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ふぐり日光浴???どこからどう見ても健康に良いわけないじゃん!!

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全く科学的な根拠が無さそうな健康法がある一方で、トンデモ健康法をもっともらしい医学用語を駆使して効果効能を訴求する面々がいます。

ふぐり(医学用語は陰嚢。睾丸、きんたまとも呼ばれる)日光浴なる健康法があるんだそーです。

ふぐり日光浴

霊峰富士山を見ながらふぐり日光浴を堪能する私だよ(笑)。

ふぐり日光浴は肛門日光浴の亜流か?

2019年末に「肛門日光浴」というトンデモ健康法がネットを中心として話題になりました。

インスタで拡散している「肛門日光浴」は久々の大型トンデモ医学案件です(笑)

インスタで拡散している「肛門日光浴」は久々の大型トンデモ医学案件です(笑)

強烈すぎてインスタ映えと呼んで良いのかわからない「こうもんにっこうよく」。SNSで大きな話題となりましたが、その奇抜さや世界観?はさておき、普段日光にさらされることのない人間の肛門、はたして日光に晒して良いのでしょうか??医学的な視点から検証してみます(笑)お尻のではなく肩の力抜いてよんで笑ってください。

私のブログを見かけたAbemaから解説の依頼があり、よんどころない事情にてスタジオ出演は全てお断りしてきた基本原則を破ってしまったことも古い記憶となりました。

Abemaでニセ医学を語る桑満おさむ

https://times.abema.tv/articles/-/7032482

そういえばこの時にご一緒した鳥集徹(とりだまりとおる)氏はその後、どのような出来事がきっかけなのかは不明ながら完璧なる反ワクチン方面に向かわれました。

「ふぐり日光浴」とは如何なるものか、既に複数周回遅れではありますけど、泌尿器科医桑満おさむとして真摯に取り上げて、その効果・効能及びメカニズムを解明してみたいと思います。

突如出現した「ふぐり日光浴」

私は2022年初頭からよんどころない事情によりブログ記事はもとより、出版社からの原稿依頼及び新聞社の取材協力等さえ対応ができない心理状態にあり、ネットもほとんど見ないしSNS発信もかなり控え目な時期に、盟友山田ノジルさんのこのようなTweetを目にしました。

画像

https://twitter.com/YamadaNojiru/status/1516954860272648192

泌尿器科を専門とする私としては、

ふぐり日光浴へのツッコミ

トンデモウォッチャー界の名文家の山田ノジルさんにこのようなレスを頂いたら放置するわけにはいきませんものね。

余裕のない理由の一つであった「Effectiveness of mRNA COVID-19 vaccines against symptomatic SARS-CoV-2 infections during the Delta variant epidemic in Japan: Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) 」(PMID: 35438137)もやっとこさ権威あるClinical Infectious Diseases に掲載されて歓喜していたのも束の間、ふぐり日光浴の初出記事である「カラパイア」のチェックを開始しました。

テストステロンを増加を狙っての健康法

男性が男性である所以のホルモンであるテストステロンの増やすことを目的としているようで、カラパイアでは「ふぐり日光浴で男性ホルモンを!」との小見出しが付けられています。

その言い出しっぺはこの方。

ふぐり日光浴考案者

https://twitter.com/RonFilipkowski/status/1515817464533291018?s=20&t=b-SK0KJsAOfrDV0L3MJGXA

「bromeopathic therapy」を考案した人らしいのですが、泌尿器科医界隈ではワールドワイド的に、「誰だ、こいつ???」レベルの特殊な界隈での権威っぽいですね。

ふぐり日光浴の裏事情

ふぐり日光浴の普及を図っている方々の思惑は現代の男性が男性らしくないことを懸念して古い言葉で表現すれば、「男はマッチョであるべき」との固定観念から脱却できない方々と考えられます。

このトンデモ健康法を取り上げたFOXニュースはテストステロンの減少が原因となって、世の中でリベラル派が増えているとの論調を以前から伝えていましたっけね。

ふぐり日光浴の理論的背景“bromeopathic” therapy とは?

ふぐり日光浴は「bromeopathic therapy 」を理論的背景としていることが「InsideHook」(https://www.insidehook.com/daily_brief/health-and-fitness/testicle-tanning-testosterone-tucker-carlson)などによって知ることができます。

この「bromeopathic therapy 」を複数の医学論文データベースによって検索しても見つけることができません。波動医学等のトンデモ系ニセ医学が論文化されていないのと同じ状況ですね。

睾丸を日光に晒すことによる効果・効能、というより弊害

なぜ睾丸は陰嚢に包まれ身体の外部にぶら下がって出ているのでしょうか?とのそもそもの理由を説明する必要が泌尿器科医である私としてはあります。

「停留睾丸」と呼ばれる病態があります。睾丸がしっかりと陰嚢に包まれて身体の外部にぶら下がらない状態であり、精子を形成するにあたっては非常に不利益であるために、「精巣固定術」という手術を行う必要があります。さらに、睾丸が十分にぶら下がらないと将来的に悪性腫瘍が発症してしまうことも知られています。

睾丸が身体の外部に存在するべき理由は体温より睾丸は低く保たれることが必要であることは泌尿器科医のみならず医学常識であり、一般の方もご存知だと思います。

ダーウィン賞獲得確実でしょうね!!

ポリコレ等の影響ゆえにあまり知られていないプライズとしてダーウィン賞(Darwin Awards)というちょっとおふざけな賞があります。ダーウィン賞を受賞するために必要な要件は、

驚くべき愚行自ら自然淘汰を行うこと

です。陰嚢を日光に晒すことは皮膚がん等の発生を促すばかりではなく、精子を造成する能力を阻害して子孫を残すことが困難になりかねません。

以上より、ふぐり日光浴をダーウィン賞に輝く愚行である、と結論して差し支えないと判断します。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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