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美容医療クリニックのホームページのビフォーアフター、使用前・使用後、体験談について、医師として考えてみた。

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基本的に広告が厳しい規制を受けていた医療機関ですが、いままではホームページは広告じゃない、と考えられてきました。つまりサイト内はやり放題状態だったのです。

しかし、ネットが情報を得る手段として普及するにつれて「これはさすがにマズイでしょ」的な体験談やビフォーアフター写真、使用前・使用後写真が溢れ返ってしまう状態になちゃいました。恥ずかしながらひどいところだと、料金がサイトに表示されてたものと違う、画像が加工されている、なんてのもザラでした。

医療広告ネットパトロール発動❗自分のところは大丈夫か?

当院のサイトも昔は業者任せだったので、2013年ころに大改修を行って、内容を一新しました。

ページ数が結構あるんで、これ変じゃないと思われたらご指摘くださいませ。医療機関のホームページガイドラインというものがあり、「ホームページに掲載してはダメ」と考えられているものとして

  1. 内容に虚偽がある、客観的な事実であることを証明できないもの。
  2. 比較によって自院が優れていると表現すること。
  3. 内容が誇大なもの。
  4. 受診を煽るものや費用の強調。
  5. 科学的な根拠がないのに、不安を煽るもの。

と私は解釈していますので、極力ガイドラインに則ったホームページ作りをこころがけているつもりです。まあ、他にも常識的に考えてダメなものもガイドラインに記されていますが。それは端折ります。

医療機関ネットパトロールのウェブサイト

http://iryoukoukoku-patroll.com/

医療広告ネットパトロール発動の本当の狙いは?

医療機関のホームページガイドラインは美容医療系のクリニックを対象としたものです。一方で医療広告ガイドラインという医療全般についての広告における注意が促されています。

基本的な考え方 医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき法又は旧告示により、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところである。①医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつも、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることとしたものである

医療広告ガイドライン

これ、スッゲーページ数なんで、全文を読むのはかなりキツイでしょうから基本的な考え方を頭に入れてくださいませ。医療系の広告は厳格に規制されていたけど、患者さんに正しい情報を客観的に正確に表現した広告ならOKだよ、ってことになります。当院はバナー広告、リスティング広告、医療関連サイトへの有料出稿は行っていません。でも、サイトで怪しげというか患者さんを惑わすようなものがありましたら、どんどんご指摘くださいませ(できれば、こっそりね)。

昨今、メディアを賑わせている医療系の事件

がん免疫療法と称して明確なエビデンスのない高額な自由診療を行っている施設があります。また、再生医療として厳重な規制下にある臍帯血をがんの治療やエイジングケアに使用していたクリニックがあります。

がん免疫治療に関しては標準治療からかけ離れてはいるんですけど、明らかに違法行為とは考えられていません。しかし、臍帯血を使用した件は、違法行為なので新聞でも大きく取り上げられましたね。

臍帯血を違法に使用した医療機関の多くはなぜか、美容系の治療も行っていたので「医療機関のホームページガイドライン」にも「医療広告ガイドライン」にも抵触していた可能性があります(現在サイトを閉鎖しているところが多いので、客観的かつ正確な情報は不明)。

以前ブログにしたんで画像が残っていましたが、これはさすがにひどすぎますね。

悪質な医療機関のインチキ治療前後CT画像

画像はどう見ても違う位置をスライスしています。腫瘍が小さく映っているものを「治療後」と見せかけている、かなり悪質なものです。

健康情報サイトってどうなるんだ?

実は健康関連情報サイトにも問題があるのでは、と個人的には感じています。というのも臍帯血で逮捕された医師は某健康関連情報サイトの常連監修者でしたし、エビデンスが明確では無いがんの免疫療法のために血液の加工を行っている会社の経営者(医師)も常連監修者でした。

いまも多数ある健康情報関連サイトの多くは自院の広告的な記事が占めていて、執筆者の紹介ページをクリックするとその医師のクリニックのサイトに飛んだり、ひどいものだと下の方にその記事を書いたか、監修した医師のクリニックの広告が入っているものまであるのです。

今、たぶん「こんな手法なら医療機関ネットパトロールに引っかかりませんぜ」なんてことを言って回っているコンサルとかホームページ製作会社が暗躍してるんじゃないかなあ⋯。

追記:ブログの読者からビフォーアフターの写真で背景のコントラストが違っているから比較しにくいんじゃない、とワザワザ調整した画像を送っていただいたことがあります。ありがとうございました。私の判断で使用しなかったのですが、修正加工をした症例写真と思われたくなかったのです。しかし、ありがたい読者がいらして私は幸せ者です。

追記2:よくよく考えてみれば「医療広告ガイドライン」は当院は広告をしていないので問題なし。「医療機関ホームページガイドライン」は美容などの自由診療クリニックのホームページでの記述に関するガイドライン、これは誇大表現がないかと以前から再三チェックしているからOK。ホームページ自体は依然として広告じゃないとの解釈なんで、ブログはトンデモ医療を批判すると比較広告とみなされる可能性が懸念されましたが、大丈夫ってことで良さそうと思っています⋯でも、これは法律の専門家や行政の判断になるのかなあ。

追記3:最新の医療広告ガイドラインでは、ホームページ自体が広告とみなされています⋯

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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