「添加物は危険❗」と煽る食品ジャーナリスト郡司和夫さん、またやらかしました❗

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添加物を必要以上に煽ることを得意技としている人々が少なくは無いです。食品添加物批判ビジネス的な捉え方さえされています。トンデモ系の方々に含まれることの多い「添加物怖い怖いさん」の特徴として、量の概念が乏しい、との考え方を披露してみます。

郡司和夫さん、EUは食品添加物リン酸塩の使用中止なんて決めてないよ❗

必要以上に食品添加物の危険性を述べ、コンビニを目の敵にしている食品ジャーナリストの郡司和夫さんがまたもややらかしてくれました。

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http://biz-journal.jp/2018/01/post_22089.htmlより

まあ、媒体がビジネスジャーナルだから、なんて考え方もできます。確かに大手コンビニがリン酸塩不使用を打ち出してはいます。もともと加工食品の見栄えや食感を良くする為に使用されているリン酸塩は安全な使用量が食品衛生法で決められています。なんでもかんでも食品添加物は悪とする風潮に対してコンビニ業界が影響を受けたためと思われます。

郡司和夫さんはこのリン酸塩についてこのように述べています。

昨年12月、欧州連合(EU)加盟国のギリシャ・アテネで大騒動が起きました。EUが食品添加物のリン酸塩について使用中止の方針を打ち出したことが発端です。

あの〜、それって多分この記事を一次ソースとしていると思われます。この記事の内容が伝言ゲーム的になったような気がしなくもありません。というのも⋯EUでそんなことになってないんだもん。

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ここに書かれているのは

EUでリン酸塩の使用禁止が拒否された❗

であり、郡司さんの記事のタイトルと出だしの文章から「リン酸塩ってEUで使用中止の方向性なんだ」と思ってしまうあわてん坊が続出するんじゃないかなあ、まあそれが郡司和夫さんの手法でもあるけど。

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コンビニ弁当は体に悪い、昔は良かった、母親はこうあるべきといった主張を押し付けてくる方々には共通点があります。まず科学的な知識が足りていません。そして根拠不明な昔は良かった幻想、そして子育て中の母親にプレッシャーをかける昔の母は頑張っていた、という経験・感情からくる思い込み思考が強く影響しています。

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コンビニおでんは超危険というデマを撒き散らす人たちがいます。彼らに言わせるとコンビニのおでんは具がずっと汁に浮いているらしくありえない現象とのこと。さらに、危険な添加物を非表示で大量使用しているから、がんや記憶力低下のリスクがあるんだそうです。あまりに荒唐無稽でむちゃくちゃな話なのでしっかり検証しておきます。

他にも以前書いたような記憶があるけど、こんな感じでいらん不安を煽るのが郡司さんなんです。

リン酸塩の毒性に関して間違った考え方をしている食品ジャーナリスト

国がリン酸塩の適正な使用方法や使用量を定めています。しかし、食品ジャーナリストと称する郡司和夫さんはとにかく危険、危険と騒ぎ立てるのです。

添加物の危険性を語る郡司さんら食品ジャーナリストの特徴は耐容一日摂取量について述べられることは少ないことです。この耐容一日摂取量は一生涯食べ続けても健康被害は出ないと考えられる一日の摂取量を表しています。今回必要以上に危険視されているリン酸塩ですが、リンの最大耐容一日摂取量は1日あたり70mg/kgとなっています。体重60キロの人なら1日4.2グラムなら毎日食べ続けても安全ということになります。食品添加物で使用されるリン酸塩はリンとして体内に吸収されるとしても、厚生労働省 「平成 25 年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について」を見てみると265.6mgなので気にするほどの量を食べているわけではないのです。

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厚生労働省「平成25年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について」より

郡司和夫さんは

今は、あらゆる加工食品にリン酸はリン酸塩として添加されています。リン酸の過剰摂取は明らかです。

とビジネスジャーナル中でお書きになっていますが、それどっから仕入れた調査結果なのでしょうか?

リン酸塩を加えるとコーヒーが3倍になる⁉

郡司さんは食品メーカーがリン酸塩を使用する理由の一つとして以下のように述べています。

リン酸塩には増量効果もあります。たとえば、コーヒー豆の抽出に使えば、通常の3倍の量のコーヒーがつくれます。

これインスタントコーヒーの粉の量が増えるのか、あるいは通常の3倍濃度の高いコーヒーを作ることができるのかハッキリしません。

こんな実験結果を見つけました。これはMy News Japan(これまたヘンテコな記事が目立つことで、一部の愛好者の間で有名なサイト)で「おかわり自由コーヒー、リン酸塩で増量疑惑 もっとも危険なのはロイホ」という記事 (http://www.mynewsjapan.com/reports/805) にインスパイアされた「コーヒーとリン酸塩で実験-考察」とタイトルされたブログです。結果的に

リン酸塩を使用するとコーヒーの濃度は高くなるのですが、その量は最大で14パーセントとのこと。郡司さんがおっしゃる3倍に増量ってどこから湧き出てきた数字なんだあ⁉

トンデモさんは計算が苦手で量の概念に乏しい傾向があります

トンデモさんの傾向として量の概念に乏しいことを以前ブログに書きました。

またもやヘンテコな管理栄養士さん発見❗スーパーの豆腐に物言う的に意気込んでいるけど、知識が⋯。

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豆腐は、大豆とにがりでのみ作るべき!そうでない豆腐は偽造豆腐であると主張する管理栄養士さんがいます。ご家庭での手作り豆腐と日本全国に安価に届けられる大量生産の豆腐を同列で語っている事自体ナンセンスなのですが、オーガニック・自然派を拗らせるとこうなるという良いサンプルとしてご覧ください。

量の概念が乏しいということは、多分計算も得意じゃないことが大いに予想されます⋯郡司和夫さん、その期待を裏切りません❗同じビジネスジャーナル中に「コンビニおにぎりと弁当は危険!原価5円?添加物まみれで健康被害の恐れ」(http://biz-journal.jp/2015/10/post_11916_2.html)という記事があります。その中で

コンビニおにぎり1個の原価(コメのみ)は、間違いなく5円以下です。昨年などコメの取引価格が暴落して、産地によって違いはありますが、多くは60キロ(1俵)7000円台で生産者から卸業者へ売られています。コンビニおにぎりに使用されるコメは1個当たり80グラムほどですから、7000円台のおコメで計算すると、1個3円程度です。

って言っちゃってます。これ紙と鉛筆持ち出して電卓で検算してみました。

  • おにぎり一個に使われる米は80グラム
  • 60キロ7000円の米
  • 60キロ = 60000グラム

7000円 ÷ 60000グラム × 80グラム = 9.3333⋯⋯

どう計算しても郡司さんが言っているように、おにぎり一個の原価は3円にならない❗ネット上の記事を見るたびに電卓持ち出す人は稀でしょうけど、私みたいな人間もいることを食品ジャーナリストの方々はお忘れないように❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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