ありふれた病気だけど謎だらけの痔の深い話、痔は完治するのか?

医療機関受診をついつい避けたい病気の1つが「痔」。痔を市販薬を使って治そうと試みている私ですが、果たして痔が治るにはどのくらいの日数が必要なのでしょうか?

痔はどのくらいの期間で治るのか?

先日、突然痔(痔核)を発症してしまったことをブログ記事にしました。

医師でありながら市販薬で痔を治療するという非常識な行動に出ている私ですが、病気になって患者さんの心理がよーく理解できるようになり非常に勉強になっています。

日常の診療で患者さんに尋ねられる質問の1つとして、「治るまでにどのくらいかかりますか?」があります。治る、つまり治癒するまでの期間を患者さんは尋ねていることは明確であっても、「3日で治ります」とか「一年で治ります」と断言する医師は少ないと思います。私も膀胱炎のような急性の疾患に関しては、「薬をしっかり飲めば1週間で完治しますよ」と自信をもってお伝えしていても、「前立腺肥大、治るまでどのくらいかかりますか?」との質問を受けた場合は、「加齢によるものですから・・・」と答えてしまいます。

痔核の場合、市販薬で治療した場合にはどのくらいの期間で治るのでしょうか?

プリザS坐剤は1箱30個入りだから治るまでの期間は1ヶ月なのか?

私がドラッグストアで購入したプリザS坐剤(大正製薬)は一箱に30個坐剤が入っています。使用方法は1日1〜3回なので1日3回使用したら10日で治るのか?治るには1日1回の使用なら30日間かかってしまうのか?

どのような場合には1日1回の使用で、どのような場合は1日3回使用するべきなのかプリザS坐剤の添付文書には記載されていません。当然1日1回使用するより1日3回使用するほうが薬の効果は強くなると考えられます。これを医学専門用語では用量反応曲線と呼んでいます。

薬の用量反応曲線

https://www.merckmanuals.com/professional/clinical-pharmacology/pharmacodynamics/dose-response-relationships

薬を大量に使用すれば効果は強く現れますが、上のグラフの右を見れば平らになることがわかります。大量に薬を使用すればするほど効果的ではないことに注意しましょうね。必要以上の量を使用することはもちろん副作用のリスクも高まります。

プリザS坐剤の添付文書には何日くらいで痔が完治するのかは書かれていませんが、1箱30個から予想すれば、30日以内に治るのではと推測できます。

肛門から注入する方式のボラギノールAだと早く治る?

使用を躊躇してしまったボラギノールA注入軟膏(なんで躊躇したのかは前掲のブログ記事をお読みください)は1箱に10個注入軟膏が入っています。ボラギノールA注入軟膏の場合、肛門に注入する場合は1日1〜2回となっているので、一箱消費するに要する日数は5〜10日と推測できますよね。

ボラギノールA注入軟膏の方がプリザS坐剤より痔核に対しては短期間で治癒させることが可能なような気がしてきました。

坐剤や注入より抵抗の少ない軟膏のボラギノールMだと何日で治るかな?

お尻からなんかを入れるのには普通は抵抗感があると思われます。私がドラッグストアで購入した痔治療薬の1つである、「ボラギノールM軟膏」は使用回数は1日1〜3回となっています。ボラギノールM軟膏は1本が20グラムなので1日3回使用した場合・・・

用法・用量を遵守することと注意喚起しておきながら1回あたりどのくらいの量を使用すれば良いか添付文書に書いてないじゃん!!

お客様相談係に思わず電凸しそうになったけど、夏休みで電話にだーれもだなかったりしたら逆上してしまう可能性がゼロではないのでやめておきました。

病院に通えば痔は早く治るのか?

マルホという皮膚科治療薬を得意とする製薬会社(ヒルドイドで有名)のウェブサイトに非常に参考になるページがあります。

痔になったことがある女性300人に聞いた、痔に関するアンケート調査

痔が治るまでの日数

https://www.maruho.co.jp/g-life/research/q14.html

ええーっ、痔は6割は一週間未満で治るの???

と、驚く結果になっています。もちろん痔の種類や病状によっては手術が必要となる場合もあるでしょうし、アンケート調査に協力した人の痔の種類や年齢や病状が記載されていないからもっともらしいデータに気をつける必要はあるけどね。

果たして痔は完治するのか?

私は痔になってまだ一週間も経過していないのですが、市販薬で治そうと努力をしています。多くの方が痔は恥ずかしい病気であり医療機関を受診することをためらっている気持ちを十分に理解しております。

マルホのウェブサイトの痔に関するアンケートのトップに

この3年間に、痔には何回なりましたか?

との衝撃的な設問が有り結果は以下のようになっています。

痔を繰り返す回数

https://www.maruho.co.jp/g-life/research/q01.html

6割以上の人が3年間に痔を4回以上経験して、10回以上って人が35%も!!

前掲のブログ記事でも触れたように、痔の原因っていまだに明確にはなっていないようです。原因がわかっていないのですから、そりゃあ一回治ったと思っても再発しちゃうよねえ。

子ども時代に見かけた記憶があるヒサヤ大黒堂の衝撃的な広告。今では「手術で治らぬ痔がなぜ治せるのか」とかなり攻撃的なキャッチコピーが添えられています。さらに恥ずかしい病気である痔を自宅で誰にもしられないで治療したいという患者さん目線に立った、「見本薬と参考資料を無料で社名が分からないように個人名で郵送します」という気の使い方。

早速ヒサヤ大黒堂の不思議膏と金鵄丸を申し込んでしまった私です。

とっとと大腸ファイバーをお願いしている主治医を受診すればいいのに、と思われた読者も多いでしょうね。でも今はできるだけ基幹病院の受診を避けた方がいいと考えられる時期なんです。理由に関しては言いたくも書きたくもないくらいうんざりの例のヤツです。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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