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お酒の飲み過ぎって思ったより経済損失が大きいぞ!!

酒は百薬の長というけど

受動喫煙などの問題により愛煙家にとっては厳しい世の中になって来ていますが、以前よりアルコールに関しては甘いといわれてきているのは、日本だけではなく世界の潮流です。大人といえば「タバコが吸えて、お酒が飲める、そして選挙権」なんて子供の時は思ったものですが、タバコはダメ、お酒がダメ、だから選挙に行かない、なんて訳ではないでしょうが、投票率の低さに驚かされた2014年の都知事選でしたね。

アルコールの飲み過ぎによって脂肪肝、肝機能障害、肝硬変になってしまうことは、常識として皆さんご存知でしょうけど「適量なら大丈夫」「適量なら健康に良い」という考え方が一般的です。個人の健康問題としてでは無く、社会的損失として「飲酒問題」を考えてみたいと思います。

飲酒による経済的損失の原因は多々あります

二日酔いで仕事を休んだり遅刻したり ついつい飲み過ぎて、翌日の仕事の悪影響がでたことってありませんか?二日酔いで朝起きれなかった為に遅刻をするとか、アルコール臭ぷんぷんの為に休んだり⋯。これが繰り返される事は勤務先の経済的損失を招きますし、当然このような勤務態度が続くと職場に居づらくなってきてしまいます。

最悪の事態としては「飲酒運転」という大問題も発生して、物損事故、そして自分だけではなく第三者を傷つけたり、生命まで奪ってしまうことにもなります。さらに深酒が続く事により、健康を損ねて病院通いなんてことにもなりますので、「アルコールの社会に及ぼす経済的損失」という面から過剰な飲酒を考えてみたいのですが、参考となるデータがありました。

米国では過剰飲酒で年間2235億ドルの損失

過剰飲酒の問題は経済的側面から米国では取り上げられることが多いのですが、年間当たりの経済的損失は2235億ドルと換算しているデータが存在します。それらを受けて調査したものが「State Costs of Excessive Alcohol Consumption, 2006」(American Journal of Preventive Medicine Volume 45, Issue 4 , Pages 474-485)として掲載されています。それによりますとアルコールによる経済損失として「怪我」「健康を害する」「死亡」「生産性の低下」「警察や司法の経費」などが挙げられており、それによって失われた金銭的損失⋯アルコールさえ飲んでいなければ、出費にならなかったものと考えられる金額を算出しました。

余計な出費は男性で一回当たり5杯以上の飲酒、女性で一回当たり4杯以上の飲酒を大量飲酒と定義して計算されています。コロンビア特別区ではなんと一人当たりに対する過剰飲酒が原因で失われる金銭は1662ドルとなりました!全米で考えた場合一杯のアルコール飲料につき、1.91ドルの経済的損失が生み出されてしまうことになりました。

税金払っているんだからは理由になりません

喫煙問題において「私たちは喫煙する為に、税金を納めているんだから」という愛煙家に対して、喫煙で失われる健康問題に対応する予算はタバコ税ではカバーできない、という調査も存在しています。アルコールに対しては世界中ほとんどの国で高額な税金をかけていますが、アメリカの酒税でどのくらい今回算出された損失がカバーできるのかは、不明でした。

酒類に対する課税数量の年次推移

景気対策の一環として交際費の取り扱いが今後大幅に見直されて、外で飲む機会がひょっとすると増えるとおもってほくそ笑んでいるオッサンも多いのではないでしょうか?経済的損失なんてアメリカナイズされた考え方より、今までの飲み過ぎによる失敗を思い出して、反省するほうが過剰飲酒に対しては効果的なんではないか、と思いますが。日本の場合、結構な失態を晒しても「酒の席だから」と鷹揚に捉えてくれる、ある意味緩い文化も良い事なんだか、悪い事なんだか迷いが生じて来てしまいました。

著者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の著者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

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