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花粉症に効果ありとされるバナナには美白効果もあるって話をじっくり検証した結果⋯

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一昨日、昨日と連続して「バナナは花粉症予防になる」との話を検証してきました。バナナに恨みがあるワケではないのですが、あまりにもテキトーな情報がネットにあふれているので気になって仕方がないのです、余計なお世話ですけど。

バナナは花粉症に有効、だとしてもなんで美白効果があるのか?

花粉症に対する効果は「絶対ないわけではないけど、有効性を裏付けるハッキリした理論は無い」という結論に達しました。

バナナが花粉症対策になる、という話を見つけたサイトでは、さらにバナナは美白効果もある❗って内容になっています。タイトルは「見直しました!花粉症防いで美白も叶える⋯「バナナ」がスゴイ」 (美レンジャー)。しかし、タイトルに「美白も」と書いてあるのに、記事中では

バナナにはビタミンB、C、E、さらにポリフェノールなどの栄養も豊富に含まれるため、バナナをつぶして顔にパックすると、肌に直接それらの栄養を届けてあげられます。

バナナをフォークなどでつぶしてペースト状にし、そのまま肌にのせて15分ほどしたら、ぬるま湯で洗い流すだけ。小麦粉をプラスして固さを調整してもよいですし、ヨーグルトやハチミツを混ぜてもOKです。保湿効果もバッチリで、シミやしわにも効果的です。
またパックではなく、つぶしたバナナにオートミールを混ぜれば、手作りスクラブとして使うこともできます。

となっていて「美白」のびの字も出て来ないという不思議な記事です。バナナが「美白」ではなくて「美肌」効果がある、というタイトルなら記事の内容が間違っていようが、正確であろうが、あまり拘って考えなくてもいいのですけど。美レンジャーの記事内容とは別のアプローチで

バナナには美白効果がある

という説の検証を行ってみます。

多分、期待してたほど効果はないと思いますけど。

バナナ(ばなな)の栄養価と効能:旬の果物百科

バナナって品種改良をめちゃめちゃ繰り返しているんだけどね

バナナが健康にどれだけ貢献しているか、という話の前にバナナって人間が食べやすい「どうぞ皮をお剥きくださいませ」という形状が多くの人に愛される一因ではないでしょうか?また、バナナが大っ嫌い、って人は滅多に見かけません。

もともとバナナの原産地はアジアと考えらえていますが、その後中南米で食用として栽培され、現在に至っています。この甘くて、手を汚さないで、皮を剥く面倒もなく食べられるバナナって実はメチャクチャ品種改良が行われた結果なのです。現代科学であれば「遺伝子操作」に値する、人の手によって交配を繰り返して現在の万人に愛されるバナナが出来上がったという次第です。

非常に個人的な意見になってしまいますが、遺伝子組み換え食品が危険である、と多くの人が考えている現状が不思議でなりません。遺伝子を組み換えた農産物は生産量を上げることが目的だけでなく、いかに農薬を使用しないで害虫から守れるか、という目的もあります。つまり、遺伝子組み換え農産物の方が多くの自然食愛好家が恐れる農薬の使用量が少なくなる可能性も大きいのです。農家の歴史はいかに風害に強く、害虫に強く、さらに収穫量を多くすることを目的とした苦労・工夫の歴史でもあります。

バナナの場合は、大規模農園で工場での生産するがごとく作られていて、さらに巨大企業が独占しているのに、なぜか巨大企業陰謀説・巨大企業世界征服説(世界征服してどうするつもりだ??)を唱える陰謀論者が問題視しないのか不思議でなりません。多分、私のような人間も陰謀論に頭を占領されている人もバナナが好きだからかもです。笑

果たしてバナナは美白効果が期待できるか?

まずはネット上で見受けられるバナナの美容面での評価です。

◎青バナナのデトックス効果⋯未熟バナナは、難消化性デンプンが豊富なので体内の消化酵素で分解されにくく、小腸で吸収されずに大腸に届いて、乳酸菌等の善玉菌のエサになります。

しわ改善で肌美人より
ここに書いてある「デトックス効果」って何ですか?医学用語で解毒のことを「detoxification」と呼びますので、これを略して体内に溜まった毒素を体外に排出することを「デトックス」と民間健康法やエステティックで使用されていることは十分に知っています。(関連エントリー デトックスで毒素を排出しよう!って言っても、その毒素ってなんだい? 便秘は美容の大敵⁉毒素を出してデトックスのウソとホント
この記事に書いてある、消化されにくいデンプンが乳酸菌と呼ばれる善玉菌のエサになる、という話も多くのサイトで出回っていますが、この検証は今回は止めておきます(これ以上、女性ファンを失いたくないので 笑)。

このサイトの記事内容から察するに「便秘を改善すれば、体調もよくなり、お肌の調子もよくなる」というありふれた(医学的な賛否はここでは無視)流れで「バナナは美肌効果がある」ということになっているんですね。

こんな記事もありました。

バナナの基本栄養素について
ビタミンB1・B2・B6・ナイアシンなどの「ビタミンB群」が豊富に含まれています。
カリウムやマグネシウムといったミネラルや食物繊維も、ほかの果物と比べて、多く含まれています。また、コラーゲンの生成をサポートして、美白効果もある「ビタミンC」も豊富

1日1本食べるだけで美しくなる! お手軽フルーツ「バナナ」のすごい美容効果に注目より
確かにビタミンB群はお肌の調子を整える働きがあります。つまり、バナナは美肌効果が期待できる、というのは間違いではないのです。しかし、バナナが「美白」を発揮していると考えられている根拠ってビタミンCが含まれているから、とうレベルなんですね。

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All about より
これを見る限り、バナナにはビタミンCが豊富、とは言えないような⋯。

ビタミンCの抗酸化効果によってエイジングケア的な利点はあるのかもしれませんが、バナナで美白という考え方は少々無理があるようです。

結論 バナナの美白効果はあまり期待できない⋯美味しいけどね

ビタミンCが豊富な果物はバナナ以外にも多数あるります(関連エントリー フルーツは薬になるくらい健康的な食べ物です!でも「果糖」は悪者です) 。バナナのいいところは、とにかく皮を剥く面倒な作業を必要としない、食べて美味しい、高栄養価である、柔らかいのでお年寄りでも小さな子供でも安心して食べられる、などではないでしょうか?食事は毎日毎日繰り返されて、生命の維持というシビアな目的以外に健康や美容にも影響を与えますので、関心が高くなっても当然の話です。

しかし、極端にある食品に過大な期待を持つ、という今の風潮ってなんだか変じゃありませんか?食事は孤食でも、友人家族とでもいいですから、生命の維持以外に単純に美味しいから、お腹が空くから食べる、毎日のものだから気をつける点は気をつける(全部中国産だとそりゃかなり危険です)、こんな程度の意識で十分だと思うのですけど⋯いかがでしょうか?

関連エントリー おヒマな方はこちらもどうぞ
バナナは花粉症に効果がある⁉さらに美白効果って話をじっくり検証してみました その1 根拠となった論文の問題点
バナナは花粉症に効果がある⁉さらに美白効果って話をじっくり検証してみました その2 有効成分は何?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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