掲載します。

施術前

鼻先からプロテーゼが飛び出ている

鼻先からプロテーゼが飛び出ている

鼻先からプロテーゼが飛び出ている

鼻先からプロテーゼが飛び出ている

施術後

飛び出たプロテーゼを抜去して修正後

飛び出たプロテーゼを抜去して修正後

飛び出たプロテーゼを抜去して修正後

症例2

I型のプロテーゼを入れ、鼻先にオステオポールを入れた事例です。I型プロテーゼが下にずれて穴が空いてしまったのですね。

I型プロテーゼとオステオポールを埋入したトラブル事例

鼻根部から鼻先にかけて高くしたい場合は、I型プロテーゼを入れ鼻先には自分の体から採取した軟骨を入れるのが本来あるべき方法です。
しかし、そういう技術のない美容クリニックはオステオポアなど異物を使いたがるんですね。組織を採取して移植する技術がないためです。

鼻根部はつまめるほど皮膚があるのですが、それに対して鼻先の皮膚はもともと余裕がなく、パッツンパッツンなんです。そこにオステオポアという異物を入れるので当然トラブルになります。

I型プロテーゼ+オステオポアの施術はL型プロテーゼを入れるのと同じような感じです。しかし、今日では推奨されないL型プロテーゼよりもさらに良くない面があります。
プロテーゼであれば後で抜く必要が生じた際には、技術のある医師であれば抜くことは可能です。これに対してオステオポアの除去は難しいのです。
組織に食い込みかつ完全に崩れていて除去するのは非常に大変でした。

この患者さんも掲載をご了解いただいたので、写真を掲載します。

施術前

I型プロテーゼが鼻先から飛び出している

I型プロテーゼが鼻先から飛び出している

I型プロテーゼが鼻先から飛び出している

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施術1週間後

飛び出していたI型プロテーゼを抜去して修正

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飛び出していたI型プロテーゼを抜去して修正

鼻柱には若干傷が残っていますが、術後1週間でほぼ目立たない状態になっています。これには傷口を目立たせないように縫うテクニックが必要です。

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症例3

こちらも症例2と同じくI型のプロテーゼを入れ、鼻先にオステオポアを入れた事例です。
手術後わずか2ヶ月程で強い違和感、圧迫感を感じたので取ってほしいというご希望でした。

違和感があるということは、皮膚に強い負担がかかっているという体からのSOSサインです。
この状態を放置すると、オステオポアの輪郭が浮き出てきたり、血流が悪くなって皮膚が壊死したりといった重篤な症状が出てきます。
まだ手術して日が浅かったので、オステオポアの癒着や溶解があまり進んでおらず、簡単に除去することができたのは幸いだったとはいえます。

症例4

鼻先にオステオポールだけ入れた事例なのですが、なんと高校生の患者さんです。
いくら保護者の方の同意があるからといって、未成年にこのような施術をするクリニックの良識を疑わずにはいられないです。

徐々に皮膚が薄くなって、丸いオステオポアの輪郭が浮き出てきてしまったため、当クリニックに来院されました。

オープン法で鼻柱を切開する

オステオポールを除去する時は、このように鼻柱を切開する必要があります。
外側から見える傷をつけてしまうことになります。縫い方を工夫して、傷が目立たなくするよう配慮しますが、このような若い患者さんの将来を考えると複雑な心境でした。

症例5

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切除したオステオポール

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鼻先にオステオポールを3つも入れた事例です。こんなに入れたら鼻先がデカくなりすぎます。どうしてこのような施術をしたのか理解に苦しみます。
皮膚に著しい負担がかかり、血流障害や痛みがありました。

最後に

症例の2・3・4は全国展開している有名な美容クリニックです。
本当にとんでもないとしかいいようがありません。特に高校生にまでこの施術をするという姿勢は非難されてしかるべきと思います。

大切なことなのでもう一度言います。

「オステオポアは使ってはいけません。」

オステオポアはそのうち体内に吸収されるから、大丈夫という医師の言葉に騙されてはいけません。
完全に吸収される前にトラブルになるのです。
入れる手術は簡単ですが高い確率でトラブルが起こりますし、その際の除去手術は大変で傷も残ってしまいます。

鼻を高くしたいなら、I型プロテーゼにプラスして自己組織を鼻先に入れるのがベターな選択です。

手術後に不自然さが出てきたり、曲がったり、ずれたり、石灰化、凸凹になったりといったトラブルがあったらプロテーゼを抜いて、抜いたプロテーゼの部分を自己組織に置き換えるのです。
やるなら2度手術をすることを覚悟した上でやるべきなのです。

執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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