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がん検診反対派の方、大腸がんは内視鏡検査をすると死亡率が68%減少という結果でましたけど。

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恥ずかしながら私の人生初の人間ドックを受診を「人間ドック受けていますか? その3 内視鏡での異変」にてレポートさせていただきましたが、大腸内視鏡で異常を指摘されて凍り付いた時点でブログは終わっています。その後、新たなブログを発信しておりますので、生命に問題がないことは熱心な読者の方には伝わっていると思います。

私事ですが先日大腸ポリープを内視鏡で切除しました

先日無事問題の大腸のポリープ切除を外来で受け、結果も「良性」とのことで安心しました。もしもガンだったらなんて考えて、切除するまで約半年放置してしまった弱気な私は、大腸がんに関する論文はあえて読まないようにしていました。結果も良好だったので余裕をかまして大腸ポリープに関して海外・国内の情報を調べていたところ、非常に素晴らしい日本の女性研究者の論文を発見しました。掲載された医学専門誌は何とあの「New England Journal of Medicine」❗これは本当に凄いことです。ハーバード大学で研究している西原玲子さん、これからもどんどん研究を進めて「がん検診有害論」を振り回す勉強不足または算数音痴のデマゴーグ派を吹っ飛ばしてください。専門家の言うことだからとヘンテコな「がんもどき」理論なんかを信じてしまう純粋な一般の方を救う仕事をお続けください。

内視鏡検査をすると大腸がんの死亡率が68%減少

「がんもどき」理論とか言って「がん検診を受けた人ほど早死にしているのはデータで明らか」と主張している近藤某氏もぜひ投稿してくださいませ!別に日本人だからって掲載を拒否られることもありませんよ。

大腸がんは検便で3割、内視鏡検査で7割も死亡率を下げられます❗

タイトルは「Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy」(2013; 369: 1106-1114/1095-1105)で日本語で言えば「内視鏡検査後の大腸がんの発症率と死亡率の長期間調査」というものです。この調査の信用性を高めているのは対象者が全て医療従事者であり、さらにその数は89000人、調査期間も1988年から2012年という長いものです。

内視鏡検査で大腸がんのリスク減少

がん検診反対派の方はこの結果をどう評価しますか?

たぶん、大腸がん検診反対派は近藤氏の著書に書かれている「ミネソタ大腸がん試験」(本当はミネソタ大腸がん対照試験と訳すんですけど)を持ち出してくることが予想されますが、西原さんの方が対象人数も多いですし、調査期間も長いので、この論文にケチをつけるのって結構ハードル高いのではないでしょうか?ちなみにミネソタの研究はその後、調査期間を延長して30年目の結果が本年の9月19日のこれまたニューイングランドジャーナルに掲載されまして、結果的に検診で長期死亡率の低下が確認されています。「Long-Term Mortality after Screening for Colorectal Cancer」(N Engl J Med 2013; 369:1106-1114September 19, 2013)。がんもどき先生って本当に今まで10万時間も論文読んでいるのかな、という素朴な疑問持った意地悪な私です。

でも今回の様な結果がでたのは、医療従事者を囲い込んだ医療業界の大陰謀とかだったらあり得ます。この研究は対象者が約9万人で期間が20年以上となっていますから、米国のCIAやNSAの情報をチクりまくっているスノーデン氏の様な方が潜り込んでいて陰謀を大暴露する可能性は大です。がん検診ビジネスを狙った医療業界の大陰謀が公表されるのを楽しみに待っております。

今回の論文の結果ですが
・調査期間中に全体で1815人が大腸がんになった
・調査期間中に全体で474人が大腸がんで死亡した
・大腸内視鏡検査を受けた人は大腸がんで死亡する率が68%低かった
・さらに遠位性の大腸がんに限って言えば82%も死亡率が低かった
といった驚きの結果になっています。

検査・治療する医療機関を選択するための注意は必要です

大腸の内視鏡検査は約10000人に一人くらいの確率で腸に穴があいてしまう可能性があります。それが原因で10万人に一人の確率で亡くなった方がいるのも事実です。検査中に腸に異変を感じても「眠っている間に検査が終了します」的な方法ですと、患者サイドとしては医師に伝えることができませんので、「腕に自信のある」医師は鎮静剤や睡眠薬的な薬剤は使用しない傾向があるようです。ここからの文章は医師としてではなく、従順な患者さんとしての感想です。

大腸ポリープ切除

私を担当してくれたベテラン外科医は「胃は壁が厚いので穴があく可能性は低いから、寝ている間に検査をするのもいいけど」とおっしゃっていました。それと大事なことは大腸ポリープが「がん」になる可能性は大きさと、成長の速度とのことでした。私は3個ポリープがあったのですが、一個だけ切除して残りの二個は大きさや形状からまず、「がん」は考えないでOKなのでそのままと残すことにしました、と担当医は自信を持って答えてくれました。いつもならワガママで口うるさいオッサンである私でも「医師はやはり勉強と経験を積んで、自信を持って患者さんに接することがとても大切だ」ととても優等生の患者さんになっていました。

いくらお行儀が悪く、態度がLで、上から目線と言われる私でもお尻の穴を丸出し姿を看護士さん(ちょっと可愛い)に見られながらでは、偉そうな発言さすがにできませんでした。

ついでに申し上げますとポリープがあっても内視鏡による検査は数年ごとで良いと担当の先生はおっしゃっていました。正直あまり気持ちの良い検査ではありませんし、前処置として下剤を大量に飲むのもハッキリ言って嫌です!消化器外科のグループでもポリープ見つけ次第全部取り除く「クリーンコロン派」という考え方もあるようですが、必要ないと思われる治療は行なわないのがリスクを防ぐ意味でも大切ですし、医療機関金儲け論一派へのアピールでもあると思います。

検診としての大腸内視鏡検査は行政機関としてはリスクと費用、つまり受診者の利益と不利益を十分に検証するデータが無い為に行なっていません。費用も安く検査自体のリスクは無い、検便での大腸がんスクリーニング検査も有効であることが、近藤氏のがん検診反対説の根拠となっている「ミネソタ大腸がん試験」の新しい結果では明確になっています。各自治体が行なっている糞便検査は受けた方が間違いなく、大腸がんでの死亡リスクが下がります。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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