本当はスゴイ! 血液型、読みました❗やっぱりヘンです❗

血液型によって性格がわかる、このように思い込んでいる方が多いようです。さらに血液型によって合う職業、合わない職業があると信じ込んでいる人もいます。血液型によってある程度の性格の傾向があったとしても、それは血液型性格分析などを事前に読んだり知ったりしたことによるバイアスの影響の可能性が大きいのです。血液型によってご自分の将来を決めてしまうことは、血液型によって自分の未来を遮ってしまっていることにもなります。

血液型と職業に関しての議論、結論的には関係なし

友達の血液型を聞いて性格を判断する、なんてこと学生時代にやったことある人多いのでないでしょうか?A型は慎重にで、B型は大雑把だけど将来大物になる、O型は社交的である、AB型は天才肌だ、なんて感じのもの。これって科学的な手法で今まで検証が行われています(詳細は後述)。

たまたま見かけた新聞広告で「本当はスゴイ! 血液型」(ビジネス社 武田知弘著)をゲットして読みましたが⋯やっぱりこりゃヘンです❗職業(ここではスポーツ選手)と血液型の関係について書かれているものです。

血液型で将来の職業を選択する、なんてことはしないほうがいいです❗

この本曰く

●プロ野球強打者にA型はいない ●サッカー代表にB型はいない ●ゴルフはB型が強い

などなど衝撃的な見出しが❗

O型はどうした、AB型はどうなった、なんて余計な心配をしてしまいました。どう考えてもバイアスかかりまくりの著作と考えつつ、

血液型は人類最強のビッグデータ説に反論を試みたいと思います。

ちなみに私はスポーツ音痴であり、スポーツ観戦の趣味もありません(カーリングは観たけど)ので間違ったことを書いてしまう可能性もありますが、できれば大人の対応をお願いしたいと存じます

2018年のサッカーワールドカップロシアでは「サッカー代表にB型はいない」は明らかに否定されましたね。

明日の結果はどうなるでしょう、ベスト8進出なるか。

A型の人は野球選手を目指したら不利なんでしょうか?

日本のプロ野球の歴代ホームランバッターの血液型を調べたところ、10人中5人がB型で、O型の選手も同様に5人だったそうです。

そこから導かれた結論がプロ野球選手強打者にA型はいない、だそうです。

でもねえ、これってプロ野球の長い長い歴史からチョイスしたホームラン数で順位付けしただけなんじゃないですか?プロ野球のルールも時代によって変更されているようですし、球場の広さもまちまち、さらにバットやボールも時代によって変わっていますよね。条件の違うところから選んできたデータの信頼度が低くなるのは常識。

故人も含めた名球会メンバー打者53人を分析してみると⋯

このような結果になり、一見B型が多いように感じられますが⋯。

注意:古い選手など、血液型がソースによってちがう場合もあるので要注意願います。また、対象とした人数が少ない(サンプルサイズが小さい)ためにこれで血液型で強打者が云々ということは言い切ることはできません。

血液型に関してこんな論文があります

また「「血液型性格学」は信頼できるか -野球選手の血液型 (その1) 」という(日本応用心理学会大会発表論文集 67 () : 40-40, 2000)によって野球選手の役割と血液型には全く関係がないことがわかっています。

つまり、

記録の切り口がたくさんある野球のようなスポーツだと、何らか切り刻んでいけばどこかしら有意にはなるので、それこそ「つまみ食い」とも言えるのです。

ここに「教員養成課程における科学リテラシー構築に向けた疑似科学の実証的批判的研究」(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22650191/)が参考文献として挙げられていて、結果として「血液型による違いが統計的に明確に有意であることが示された」と書かれています。これって科研費の研究のアブストラクトからの引用だと思うのですが

この研究の論文本文では

今回の研究により、少なくとも 差が有意に現れるほどには血液型性格 判断を信じ、自分の性格をそれに合わせている人々がいることが明らかとなった。

と書かれていますし、

これは疑似科学が社会に確実に悪影 響を与えていることの一つの証明であり、今後、この結果を社会的に還元し啓発を行っていくことが重要であると考えられる。

と書かれています。つまり

血液型による性格を判断することは疑似科学である❗ということをこの研究は言っているのです。私が言いたいことは巷に溢れる血液型に関する情報に影響されて

血液型で職業の有利・不利はありえません!ということをお伝えしたいのです。

確かに血液型によってかかりやす病気もありますけど⋯

先日、血液型がO型だと大怪我をした時の死亡率が他の血液型と比べると2倍になる❗なんて記事がメディアに掲載されました。この研究においてもいくつかの宿題が残されていて統計の対象とした症例が少なかった可能性、カルテなど既存のものを利用した研究なので、さらなる前向きの研究の必要性があること、さらにある種のエラーが存在していたことが論文に書かれています。

血液型によってかかりやすい病気が判明することは、将来的に予防医学として有効なことです。しかし、性格や職業が血液型に左右される可能性は現時点における科学的な手法を用いた研究をみる限り、かなり難しいことだと考えて間違いなさそうです。メディアの影響力としてテレビほど大きなものはありませんので、バラエティ番組だとしても「血液型は人類最強のビッグデータだ、この血液型の人はこんな職業に就くと有利」的な番組が出てこないことを祈ります。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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