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院長ブログ

2019年オッサン向け週刊誌の年末年始号健康関連記事をもれなくチェック!!

健康雑誌と化したオッサン向け週刊誌、2019年はどれだけ日本の医療を批判をしているか?

週刊誌の左肩下がりの売れ行きをどうにかこうにか挽回しようと各社が目をつけたのが、現代医療に対する疑いと批判。

突飛な話題で販売数を伸ばす努力をするのは、ビジネスですから当然のことで、難癖をつけるつもりはありません。

しかし、オッサン向け週刊誌の不確かな医学的に間違っている健康関連記事が、日常の診療の邪魔になっていることを多くの臨床医が経験しています。

今回、オッサン週刊誌として私が日頃の診療に役立てようと毎週購入している「週刊現代」「週刊ポスト」「週刊新潮」「週刊文春」が年末年始の合併号でどのように健康関連記事を取り扱っているのかまとめてチェックしてみました。

エッチな写真が掲載されている週刊誌は診療の合間に読んでいると、90パーセント以上が女性である当院スタッフにあらぬ疑いや訴訟を起こされる可能性が否定できないので、冬季休業に入ったこの時期にしっかり隅々まで読ませていただきました(袋とじは開封してないよ)。


4大オッサン向け週刊誌のラインナップはこんな感じ。なお、週刊大衆と週刊アサヒ芸能は今回は誠に勝手ながら、ご遠慮いただきましたことをお詫びします(来年も取材は受けますよ)。

さらに週刊朝日、サンデー毎日は大人気っぽくて、クリニック近隣のコンビニでは売り切れ状態で残念ながら入手できませんでした(棒)。

週刊現代は生活習慣病治療薬を徹底的に攻撃している模様

まずは今まで私がブログで一番利用(もちろんdisって)させてもらったと思われる「週刊現代」をチェックします。

病気は治っても「歩けなくなる」「食べられなくなる」生活習慣病の薬とかなりショッキングなタイトルです。

日本人の医師だと権威が弱いと考えたのか、いきなりダートマス大学のレベッカ・エメニー博士が登場して、薬と大腿骨骨折の関連性を述べています。できればこのような記事を書く場合は元となった一次ソースを明記していただきたいものですが。

多分、この論文が一次ソースだと思われます、「Association of Receiving Multiple, Concurrent Fracture-Associated Drugs With Hip Fracture Risk」(PMID:1722031)は二種類の以上の薬を服用することは股関節の骨折のリスクを2倍以上高めるとの結論になっています。

論文中には生活習慣病の治療薬と関係無い薬も多数含まれてますし、もともと骨折リスクの高い病気の方も含まれている点が気にはなります。

週刊現代の治るけど歩けなくなる薬の表のトップに高血圧や浮腫に使用される「ループ利尿薬」が掲載されています。一次ソースの論文ではこのループ利尿薬と痛み止めのオピオイド(麻薬系)の組み合わせの危険性が述べられているんだけどなあ。

さらに痛み止めとしてのオピオイドが頻用されていることが骨折のリスクを高める元凶が故に論文中では、「this finding might reinforce ongoing scrutiny of opioid-prescribing practices.」とdiscussionに書いたんじゃないかなあ。ハイリスクな薬の組み合わせにオピオイドが含まれていることが多いから、オピオイドを漫然と長期に渡って処方することは再考されるべきだと。

日本ではオピオイドつまり麻薬性鎮痛薬はMSコンチン・アンペック・オキシコンチンなどの癌性疼痛に処方されるものであり、米国のように中毒者が増加するような漫然と気軽な処方は行われていません。

ちなみにトランプ政権は2017年にオピオイドに対して非常事態宣言さえ発令している米国にとっては大問題の乱用処方されている薬なのです。

ホワイトハウスのサイトより

通常、生活習慣病は高脂血症・高血圧・糖尿病の3つの病気を意味すると思います。この生活習慣病にオピオイドが処方されることは日本でないはずなんですけどね。

まだまだおかしな記述が目立つ週刊現代年末年始の健康関連記事ですが、「ぶち抜き22ページ」のためこの辺りでやめておきますね。

週刊ポストは「正しい医者のかかり方」ときましたかぁ。

のっけからエッチな写真の袋とじで始まる週刊ポストの年末年始号は

京都大学現役医師が教える「正しい医者のかかり方」あなたの命を守るQ&Aと興味深いというかどっかで聞いたタイトルです。

なんとSNS友達の山本健人医師の本の内容に従った記事であり、山本医師の著書は私も読了していますし、山本医師が直接取材に応じて30の質問に答えたものなので、この健康関連記事にケチをつける点はありません。

このQ&Aは痺れました。

医師の出身大学は気にするべき?

