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オゾン発生装置をイチオシする医療ジャーナリストと称する人の発言は無責任すぎるぞ❗

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次亜塩素酸水を空間に噴霧しても、アルコール消毒のように手指にスプレーしても新型コロナ感染症対策にはならないばかりか、吸い込んだ場合は人体に有害であることが少しずつ周知されつつつあります。

治療薬もワクチンもまだない状況ですから、何か効果ありそうな情報があれば飛びついてしまうのは仕方のないこと。その心理を逆手にとったビジネスが横行しているのも事実。

もし、あなたがオゾン発生装置が気になっているのならば、ぜひ、当記事をお読みください。

次亜塩素酸水の次はオゾン消毒??

ウイルス対策に次亜塩素酸水が有効・無効論争がありましたね。最終的な決着はついたと判断して良さそうです。

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経産省が作成・公表した次亜塩素酸水の噴霧に関するファクトシートより

次亜塩素酸水なんて古い、古い、これからの時代はオゾンだ、オゾン消毒だ❗って話が一部で流れています。

オゾンに関しては以前、血液クレンジングというトンデモ系の医療で使われていたことを記憶している方もいるかと思います。なぜか昔からオゾン療法という正当な医療からは逸脱した治療法がありました。

オゾンによって健康になろう、オゾンによって病気を治そう、との考え方がある一方で、オゾンで微生物とやっつける、オゾンを使って消毒を、と考える人もいます。人間に都合をあわせてオゾンは存在しているわけじゃないのにね。

次亜塩素酸水は少なくとも現時点では空間に噴霧することは、ウイルス対策として効果があったとしたら、人体への有害な効果も強く予想されます。オゾンによる新型コロナへの効果も次亜塩素酸水と同じように普通は考えます。

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BBC トランプ氏、「消毒剤」による新型ウイルス治療に言及 医師ら「危険」 (https://www.bbc.com/japanese/52408092) より

トランプ大統領の、「新型コロナ感染症治療として消毒薬を注射したらどうだろう」とのトンデモ発言が話題になりました。

ワイドショーに出演している医療ジャーナリストと称する方が、しきりに「オゾン、オゾン」とツイートしています。

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オゾンは果たして新型コロナを不活化させる(いわゆる消毒することを意味します)ことが可能であり、次亜塩素酸水の次にオゾン消毒の時代がやってくるのかを予想してみます。

大学の研究者がオゾン発生装置の効果を実証?

奈良県立医科大学の研究者によってオゾンの不活化が証明された、とメディアが取り上げていました。奈良県立医科大学のウェブサイトでもその件は確認できます。

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奈良県立医科大学  (世界初)オゾンによる新型コロナ不活化確認 ( http://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/ozon.html)より

あくまでも実験レベルで効果があったからといって、すぐに実用化を意味しないことは私のブログの愛読者はご存じのはずです。

水素水が実験レベルでなんらかの効果が認められても実用化はまだまだであり、ヒトへの良い影響があったとしても、副作用の問題も検証する必要があります。

定期的にトンデモな話題を提供してくれるこの医療ジャーナリストさんは鼻いきバフバフ状態で勝ち誇ったかのようにこんなツイートをしているのです。

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そしてこのようなツイートを。

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まあ、次亜塩素酸水と同じように一時的なブームであろうと思われるオゾンによる消毒、特に新型コロナに対する効果を奈良県立医科大学の公表されているデータに基づいて、余計なお世話でしょうけど検証してみます。

どこからどうみても、試験管レベルのオゾンの新型コロナ不活化効果

奈良県立医科大学のオゾンの実験はこのような状況下でおこなわれています。

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気密性のあるボックスにステンレスのプレートを置いて、その表面に新型コロナを塗布。密閉されたボックス内のオゾン発生装置を稼働させて、新型コロナが不活化されているかを調べた実験です。

オゾンの濃度はを1.0~6.0ppmとのことです。

そもそも日本産業衛生学会が定めている作業環境内におけるオゾンの濃度は0.1ppm以下です。

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産業衛生学雑誌 許容濃度等の勧告(http://joh.sanei.or.jp/pdf/J57/J57_4_07.pdf)より

安全に作業ができるオゾン濃度の10倍から60倍で新型コロナの不活化を証明したとしても、実用化は可能なんでしょうか?

