肝斑は病院の治療だけでは治らない・必要なセルフケアとは

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肝斑は病院で行うレーザーや、トランサミンの内服といった治療だけでは治すことはできません。肝斑の治療の詳細はこちら
病院での治療と同じぐらい大切なことは、治療後の日々のケアです。

治療を行ったあとでケアを怠ってしまうと、治療しても全く良くならないどころかむしろ悪化してしまいます。

多くの患者さんは「気をつけてはいるんですが、治らないんですよね」とおっしゃるのですが、実はほとんどの方が十分にケアができていないのです。

肝斑は非常にデリケートです。

この記事ではデリケートな肝斑を改善するために、日常生活のどこに気をつけるべきかを説明します。

最も大切なことは肌をこすらないこと

こすることで肌のバリア機能が破壊されます。その結果、肌に炎症が起きます。
この炎症がメラノサイトを刺激して、シミの色素であるメラニンができ肝斑を悪化させます。
また、肌は日々新しい組織に入れ替わっています。
摩擦によりお肌のバリア機能が破壊されると、この入れ替わり(ターンオーバー)が乱れシミのもとであるメラニンの排出が滞ります。
つまり、こすることによってシミの色素が更に多くなり、かつ肌から排出されずに残るようになってしまうのです。

日常生活の注意点

マッサージはしない

皮膚のマッサージは肝斑には逆効果です。コロコロ転がす美容器具を使っている方もいらっしゃいますが、このようなものは絶対NGです。できる限り刺激を与えないことが大切です。

メイクの注意点

皮膚を刺激してしまうのでコットンの使用は避けましょう。指で行うのがお勧めです。
美容液を浸透させようとして塗り込むのも摩擦の原因になるのでNGです。そっと乗せるようにしましょう。

また、肝斑を隠そうとして厚化粧をしてしまう方が多いのですが、クレンジングでなかなか落ちないのでゴシゴシしてしまうと、更に悪化してしまいます。
このような悪循環を避けるため、厚化粧をしないようにしましょう。

ファンデーションの選び方

油分の少ない化粧品を選びましょう。油分はあとで落とすのが大変だからです。落とすときにこすってしまうと肝斑の悪化の原因になります。
ミネラルだけからつくられたミネラルファンデーションがお勧めです。
肌に優しくメイク落としが楽だからです。

クレンジングの注意点

クレンジングには色々なタイプがありますが、シートやコットンの使用は絶対だめです。
洗浄力は低いものの、最もマイルドでお勧めなのがミルクタイプです。
こすって落とすのではなく、洗い流すようにしましょう。

洗顔の注意点

顔をゴシゴシするのはもってのほかです。
洗顔ブラシといった硬い素材はもちろんのこと、柔らかい洗顔クロスやシルクなどの柔らかい素材であっても顔を摩擦することは避けましょう。また、ツブツブが入っているスクラブ洗顔料も避けましょう。

細かい泡で押さえるようにして、軽くこするようにして落とすのが理想です。

シャワーも水流が強いと刺激になってしまうので、柔らかく当てるようにします。
また熱いお湯は皮膚の油分が取れて乾燥しまい、肌荒れ、炎症の原因になります。水かごくぬるいお湯を使いましょう。  

洗顔が終わってタオルで拭く時も注意が必要です。

ゴシゴシこするのではなく、上から押さえるようにします。

タオルにも気を使いましょう。ごわごわのタオルは肌に刺激になるため避ける必要があります。
材質は綿でかまいませんが、柔軟剤を使って柔らかいふわふわの状態にしたタオルを使いましょう。

洗顔剤の選び方

ミルクタイプ、パウダータイプも悪くはありませんが、石鹸が肌に優しいためベストの洗顔剤です。
石鹸はそのままでは泡が立ちにくいので、泡立てる道具を使うとよいでしょう。
石鹸のいいところは皮膚の油分をとりすぎないことにあります。洗顔フォームは油分を取りすぎるのです。

肝斑の部分は控えるべきこと

ワックス脱毛や毛剃りも肌の刺激になるので肝斑の部分は避けてください。
ピールオフタイプのパック(固まると剥がすタイプ)も肌の刺激になるので控えてください。

服を着るとき

タートルネックなどの服を着るときに、布が顔に当たらないように気をつけましょう。

できる限り顔に触らない

人間は無意識に口の周りなどを触ってしまうことが知られています。
気をつけることで防ぐことができるようになります。

枕カバーの選び方

上向きで寝られれば一番いいのですが、横向き、うつ伏せに寝るとどうしても摩擦が発生してしまいます。睡眠時にこすってしまうのは無意識なので避けられない部分があります。

糊がついてバキバキになったような枕カバーは特によくありません。

横向きで寝る方は、枕カバーにはシルクなどの柔らかい素材を選びましょう。

マスクにも注意

近年マスクによる肝斑が非常に増えています。
それまでは医療従事者や、花粉症の患者さんなどがほとんどでした。しかし昨今では、誰もがマスクをするようになって肝斑になる方が増えました。
マスクは皮膚をこすってしまいます。
本当はマスクはしないのがいいのですが、現実問題として難しいので紙製だけは避けたいです。紙はゴワゴワしており、皮膚に強い摩擦をかけるので、ウレタンや、シルクといった素材を選ぶのがよいでしょう。

日焼けを避ける

紫外線も皮膚をこするのと同じく、皮膚への刺激になります。そのため日焼けを避けることも重要です。
マスクの下は日焼け止めを塗らない方が多いと思いますが、マスクの下も塗りましょう。
また、マスクで擦れて日焼け止めが取れてしまうので、こまめに塗り直すことも必要です。

まとめ

日頃のケアがかなり大変であることがおわかりいただけたかと思います。
細心の注意をはらって、皮膚に刺激を与えず紫外線を避けることを心がけていただければ幸いです。

執筆者情報

松下洋二医師

このブログ記事の筆者:松下洋二
Yoji Matsushita, M.D.

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験が、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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