切らない方法でシワ治療を行えば、切る必要がない程度の効果が期待できる?

輪郭整形

シワの治療を切らずにどこまでできるのか?

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今回のテーマは「切らないでシワの治療はどこまでできるか?」についてです。

近年美容医療では切らない治療法を選択するケースのほうがずっと多くなっています。

その大きな要因がシワの治療の選択肢が増えたことです。

しかし、切らない治療の選択肢が多くなってくると、一般の方には違いがわかりにくくなってきたことも確かです。そこで今回は切らないシワの治療法についてまとめてみました。

切らない治療法の種類

切らない治療の主な選択肢として主に以下の治療法があります。

ボトックス

当クリニックにて使用しているボトックス・ビスタ

※当クリニックにて使用しているボトックス・ビスタ

筋肉の力を弱めさせる働きのあるボツリヌストキシンという毒素から生成した薬剤を注入する治療法です。毒素ではあるのですが、安全性は確立しており美容医療だけではなく、眼瞼痙攣や多汗症、過活動膀胱などの病気の治療にも使われています。

表情筋が収縮することでできるシワに効果があります。ボトックスの注入によって、シワの原因となっている表情筋を麻痺させることでシワを改善します。筋肉の麻痺は徐々にもとに戻り、効果の持続する期間は半年程です。

ヒアルロン酸

※当クリニックにて使用しているヒアルロン酸のひとつであるジュビダームビスタ

当クリニックにて使用しているヒアルロン酸のひとつであるジュビダームビスタ

シワの凹みの箇所をふくらませるためにヒアルロン酸という液体を注射器で注入して、シワを改善する治療法です。

ヒアルロン酸はいずれ体に吸収されてしまうので、効果の持続期間は半年から2年程度です。

スレッドリフト

※スレッドリフトのひとつである「テスリフト」

※スレッドリフトのひとつである「テスリフト」

とげのある糸を皮膚の下に埋め込んで、とげで皮膚を引っ張り上げる方法です。吸収されない素材を使うと、そのうちトラブルを起こしますので溶けて吸収される素材を使うのが一般的です。そのため糸の種類にもよりますが、効果の持続期間は半年~3年ほどです。

スレッドフィラー

溶けて吸収される糸を埋め込むことにより、コラーゲンが糸に絡みつくように出てきて、ふっくらした張り感をだす治療法です。
溶けて吸収されるため効果の持続期間は半年程度です。

レーザー・高周波・超音波・光

当クリニックにて使用しているHIFU(超音波治療器具)ULTRAFORMER®Ⅲ

※当クリニックにて使用していたHIFU(超音波治療器具)ULTRAFORMER®Ⅲ

これらの美容機器には3つの効果があります。

  1. 皮膚の若見え効果:
    これらの美容機器は皮膚にダメージを与える作用があります。
    皮膚はダメージを受けると、人体がもともと持っている自然治癒力によって再生しようとします。これによって新しい皮膚ができ、若見え効果をはかることができます。
  2. ハリのある皮膚を形作る
    コラーゲンの産生を促し、ハリのある皮膚にする効果もあります。
  3. 皮膚の引き締め効果
    皮膚の奥深くに熱が伝わることで、タンパク質が熱で変性して、収縮することで引き締めの効果が得られます。

これらの効果があるとはいえ、シワの改善を主目的として実施することは少なく、しみ、ニキビ跡、たるみ、毛穴の引き締め、肉割れといった様々な肌の改善がメインの治療です。その副次的効果としてシワの改善にもなると考えたほうがよいでしょう。

ピーリング

※当クリニックにて使用しているピーリングの薬剤のひとつである乳酸ピーリング

※当クリニックにて使用しているピーリングの薬剤のひとつである乳酸ピーリング

皮膚の表面の角質を除去する薬剤を塗る治療法です。
角質とはあかとなって剥がれ落ちる皮膚の一番表の層のことです。
角質がなくなると新しい皮膚の生成が促され、新しい皮膚になります。これにより、ニキビやニキビ跡、くすみ、毛穴の開きなど様々な皮膚の状態が改善します。これも副次的効果としてシワの改善につながります。

PRP治療

※当クリニックにて使用しているPRPキットを遠心分離機にかけるところ

※当クリニックにて使用しているPRPキットを遠心分離機にかけるところ

患者さんの血液の中から、血小板という成分を抽出して皮膚に注入します。血小板の中には成長因子という、細胞を再生させる指示をする物質が含まれており、皮膚の再生を促すことができます。小じわや、薄毛治療に効果があります。

治療法の選択

このように数多くの治療法がありますが主な選択基準は、どこの部位のシワを治療するかにあります。

額のシワは表情筋がギューッと収縮するよって生じる

額のシワは表情筋がギューッと収縮するよって生じるものです。表情筋の動きを抑制することで改善できます。

上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)というまぶたを開ける表情筋が正常に動作していて、かつシワが真皮という深い層まで及んでいない場合は、ボトックスが第一選択肢になります。しかし、ヒアルロン酸も併用することもあります。