医療ジャーナリストと称する人はそそっかしいにもほどがある

なぜかオゾンを積極的に推奨している医療ジャーナリストと称する方は以前、こんなツイートをしています。

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このツイートはごくごく限られた状況下でオゾンが新型コロナを不活化することを実験によって確かめた奈良県立医科大学のグループに失礼だと思うんです。

なぜなら人体に安全だと考えられているオゾン濃度をはるかに上回る濃度のオゾンで奈良県立医科大学は研究を行っています。この医療ジャーナリストと称する人はご家庭で気軽にオゾン機器で宅急便の荷物を消毒しているようですね。

奈良県立医科大学が実験に使用したオゾン発生装置と密閉式のボックスを持っているのでしょうか?万が一、密閉式のボックスからオゾンが漏れてしまったら、人体に対する悪影響が発生する危険性が当然考えられます。

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エコデザイン株式会社 「オゾンの基礎知識」より

そのような危険が生じないために、奈良県立医科大学はオゾンの実験を安全キャビネット内で行っているのです。医療ジャーナリストと称する方の家には安全キャビネットが設置されているとは思えないのですけど。

もしも、家庭内に安全キャビネットが設置されており、さらに密閉式のボックスの中にオゾン発生装置をセッティングして、宅配便をオゾン消毒していたのであれば、私は全面的に謝罪します。

あの週刊現代でさえオゾン消毒を批判しています

医師の間では定評のあるトンデモ系医学情報や根拠のスッカスカな医療批判記事で有名な、安定の週刊現代さんと評価されている週刊現代系のウェブサイト記事でさえ、オゾン消毒に対しては疑義を呈しています。

今度はオゾン発生器? 消えない「新型コロナ感染症便乗商法」に要注意 (https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72690)

この記事はオゾンはフッ素に次ぐ猛毒であることを伝えつつ

高濃度になると呼吸困難や麻痺および昏睡状態になり、放置しておけば死亡する。慢性中毒では倦怠感や神経過敏など、神経の異常や呼吸器の異常をきたす。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72690

とオゾンの危険性を報じています。

のんきな医療ジャーナリストと称する方はこんなツイートをしています。

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どうしてもある一社のオゾン発生装置を推したいようですね。

これってかなり無責任な発言だと思います。新型コロナの多くは飛沫感染と接触感染によって感染拡大しているのです。

空間除菌的なオゾン消毒は新型コロナに効果があったとしたら、明らかに人体には危険。

さらに、接触感染の原因となる飛沫に包まれた新型コロナに対してオゾン消毒が有効であるかは、奈良県立医科大学の実験ではまったく証明されていません。

医療ジャーナリストと称する人にお尋ねします。「なにが今後の研究成果が楽しみなんでしょうか?」。

まっとうな会社のオゾン発生装置は不利益な事実が正直に記載されています

携帯用のオゾン発生装置がある、あるところでPCに接続して使うオゾン発生装置を使用している人を見かけた、との話が舞い込んできました。

たぶん、このようなオゾン発生装置のことなんだと思います。

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この商品の説明には

全てのニオイ・菌・ウィルスに効果があるわけではありません。

と明記されています。さらに

実使用空間での実証効果ではありません。

とも正直にユーザーに伝えています。

某医療ジャーナリストさんは、「自分が以前から推奨しているオゾン消毒機器はそこらのオゾン発生装置とは違うんだよ」と言いたいのでしょうね。

気軽にオゾン発生装置をご家庭で使用することは、今のところはお控えになったほうが賢明だと判断します。

次から次とトンデモ問題発言をする医療ジャーナリストと称する困ったちゃん。

伊藤隼也氏の新刊を読んでの感想は「絶句」。

伊藤隼也氏の新刊を読んでの感想は「絶句」。

未知のウイルスが故に対応が難しく不確かな情報・間違った情報・希望的観測・悲観的観測が入り乱れたカオスな状況です。ですが、明らかに間違った情報だけは明確にできます。医療ジャーナリスト・伊藤隼也氏による「新型コロナウイルスの本当の話」という本が出まして、その中身は医師としては取り上げずにはいられない危険な内容でした。

私はしっかり彼の新刊本を購入して、有言実行、生暖かく見守っています。

おまけ:新型コロナ感染症感染予防対策としてJRや阪急や阪神などの電鉄会社がヘンなことをやっています。

鉄道会社は大丈夫か?空気触媒を使って感染拡大防止?

鉄道会社は大丈夫か?空気触媒を使って感染拡大防止?

身近にあふれる「抗菌」の文字。抗菌は細菌の増殖を抑えるという意味です。ウイルスは細菌ではありません。新型コロナ対策として、電車を丸ごと抗ウイルス・抗菌加工するという鉄道会社のニュースがありましたが、一体どうやって???⋯セルフィールが抗ウイルス効果を実証したとのことですがオカシイと判断します。

次から次とでてきますね。消毒系感染予防対策、目が離せません。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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