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院長ブログ

クラウドファンディングで資金を集めてハーブで妊活!!??効果も不明、倫理的問題がクリアできているのかも不明。

ハーブを使って、出生率を改善!!??ヘルシンキ宣言はどこ行った???

妙な案件を見かけました。クラウドファンディングを使って、ハーブを使った自然療法で妊娠率を上げて、日本の出生率をアップさせる、そのような試みと解釈できるベンチャーの企画です。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000038400.htmlより・・・あのさあ、この画像って逆子なんだけど(先ほど教えてくれた人がいたので追記)。

この企画はいくつかの問題点というか、かなりの問題点を抱えたものであり、このような手段は果たして正当なものなのかを皆さんで考えていただきたいと思います。

この企画を立ち上げたベンチャー27歳女性社長は

ハーブを使って妊活問題を解決、この方はヘルシンキ宣言をご存知なのでしょうか?

人間を対象とした医学研究はヘルシンキ宣言という「ヒトを対象とする医学研究の倫理諸原則」があります。

この人体実験に関する宣言はナチスドイツの非倫理的な人体実験に対する世界中の医学関係者によって作られたものなのですが、法的な規制は無いものの医学に携わるものであれば、絶対と言っていいほど守られないければならないものと認識されています(ヘルシンキ宣言の詳細は日本医師会の「最新のヘルシンキ宣言改訂について」http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdfを参照してください)。

ハーブは自然なものであるから、人体に安全との考えは大間違いです

さらに、このヘンテコなクラウドファンディングの最終目的である

自然療法の効果を見える化して、デジタルハーブ薬局を設立したら薬機法等に抵触しないのでしょうか?

効果・効能を明記したら薬機法違反だよ!!

ハーブは自然療法→自然療法だから安全だし、薬じゃないし→だからヘルシンキ宣言は関係無し→クラウドファンディングが成功したらハーブ薬局を設立→薬局なんだから薬じゃん→ヘルシンキ宣言を守りなさい!!

と、感じたのは私だけなんでしょうか?

そもそも出生率の低下は不妊が原因なんですか?

まずはハーブによる自然療法を取り入れたことによって、妊娠が可能となり、出生率を改善できるのでしょうか?確かに日本の出生率(特殊出生率)は調査対象202ヶ国中、184位です。

世界の合計特殊出生率 国別ランキング・推移(https://www.globalnote.jp/post-3758.html)より

そもそも、出生率が低下しているのは不妊症の人が増えているからなんですか?

という素朴な疑問を多くの方がお持ちになったのではないでしょうか?

このクラウドファンディングを企画した人は妊娠に関する悩みを自然療法で解決して、出生率の改善を狙っているようにしか、この企画書(?)からは読み取れません(私の読解力に問題があったらごめんなさいね)。

ハーブは自然療法、だから安全は本当なのですか?

自然なものは安全、という不思議な思考回路をお持ちの方が世の中にはいらっしゃいます。日本で漢方薬として愛されている薬も、元々はハーブという大きなくくりに含まれるものですし、標準治療で使用されている薬の中にも植物等の自然なものを原料としているものも珍しくはありません。

しかし、自然なものは安全という話を丸呑みするのは大きな間違いです。妊娠を望んでいる方、妊娠中の方に対して薬を処方する場合、医師は慎重にならざる得ないのです。

その理由として、

妊婦さんに対する治験は倫理上許される可能性が限りなく低い

とまともな研究者は判断しているからです。副作用の調査のために、前向きの臨床研究などはまず間違いなくヘルシンキ宣言に反しますし、治験を行う時に倫理委員会等によって拒否されることがほとんどだからです。

そのため、ハーブと妊娠に関する医学論文も後ろ向きのものに限られてしまいます。

例えばこのような医学論文があります。「Pregnancy, prescription medicines and the potential risk of herb-drug interactions: a cross-sectional survey」(BMC Complement Altern Med. 2017; 17: 543)では妊娠中の処方薬とハーブとの相互作用に関して、そのリスクを調査したものです。

●妊婦さんの半数がハーブなどの自然物を代替医療として服用していた

●ハーブは無害なものとして宣伝されている

●妊娠中にハーブと薬を併用している場合はリスクを伴うことに注意が必要である

とのことが述べられています。

今回の自然療法で出生率低下を解決しようとの企画はこの辺りは十分に留意されているのでしょうか?クリニックでの診断結果を用いて、医療データを連携するように書かれていますが・・・だからこそ、倫理委員会等が設置されているかが問題なのです。

ハーブを使った自然療法で不妊症の治療になるのでしょうか?

今回、心の底から驚いた医療方面の素人さんによる、自然療法で妊娠を促し、日本の出生率低下に歯止めをかけるクラウドファンディング。

そもそも、ハーブを使ったことによって不妊症の解決は目指せるのでしょうか?不妊症の原因が突き止められた場合はその原疾患の治療がまずは試みられます。では、原因不明の不妊症の場合はどのようなことが根拠あるものとして医学では推奨されているかをお伝えしますね。

真っ当な不妊治療の流れはこのようになっています(厚生労働省 「不妊治療をめぐる現状」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdfより)。

不妊症だけど、原因が突き止められない場合を原因不明不妊と呼んでおり、不妊を訴える方の三分の一が残念ながら原因不明不妊です。

そこで対処法として日本生殖医学会のサイトにはこのようなことが書かれています。

原因不明不妊は不妊症の1/3をしめるといわれていますが、本当に原因がないわけではなく、検査では見つからない原因が潜んでいます。その原因のひとつは、何らかの原因で精子と卵子が体内で受精していない場合で、人工授精や体外受精治療の適応となります。

一般社団法人日本生殖医学会「不妊症Q&A よくある質問」(http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa04.html)より

人工授精や体外受精治療は自治体等によって補助金などの支援があるとはいえ、高額になってしまうので、ハーブなどの自然療法が本当に効果があるのであれば、出生率問題とは別としても

国をあげてハーブの不妊症に対する効果を実証しようとするはずなんじゃないの???

ハーブ療法が不妊症に対して効果があるということを示したクオリティの高い医学論文は今のところ発見できていません(私の検索能力が低い可能性は否定できないけどね)。

株式会社rosy tokyoの「herbaby」にお尋ねしたいこと

1:出生率が低下しているの原因は不妊症が増えているからなの?

2:自然療法って本当に安全なの?

3:人に対する臨床試験をする場合の倫理としてヘルシンキ宣言をご存知でしょうか?

4:ハーブを使ったら不妊症問題が解決したのとの信頼度の高い医学論文はあるのでしょうか?

5:クラウドファンディングで資金を集める方法は広く利用されるべきですが、人の体に対する研究の場合は倫理的な問題をクリアしたことを明記してありますか?

お前は不妊症は専門じゃないのに、何をごちゃごちゃ言っているのか、とのご意見に対しては、不妊症は男性側に50パーセントから30パーセント原因があると一般的には解釈されていますので・・・。