表情をした時だけシワができ、表情をしてない時に刻まれたシワがない場合は、ボトックス治療のみでオッケーです。

表情をしてない状態でもシワがある場合は、ボトックスに加えてヒアルロン酸の注入も必要になります。

眉間

額と同じようにボトックスか、あるいは両方を併用します

鼻根部

眉間のシワ

鼻の上の方、両目の間の鼻の部分のことです。こちらも額と同じ治療法を選択します。
※この写真でいうと丸で囲ってある部分です。

目尻

目尻のカラスの足跡と呼ばれるシワが

いわゆるカラスの足跡と呼ばれるシワができる箇所ですが、こちらも額と同じ治療法を選択します。

目周り

ここは特殊な部位で、ボトックスは使えません。上眼瞼挙筋が麻痺してしまうと、完全に目を閉じることができなくなるという症状が起こるからです。
上まぶたはPRPを用います。下まぶたはPRP、スレッドフィラー、ヒアルロン酸のいずれかを状況に応じて用います。

鼻唇溝

鼻唇溝  ほうれい線と一般的に呼ばれるシワ

写真 メーカー提供による

ほうれい線と一般的に呼ばれるシワです。ほうれい線は目立つため老けて見える大きな原因となるシワです。
スレッドリフトとヒアルロン酸を併用して治療します。
スレッドリフトは針を使って糸を埋め込むのですが、針を刺すことに抵抗がある患者さんもいらっしゃいます。
このような場合は、頬の全体にHIFU(ハイフ)と呼ばれる機器で、超音波を照射してたるみを引き締めるという治療を行うこともあります。

口周りのシワ

口周りのシワ

イラストにするとこんな感じです。

口周りのシワのイラスト

口周りの筋肉である、口輪筋の緊張によりこのような放射線状の縦じわができるようになります。若いときは酸っぱいものを食べた時などに一瞬できる程度ですが、加齢により徐々にシワができたままに固定してしまう傾向があります。

こちらも額と同じようにボトックスか、あるいは両方を併用します。

マリオネットライン

マリオネットライン

ほうれい線と同じく、スレッドリフトとヒアルロン酸を併用して治療、あるいはHIFUを用います。

顎のシワ

梅干しジワとよばれる顎の下のシワ

顎の下にできるシワは梅干しジワとよばれることもあり、頤筋(おとがいきん)という筋肉が過度に緊張することでできるもで、若い人にもよく見られます。筋肉の緊張を緩めれば改善するためボトックスを用いて治療します。シワが深くなって真皮に達しているような場合は、ヒアルロン酸を併用することもあります。

クビはシワが出やすい部位でもあります。
顔はシワに気がついてケアするのですが、首はそのままになっている方が多いですね。
年配の女優さんなどでは、顔は手入れをしていて若々しさを保っているのに、首の部分はおばあさんになっているということもよくあります。

首の縦ジワは広頚筋(こうけいきん)という筋肉の緊張によるもので、ボトックスを用いて治療します。この広頚筋にボトックスを注入する治療法を「ネフェルティティリフト」といいます。
「ネフェルティティ」とは古代エジプトの王妃の名前です。美しい女性として知られており、理想的とされるフェイスラインの持ち主とされており、その名前にあやかった治療法です。

首のシワ

首の横皺については、ヒアルロン酸や、スレッドフィラーを用いたり、スレッドリフトの棘のついた糸を網目状に4~50本程度入れるような治療となります。4~50本というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、私の場合1本1秒ぐらいしかかかりませんので、施術そのものは1分程度で終わります。

慣れていない医師であっても、1本に3秒程度だと思いますので、3分程度で終わるでしょう。

ちりめんジワ

ちりめんジワ

ちりめんジワとは、皮膚の奥にまで及んでいない表皮の小じわです。

最も手軽な方法はピーリングです。

もう少し症状が重くなってくると、フラクショナルレーザーといったレーザーや、シャイニングピールといったレーザーとピーリングの併用治療、HIFUも選択肢となります。

実際にどこまで改善できるのか

スレッドリフト(テスリフト及びVOVリフト)、スレッドフィラー、ヒアルロン酸、ボトックスでのシワ治療によるビフォーアフター

左が施術前、右が施術後です。

スレッドリフト(テスリフト及びVOVリフト)、スレッドフィラー、ヒアルロン酸、ボトックスによる治療を行いました。
印象として10歳程度若返ったように私は感じますが、皆さんの感想はいかがでしょうか。

切る治療をお勧めする場合とは

たるみが強い場合は切って引っ張り上げないと充分な効果が出ないので、たるみを切り取る手術がお勧めになります。

また、これらの治療は効果が長く続くわけではありません。効果が長続きする治療を希望する場合はやはり切る治療となります。

とはいえ、いきなり切るという選択をするのではなく、できる限り患者さんの要望に沿うように考えますので、まずはご相談いただければと思います。

松下洋二(医師)

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

主に他院での鼻整形の失敗で悩む患者さんからの修正依頼に応えて続け20年以上経ちます。こんな私の強みは、施術後、時間が経つと一体どんな影響を及ぼしていくのか、その未来について予測ができること。医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験を現場で活かすだけでなく、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

松下洋二(医師)への相談窓口

0120-70-5929

10:00~18:30※日曜日•祝日は休診

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