PCR検査とは
微量の検体を高感度で検出する手法で、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字をとってPCRと呼ばれています。
クラミジアやウイルスといった顕微鏡では見ることのできない病原体の有無を調べる検査です。病原体のDNAを増幅させることによって検出する検査方法であるので、確実な診断が下せます。
検査で分かる病気
- クラミジア性尿道炎
- 淋菌性尿道炎
- 腎結核
などの感染症の鑑別診断に使用します。
検査方法
尿、粘膜などの検体を採取し、目的の病原体のDNA配列にくっつけられる「プライマー」という短いDNAを用いて、温度を上げ下げしたりDNA合成酵素の働きを利用したりして目的のDNAを増やします。遺伝子は通常肉眼では確認できませんが、PCR法では数時間でDNAを100万倍に増やすことができるため、増やしたDNAを染色して検出装置にかけることで、それが目的のDNAであるかどうかを目で確認することができます。目的の病原体のDNAを確認することができれば「陽性」、確認することができなければ「陰性」と判定されます。
検査項目
クラミジア、淋菌、インフルエンザウイルス、結核菌など、診断する疾患の発症に関わる微生物の有無
当クリニックの考え方
尿道炎の検査は、以前は綿棒を尿道に挿入する痛みをともなう検査でした。しかし、PCRを利用することによって尿を使って検査ができるようになり、多くの人が持っている「泌尿器の検査って痛い」というイメージを消し去りました。
こちらで紹介しているPCR検査は泌尿器の疾患を調べる検査です
2021年に入り、新型コロナウイルスの検査方法は種類が増えてきました。PCR検査は、検査名だけがひとり歩きして、新型コロナウイルスの検査方法と勘違いされている方が多いのですが、あくまで数ある検査方法のひとつでしかありませんし、泌尿器科では以前から行っている検査です。
現在、当院では東京都の指定を受けた診療・検査医療機関として、新型コロナウイルス感染症の症状がある、あるいは濃厚接触者である、または濃厚接触者の疑いがある場合、保健所への連絡不要で、公費で抗原検査・PCR検査を実施しております。詳しくは発熱外来のご案内をご覧ください。
当院の新型コロナウイルス感染症に対する考え方をブログにしてありますので、お読みいただければ幸いに存じます。

楽天の検査キットは私たち国民の努力を無駄にする。
楽天が法人向けに販売を開始した新型コロナウイルス感染症PCR検査キットですが、医師として懸念すべき問題が多すぎます。日本医師会も大きな問題と声明を出しているこの楽天検査キット、現物を入手しましたので実物を紹介と共に、セルフ検査キットの精度や問題点を徹底的に検証します。
セルフで行えるPCR検査キットは医療崩壊を起こしかねないリスキーなものです。

【新型コロナ?感染症対策】ウイルス感染を恐れて検査しても、様々な問題が発生する可能性があります。
日本は他国に比べて検査数が少なく「なぜ検査をしないのか」と疑問を投げかける医師もいれば闇雲に検査すべきでないとする医師とで意見が分かれています。未知のウイルスであることと治療薬がまだない・ワクチンも新型という何もかもが新しく、予想が難しい状況で、何が正解なのか?これは誰にもわからないのです。
ヘンテコな感染症に関する誤った解釈がメディアに掲載されていることも、併せて危惧しております。

「日本は検査を積極的に行わないので、ヘンテコな感染症の致死率が高い」は大間違い。
各国が試行錯誤して行っている感染症対策、日本がおこっている対応は間違いなのか?日本が他国と大きく違うのは検査を無闇矢鱈に行うのではなく必要に応じて行っている点です。検査数が少ない、他国を見習えという意見がマスコミを通じて発信されていますが、日本の対応は間違っているのでしょうか?
少しでも皆様のお役に立てたら、と思い掲載させていただきます。
※厚生労働省「帰国者・接触者相談センター」
- 2021.12.19バップフォーのスイッチOTC「バップフォーレディ」が販売開始になりました
- 2021.12.03オンライン初診を解禁する方向へ
- 2021.11.26「夜尿症診療ガイドライン2021」が出版されました