池川明医師「胎内記憶」って赤ちゃんや母親に無茶苦茶プレッシャーかけていませんか?

最近、自分的には苦手だった産科・婦人科系の怪しいげな話に凝っております。

経皮毒信者であることでウォッチングしていた池川明医師がお書きになられた1冊の本を手にしました。

子供は親を選んで生まれてくる」(日本教文社)です。

この本の中で池川明医師が述べられていることに非常に違和感を覚えたので書き留めておきます。

胎内記憶、こんな明確な形で記憶がよみがえるのかねえ?

池川明医師の主張である「子供は親を選んで生まれてくる」ってことは不妊症に悩まれている方は赤ちゃんに選ばれていない!!ってことになるんでしょうか?

池川明医師の著作は多数あるようですが、今回は「子供は親を選んで生まれてくる」というツッコミどころ満載の著作を少々吟味してみます。

胎内記憶・誕生記憶までは許せても、中間生の記憶・過去生の記憶はチョットねえ

この本を読み出して一番最初にぶっ飛んだのが「いいお産」「素晴らしい出産」の定義?です。判断基準は出産時に赤ちゃんが笑っているか、泣いているか?泣いているのは不満を訴えているかららしいのですが⋯出産に立ち会ったことは極々経験数が少ないのですが、一般的に赤ちゃんって「おぎゃあ、オギャー」って泣きながら生まれてくると思うんですけど。

医学書に書かれている出産時の「おぎゃー」の説明はお母さんのお腹の中にいた時は胎盤から酸素の配給を受けていた胎児が出産した瞬間に肺呼吸に変わるから、です。おぎゃーと生まれた後にニコニコ笑うのはあり得るかもしれませんが、出産の瞬間に笑いながらでは、十分な肺呼吸に転換できないような⋯。

自然派思考が強い方の間で一時期「水中出産」という出産方法がブームになったことがあります(リスキーなんでいまは盛んではないようですが)。水中で出産した場合、赤ちゃんは当然「おぎゃー」と泣いちゃうと溺れてしまうことになるので、無言です。

水から上がって初めて泣きます、水中でニコニコしているのかは不明ですが、池川明理論によれば、少なくとも出産時に泣いてはいないので「いいお産」「素晴らしい出産」に分類されるんでしょうか、でも水から出るどすぐに泣き出しますから、生まれた瞬間はニコニコしていても、水中で生まれたことに不満を訴えて泣き出すんでしょうかねえ。

どこか探せば池川明医師の水中出産に関してのコメントがあるかもしれませんが、本日の参考図書には書かれていませんので追求はいたしません。

体外受精で生まれてきた赤ちゃんの記憶はどうなっているのか?

昨年2015年に生まれてきた赤ちゃんの20人に一人が体外受精だったとの報道がつい先日ありました。

毎日新聞より

日本で2015年に行われた体外受精は42万4151件で、赤ちゃんの約20人に1人に当たる5万1001人が生まれたとの調査結果を日本産科婦人科学会が11日までにまとめた。治療件数も出生数も過去最多を更新した。

毎日新聞 2017年9月11日

池川明医師の主張に従えば「中間生の記憶」として雲の上で神様や天使たちと楽しく過ごしていて、そこでどのお母さんの子供として生まれるかを選択しているようです(?)。とういことは不妊に悩んでいるご夫婦の場合、天上で楽しく暮らしている赤ちゃん予備軍に選ばれていないってことになるんじゃないでしょうか?これ、かなり危なっかしい方向への予兆として臭います。

ママ「どうしてママのところに生まれたの」

子供「空を飛んで世界中を探して、いちばんママがよかったの。さみしそうだったしぼくが来たらさみしくないかな、と思ったから」

前掲書籍P96にこんな文章があります。子供と母親の微笑ましい会話、って考え方もできますが「僕はママを選んであげたんだよ」と聞こえなくもありません。

この著作物は不妊に悩む方が好んでしまうものであり、また子育てに悩む方向けとも考えられますけど、かなり怪しげかつ危なっかしい思想が見え隠れしていますね。

過去生の記憶ってひょっとして生まれ変わりってヤツ?

かなり怪しげな雰囲気になってきた池川明医師の書籍ですが、過去生の記憶、これはどう考えてもありえません。過去生の記憶は普通は「前世の記憶」とか「生まれ変わり」とか呼ばれる現象を指しているようです(池川医師は違うと言うかもしれないけど)。リインカネーション(Reincarnation)とも呼ばれますが、これは世界中で報告されていますが、基本的にはトンデモ物件として取り扱われています。

仏教の教えとして輪廻転生はありますが、必ずしも人間として生まれ変わるわけではありません

し、宗教によっては輪廻転生や生まれ変わりを認めていないものもあります。後半戦は完璧にスピリチュアルになってしまっている池川明医師の著作ですが、なぜゆえ妊娠を希望している方や子育て中の親をスピリチュアルに引っ張っていくのか、さらに研究をしていきますね。

池川明医師の経営されている池川クリニックのサイト(http://ikegawaclinic.net/)は産科系や小児科系のクリニックにありがな極々普通のホームページですが⋯池川明公式Webサイトという別立てのサイトがあります(http://ikegawaakira.com/)。こちらが池川医師の胎内記憶系専門サイトと思われますので、後ほどじっくり拝見させて頂く予定です。もちろんAmazonで大量に仕入れた池川医師の著作とともに⋯。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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