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インスタで拡散している「肛門日光浴」は久々の大型トンデモ医学案件です(笑)

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強烈すぎてインスタ映えと呼んで良いのかわからない「こうもんにっこうよく」。SNSで大きな話題となりましたが、その奇抜さや世界観?はさておき、普段日光にさらされることのない人間の肛門、はたして日光に晒して良いのでしょうか??医学的な視点から検証してみます(笑)お尻のではなく肩の力抜いてよんで笑ってください。

笑うしかない、肛門に日光を30秒浴びさせる「肛門日光浴」健康法

ネットには時々ヘンテコな常識的に考えてありえない健康法が紹介されることがあります。

ニセ医学と呼ぶほど悪質ではなく、笑い飛ばせるようなものを「トンデモ」と私はできる限り使い分けているつもりです。

今回、久々の大型トンデモ案件が登場しました。

肛門に日光を浴びさせる「肛門日光浴」というトンデモ❗

Forbes 2019年12月2日 インスタで謎のブーム「肛門日光浴」に効果はあるのか?という記事を目にした方も多いのでは無いでしょうか?

肛門に日光を当てると免疫力が増大するというデマ

https://matome.naver.jp/odai/2157499093805213101/2157499371606097703

どうみてもトンデモさん達に強く支持されているっぽい、「肛門日光浴」の功罪について検証したいと存じます。

肛門日光浴の効果・効能はこれらしいのですが⋯

肛門日光浴の効果・効能は私がネットで拾い集めたところ

  • 肛門粘膜に30秒日光を浴びせると一日日光浴をしたのと同じ効果がある
  • お尻全体を日光に晒すことになるので、日光が当たる面積が増えてビタミンDを吸収しやすくなる
  • 肛門日光浴は体のエネルギーを高める
  • 肛門のバクテリアを減らし痔の治療に役立つ
  • 睡眠が改善され、朝のコーヒーを止めることができた

などなど、アッチ方面の方々が怪しげなトンデモ医学というか、ニセ医学方面の効果・効能に終始しているようです。

ある程度科学的・医学的にありそうなのが「ビタミンD」の話だけだと思われますので、日光浴とビタミンDの関連性について考えてみますね。

肛門日光浴で健康を害するリスクも多数

皮膚が日光に当たることによって体内でビタミンDが作られます。

日光の量が足りないとビタミンDの生成量が減り骨が弱くなることは信頼できる医学的な常識と考えて間違いありません。

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デイサービスセンターなごやか 「手のひら日光浴健康法」(https://www.nagoyaka-link.co.jp/club/ouji/newsview/?id=20768)

骨粗しょう症や筋力低下予防として手のひらに日光を浴びさせています。よかったよね、肛門日光浴の風景じゃなくって。

ビタミンD関連としては、筋肉の強度を高める、不足するとがんのリスクが高まる、不足すると心臓の病気のリスクが高まる、認知症とも関連しているかも、など諸説ありますが質の高い医学論文でそれらが強く肯定されているわけでは無い点にご注意くださいね。 一方で日光をむやみやたらに浴びることは様々な病気の原因になることが知られています。
  • 日光角化症のリスクのリスク増加
  • 皮膚がんのリスクの増加
  • シミやシワが増加するリスク

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環境省「紫外線による健康影響」(https://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/02.pdf)より

日光を浴びることが健康に良いとしても、浴びすぎると病気や老化のリスクを増加させてしまいます。美容的には日焼けは百害あって一利なし、とも解釈されています。

日光浴はそれなりに健康に貢献しているのは間違いなくても、なんで肛門に直接日光を浴びせなければならないかを合理的に説明するのはかなり難しいんじゃないのかねえ、ホリスティック医療の権威らしいTroy Caseyさんのインスタ

このオッサンのインスタがネット民に好まれて拡散したとは思えないですが、今回の騒動の発火点となったのはハンドルネーム「MetaphysicalMeagan」さん。

インスタグラム@metaphysicalmeagan

インスタグラム@metaphysicalmeaganより

このお嬢さんの肛門日光浴姿に関しては自粛させていただきます笑。

肛門日光浴による健康被害はまだまだ理論的に考えられます。まあ、少なくとも日本で流行するとは思えないので、不利益な点の指摘はこの辺りでやめておきますね。

肛門日光浴は科学的・医学的な裏付けは無い、トンデモと認定いたします

久々の大型トンデモ案件に遭遇することができて、うれしい限りです。ニセ医学にしろトンデモ医学にしろ、世界的にみてみるとどうしても周回遅れ気味の我が日本国。

肛門日光浴がFacebookであれ、Twitterであれ、インスタであれ既に拡散されて、勘違いした方面の方々の大股びらき画像によって地獄絵図状態になっていないことを祈ります。

日光浴によってビタミンDの合成を促進するために、わざわざ下半身あるいは全裸になって肛門をお日様に当てる合理的な理由はどう考えてもありません。

万が一、肛門の粘膜が他の皮膚や粘膜より日光の吸収性が高いことを証明したいのなら、臨床実験はそれほど難易度の高いものでは無いはずです。

また年齢や性別や人種によっても肛門に日光を浴びせさせる時間は違ってくるとも考えられます。

国立環境研究所 地球環境研究センターでは「ビタミンD・紅斑紫外線量情報」を提供しています。

ビタミンD・紅斑紫外線量情報

どうしても肛門に日光を浴びせたい、とお考えの方はこれらをご利用いただいて科学的に肛門日光浴をお楽しみください(当方は健康上の被害等に関しては一切責任をおいませんけどね)。

公衆の面前で独自の理論にしたがって下半身露出して肛門を日光に晒していたら、多分なんらかの刑法等で罰せられちゃう可能性もありそうです。

断言します❗肛門日光浴は健康法ではなく儀式です

キレイなお姉さんの肛門日光浴姿の画像は目を引くでしょうけど、言い出しっぺが真っ裸で股を開陳したオッサンであったのならここまで肛門日光浴は拡散されなかったのでは。

トンデモやニセ医学にご興味がある方、こんな本を出しましたのでよろしければどーぞ。

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出版社の書籍紹介ページ http://www.ikuhosha.co.jp/public/introduction08305.html

お近くの本屋さんにない場合は取り寄せるか、電子書籍版もありますのでAmazonななどでお買い上げいただけると非常にうれしいです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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