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非常識にもほどがある!美容整形外科医の子供が患者である芸能人のことをTwitterで暴露したらしい?!

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医師は患者さんに対して「守秘義務」というものがあります。

患者さんの病状はモチロンのことその他の診察・診療内容を第三者に漏らしてはいけないというものです。ですから、万が一患者さんが犯罪者であっても簡単に治療内容等を警察に話すことはありません。

同じような言葉で「秘密保持」というものがあります。

これは職場で得た治療法に関する当院独自の方法などの情報を簡単に外部に漏らしてはいけないよ!ということで「守秘義務」(刑罰があると必ず伝える)に関する十分な注意を指導したのち「秘密保持契約」という書面を私はスタッフと交わしています。

考えられない事態

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しかし、医療機関では基本中の基本の「守秘」は「義務」であり刑法134条で定められており、懲役や罰金刑の対象になっています。

医師の場合、通常家庭内でも患者さんのことは話さないのは常識になっているはずです。これは対象が一般人であろうが芸能人であろうが同じことです。

しかし、ある美容外科医の息子さんが美容整形疑惑があるアイドル系芸能人のことを父親の患者であることを、ツイッターで暴露してしまったという話がネット上を賑わせています。

とくに気を付けないといけない美容外科

美容整形は病気ではなく、正常な部分をコンプレックスの解消とかさらに美しくなりたいとう希望をかなえる医療です。

昔はいざ知らず今では一般の方も気軽に治療を受けられるような雰囲気になってきて好ましいことだと思っています。

しかし、一般人でも芸能人でもバレバレの整形を希望される方は少ないのが現状です。ましてや、芸能人の場合少しメイク方法を変えただけで「誰々に美容整形疑惑」などとネット上で取り上げられる風潮があります。

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livedoor NEWS http://news.livedoor.com/article/detail/8103843/より

今回の美容外科医の息子がアイドル系芸能人のことを「このひとは俺の父さんの患者だよ」的な言葉をTwitterで流したことは非常識にもほどがあると思います。

この医師はもともと他の科目を専門としていましたが、その後、某美容外科チェーンクリニックに勤務したのち都内で開業しています。家族は地方に在住で、子供との交流風景をブログ等で以前から投稿しています。

善意に解釈すれば「父さんは東京で頑張って仕事しているんだよ、こんな有名人も患者さんだよ」とご自分の仕事をお子さんにアピールしたのことが、ことの発端だったのかもしれません。その情報を「うちの父さんはこんなに頑張って有名人を治療するような立派な医師なんだ」と友達に伝えたかったのかもしれませんが、Twitterという手段を用いたところは父親譲りの自己顕示欲の表れかもしれません。

お前の所はどうしているんだ?

私は守秘義務があるため、一緒に来院しない限り夫婦・親子であっても患者さんの情報は伝えませんので、患者さんの家族にはご不便をおかけするとともに「親切じゃない医師」「高圧的な医師」と捉えられることも無くはありません。

しかし、「守秘義務」のことをお伝えするとご家族は充分に納得されます。

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当院も目黒という立地上、芸能人・有名人の方も患者さんとして多く通院していただいていますが、芸能人であるということで特別扱いをすることは遠慮させていただいています。しかし、有名人の方にはなるべく通常の服装で化粧をしないで来院していただくことをアドバイスしています。

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芸能人オーラで逆にバレバレです

男性芸能人の場合はキャップ帽にサングラス着用は「バレバレです」とお伝えしています。美容診療以外の一般の保険診療は泌尿器科も行っていますので、当院は昔から「守秘義務」には非常に気を使っていました。

今では過活動膀胱や前立腺肥大のの薬の宣伝が大々的にマスメディアで流される時代ですが、以前は「泌尿器科」のことを「秘尿器科」と書いていた患者さんも多いくらい受診するのに勇気が必要な医療分野だったのです。

政治家や有名人が好む病院における守秘義務

今はそうでもないのですが、政治家や有名人が体調を崩した場合好んで入院する私学系の大学病院がありました。そこの特徴は保険診療ではなく自由診療(100パーセント医療費を自分で払う)での入院がOKだったためです。さらに「偽名」でも入院できるとの話もありました。守秘義務がある病院に対してその当時から不信感があったのでしょうか?

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今回の話とは全く関係ないイメージショットです

政治家の場合は政敵に自分の病状をしられて、健康状態に問題ありとの情報が政界に流されると権力を失う可能性があるからこのような非常にお金がかかる手段を使わざる得なかったのです。

医師の守秘義務を疑ってそのような不自然な受診方法を取っているわけではありません。

なぜそんな方法で入院・受診していのかは、医療関係者から秘密が漏れるわけでなく別のルートで漏れる場合を想定していたのです。

大手企業の経営者もこの方法を利用していました。保健診療を受けるとその治療内容が病名・薬剤・検査内容まで健康保険組合に「レセプト」という治療内容を記載した情報が伝わります。当然、社内の健康保険担当部署の人間は医療情報を知ることになるます。一社員ですので「守秘義務」は課せられていなため、うっかり知人に病状を伝えたり、その社員が社内のライバル派閥に属していると「社長健康不安説」が会社内部や取引先に漏えいしてしまいます。

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権力者が入院した病院って何とはなしに「優れた病院」と思われがちですので、芸能人にも人気の病院になってさらに、その病院は有名になるために一般の人にも人気が高まるという現象が起こるのです。

今回の問題はなぜ起こったのか?

今回、炎上した投稿をした某美容外科医の息子さんは高校生です。多分目立ちたかったのでしょうが、「守秘義務」というものを家庭内で守れなかった医師に問題があると思います。親子の会話も重要ですが、もし仕事の大変さや面白さを家族に伝えるなら個人名を出す必要は全くないのではないでしょうか?

昔から「子は親の背中を見て育つ」と言われています。

医療関係者は自分の凄さをお子さんにわざわざアピールする必要はないと思います。毎日仕事に追われ早朝に出勤して深夜帰宅が当たり前の職業です。親が大変な仕事をしていることは十分に伝わるはずです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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