とあるある的質問に対して山本健人医師は

気にすることはないと私は考えます。中略 医師として大切な能力は大学進学時の学力とは別のものです。

とお答えになっています。

この回答は私が常日頃ブログで書いているトンデモ系の医師や明らかなニセ医学を患者さんの治療に使っている医師もいることを示唆していますし、どんな集団であっても1パーセントは変なヤツが混じり込む、との自説をも強く補強していただけるものだと勝手に判断しております。

週刊新潮は医学論文を並べてきたけど、これは反則技じゃん笑

週刊新潮はちょっと変化球というか、反則技で年末年始号を攻めてきました。

世界の最新「医学論文」を紐解く

なんでこれが反則技なのか、それはこの記事を書いたのが倉原優医師であって、この倉原医師は「本当にあった医学論文」(中外医学社)という名著をお書きになっているんだもん。

ほらね、持っているでしょ。

私が週刊新潮の倉原医師の記事中で全く知らなかったのがこの論文「Pedestrian smartphone overuse and inattentional blindness: an observational study in Taipei, Taiwan.」(PMID:30595132)です。

スマホを見ながら聴きながら歩行する危険性を確認するために台湾で行われた研究が論文になったものです。特にスマホでポケモンGOで遊びながらは危険でした、との結論が導かれています。

なんでこんな面白い論文を私は見つけることができなかったのか、当時ポケモンGOをやりまくっていたことを私は反省しています(ポケモンGOで忙しくって、ブログネタの論文を探す時間がなかったの!)。

今後も倉原先生のメディカルトリビューンの記事やブログを楽しみにしています(呼吸器疾患関連が中心なので、また「本当にあった医学論文」テイストの著作をお待ちしています)。

なんだか年末年始は週刊ポストも週刊新潮も派手な医療批判記事ではなく、読んでためになる、読んで面白い健康関連記事になってしまっています。

さてさて、週刊文春は医療批判記事の文春砲を派手に撃ったかな?

文春砲として各界で恐れられている週刊文春、期待通りに年末年始号で激烈な医療批判系健康関連記事を期待していたのですが、なんだかこじんまりした、真っ当な記事になってしまったようです。

危ない薬 決定版 15「疾患別」リスト

と、かなり力の入ったタイトルです。実はこの記事の取材に私は応じて、こんなことを述べてしまいました。

十分な診断がされずに処方されている薬は他でもある。「過活動膀胱」の薬だ。製薬会社が受診を促すテレビ・コマーシャルも流れているので、頻尿が気になって医師のもとを訪れ、飲むようになった人もいるのではないだろうか。

あっ、これは確かに私が言ったことです。週刊文春が医療界から批判されるリスクより、泌尿器科医でありながら過活動膀胱のCM戦略に対して批判した私の立場の方がもっとリスキーです(汗)。

多分、私的には文春砲を食うより、泌尿器科内で非難轟々の批判によるダメージが大きいことが、かなりの確率で予想される発言です。

でもさあ、そのあとの続く文章が大事なんだよ。

頻尿と言われて過活動膀胱の確定診断もしないで、抗コリン薬などの過活動膀胱治療薬を処方している医師ってスッゲー目立つんだもん。過活動膀胱の診断をする上で絶対的な条件として頻尿だけではなくて、尿意切迫感が必須なんです(日本泌尿器科学会・日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン 第二版 P7「過活動膀胱の定義」)。

2019年のオッサン向け週刊誌の健康関連記事の傾向は、こんな感じかな

健康関連情報の中でも医療批判記事に積極的なのは

週刊現代>週刊文春>週刊ポスト>週刊新潮

と個人的には判断していましたが、年末年始号を見る限りでもその傾向は当たらずとも遠からずのようでした。

ちなみに医療批判なんて許さない!こんな雑誌の取材なんて受けないぞ、キーッ!!という聖人君子的な要素を私は全く持ち合わせておりません。

私のモットーは、思想信条に拘らずヘンなものはヘンと言いたい」ですからね。編集者さん、ジャーナリストさん、医学系ライターさんの今まで書かれた記事を事前に教えていただければ取材は基本的にお受けしています(医学知識はゼロ、事前に私のブログも目を通していない自称医療ライターさん1名、美容ライターさん1名に途中退席をお願いしたことがあります)。

来年も正しい医療情報をお伝えするとともに、トンデモさんを愛でながらほんのちょっとお仕置きを、そしてニセ医学に対しては真っ向から批判していく所存です。