PPP療法って変な名前の治療です プラズマジェルとも呼ばれます。

PPPとはなんだ

PPP治療又はPPP療法と呼ばれる美容系の治療方法があります。platelet poor plasma の略ですが、ここでいうプラズマは物理学用語のプラズマではありませんし、もちろんオカルト用語のプラズマではありませんのでご注意ください。

医学用語で血漿のことを正確にはblood plasma と言いますが、日本の美容医療ではなんとはなしに血漿=プラズマと呼ぶようになっています(歴史の浅い医療分野なのでごめんなさい)。直訳すると「血小板が乏しい血漿」となります。血液位は大きく分類すると血漿成分と血球成分分けることが出来ます。

赤血球・白血球・血小板を血球成分、残りの部分が血漿成分です。イメージでいうと血漿という液体の中に血球という形がハッキリした成分が混じっているという解釈でOKです。

白血球と赤血球を血液から分離するのは簡単ですが、血小板と血漿をはっきりと分離することは非常に難しいのです。

今回紹介するPPP療法は自分の血液を使用して、可能な限り血液全成分から赤血球・白血球はもちろんのこと血小板も取り除き、純粋な血漿成分にある操作によってジェル状の物質を作り出します。

その物質をプラズマジェルと呼び、ヒアルロン酸注入治療と同じような効果が期待できる治療方法です。

この治療法の優れた点はご自分の血液を使用しますので、異物反応や拒絶反応がないので安心して使用出来る点です。

いい話ばかりではありません。欠点は持続期間が短いのです。今後の研究によって長期間効果が持続できれば、ヒアルロン酸に代わる治療として大ブームが起きることが予想されます。

一方、純粋に自分の体の一部を使う方法の利点を失うので、当院としては持続期間を伸ばすために添加物や薬剤をプラスする方法は検討・研究はしていません。

これがPPP療法で使用するジェル状になった血液の成分です。プラズマジェルと呼びます

PPPプラズマジェル

どうやって自分の血液をジェル状にするか

非常に安全性の高いPPPは100%自分の血液を原料とします。添加物・薬品類は一切使用しません。

血液検査の時の採血と同様に静脈から必要なプラズマジェルを分離できる量の血液を採ります。静脈からとった血液を特殊な試験管にいれて遠心分離機によって必要な成分だけを取り出します。遠心分離器のスピードに秘密があります。この操作によって必要な成分である血小板成分が少ない血漿に得ることができます。

このプラズマをさらに特殊な試験管にいれてこのような器械で一定温度で一定時間温めるとプラズマジェルの完成です。温度と時間も内緒です。

PPPを作るための医療機器zero therm

この器械に秘密が隠されています。「zero therm」という名前です。

どこに使用するか?

秘密のボックスで生成されたプラズマジェルはヒアルロン酸に比べて分子が大きいのと、質感が硬めなので細かい部分への注入はあまりお勧めできません。

当院では頬のあたりのボリュームを出してふっくらとした健康的な表情つくりとほうれい線を同時に改善するために使用しています。注入する部分を工夫すると一か所の注入部位から目の下の凹んだ部分までプラズマジェルを入れることが可能ですが、非常に難しいテクニックが必要とされます。

一部の医療機関では豊胸術にも使用しているようですが、残念ながら美容目的の豊胸術は当院では行っておりません。

この方は頬がこけた感じでやつれたイメージを受けてしまいます。

    

PPP治療前

プラズマジェルをほうれい線の部分から注入用カテーテルを使用して目の下まで注入しました。

PPP治療後

こけた頬がふっくらとして目の下のシワも消え、ほうれい線もうすくなっています

この治療法は韓国でブームがおき、数年前に日本に治療法が噂として伝わってきました。私は直ぐに韓国の知り合いの美容医師の元で治療風景を見学させてもらって、実際に自分でもほうれい線~目の下周囲にプラズマジェルを入れてもらいました。

話がちょっと外れますが、韓国のベテラン医師の手技には驚かされました。メッチャ乱暴なのです(L先生、ごめんなさい。そこまで注入しないでっていったのに、強引に入れたんですから)。

私は恐怖を感じながら治療してもらいましたが、結果は非常に良好でした。あんな扱いされたら日本だったら絶対リピーターが居なくなってしまう、と余計な心配をしながら帰国しました。もしも、韓国で美容治療をお考えの方がいらしたら、情報はとにかく収集してからお出かけになることをお勧めしますね。当院ではもちろん日本式の丁寧で優しい方法で安全にPPP療法を行っています。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

五本木クリニックのブログを購読する

五本木クリニック院長のtwitterアカウントをフォローfeedlyで五本木クリニックのブログを購読する