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注意❗名医のいる病院情報⋯お金を払って掲載している可能性もあるよ❗

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「名医が見つかる」「名医の情報」「この病院に名医がいる」「病院の実力」「名医ランキング」的な情報番組・ムック・雑誌・サイトがあります。病気になった人はそれはそれは心配ですから、是非とも腕のいい名医を受診したいと考えるのは当たり前です。

でも、名医探しのツールとして健康雑誌やバラエティ番組、雑誌などなどの情報って、本当に正確なものなんでしょうか?

名医を見つける手段としての雑誌・ネット情報は正確なのか?という素朴な疑問

万が一、がんであることを診断された場合、医師が治療してもらいたいと考える医療機関・医師と一般の方が「あの先生って有名だから」治療してもらいたいと希望する医師・医療機関には乖離があります。

多くの方はマスメディアに取り上げられた医師を名医と考えがちですが、その情報源自体がお金を払えば掲載してもらえる場合も少なくありません。

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注意:この画像は本文とは全く関係ありません。単に「名医 書籍」で画像検索した結果です。

大手出版社から出ている週刊誌でも「名医紹介」とか「名医を訪ねて」なんて感じの企画が掲載されていますが、ページの上に「PR」と記載されてることにお気づきでしょうか。これは確実に有料広告の一つであるのですが、「そういえば週刊○○にあの先生が載ってた」との理由で、医療機関を選択してしまっている方も多いのが現実です。ネット上では取材形式をとって医師あるいは医療機関を取り上げることが多く見受けられますが、それってお金で買った名声である場合もあるので、注意が必要です。

某広告代理店から医療系雑誌掲載お誘いのお手紙

医療機関が広告を出すことは、かなりキツキツの条件が法律で定められています。OTCや通販の薬品の広告よりも、制限が厳しくなっています。特に雑誌系への広告は若干緩和されたとはいえ、実際にどのような治療を行い、どのような実績になっているかを正確に伝えることは困難です。

そこで登場した苦肉の策が「取材」です。取材に基づき、記事を書く、それを雑誌に掲載することを制限してしまうと「言論の自由」「出版の自由」等を制限することになるので、放置されている時期もありました。内容が完璧広告じゃん的な取材形式は出版社の自主規制、あるいは当局の指導により「PR」と記載することによって現時点でも行われています。

そんなある日、郵便物を開けてみると「企画への参加のお願い」(媒体や代理店が判明しないように、以下文面等アレンジします)というものがありました。掲載予定の中には「買取記事体広告」との項目があり、インタビュー形式で医師の宣伝をするものもありました。多分「名医インタビュー」なんて感じで掲載されるんでしょうね(笑)。そして気になるお値段は「90万円」だって⋯一回の掲載で90万円❗❗。

この企画が掲載される媒体は、少なくとも医師が目を通すものではありません。美容系の医療機関の広告宣伝費が膨大であることは周知の事実だと思われます。しかし、この媒体は保険診療と中心とした内容で、一般の医療機関も患者さんゲットの手段として広告費を莫大にかけることが当たり前の時代になってきたようです。

たった90万で媒体に掲載されるんだから、安いもんじゃん、って感じる方もいるかもしれませんけど、こんな企画書が毎月、毎週のように送付されてくるんです。それ全部に付き合っていたら、広告費の負担で二進も三進もいかなくなることは、十分予想されます。だって、美容系の医療機関で倒産・廃業・夜逃げしちゃうところってほとんどが広告費の負担に耐えきれなくなったからですから。

最初は取材を思っていたら、結局は有料で掲載だってさ(笑)

これは私が体験した話です。「正しい医学情報をネット上で多くの方に知ってもらいたい、病気で困っている人に正確な情報を伝えたい、そんな思いを持ってこのサイトを立ち上げました。ぜひ、先生のお話を伺いたいです」との申し出が数年前にありました。別にいい人ぶる訳ではないのですが、広告もできない一般保険医療について詳細な内容を患者さんにお伝えできると思って、取材に応じました。

「まだ立ち上げたばかりで、謝礼はお支払いできないのですが」との申し出も当然OKしました。その後、そのサイトは多くの医療機関が取材を受けて、厚みのある医療情報サイトに成長したようです。というのも、最近になって

サイトをリニューアルします。それにあたりまして先生のクリニックの掲載を継続するためには、一年間で××万円頂きます

と言った内容の電話がありました。もちろん「有料なら掲載しないでいいです」と回答しましたが、そのサイトから患者さんが主となっている医療機関だと、泣く泣く広告費としてその費用を払っちゃうのでしょうね。現時点でもそのサイトがリニューアルされて、しっかり当院の記事は消え去っていますので。

医療機関のネット上の広告の現状は⋯

ネット情報はこちらから情報を探しに行くものであり、ホームページは不特定多数に晒すものではないので広告じゃない、と今までは判断されていました。また、美容系クリニックのリスティング広告(正確な呼び方はなんていうのかな?)は数年前からYahoo!さんやGoogle様の自主規制によって、ほとんど掲載されることができなくなりました。今の旬は「がんを免疫療法で治す」系がネット上でしつこく現れてきます。これは逆に誰が見ても広告だよ、と判別できますが、雑誌・テレビあるいは情報サイトで「名医」「実力のある医療機関」「クリニックの評判」等で流される情報はまだまだ鵜呑みにしてしまうのでないでしょうか?

有名雑誌に掲載されたから名医、テレビに出ているから名医との価値判断は医師が医師を選択する基準とは全く違うものが多いことに注意が必要です。

追伸:私も取材を受けることが多いのですが日刊ゲンダイ、東京スポーツやサブカルチャー系雑誌が多く、決してクオリティが高い情報源ではないです(笑)⋯もちろん取材料はガッツリいただいておりまーす、薄謝進呈となっていますけど。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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