モーニングショー玉川徹さん、データを尊重しつつ統計や計算は苦手と判明。

更新日:

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターである玉川徹さんは数字を持ち出して、一見論理的はお話をされている、と感じている視聴者も多いのではないでしょうか?

しかし、発言内容にツッコミを入れたくなってしまう、うるさ型のオッサンも少なくありません。

玉川さんの意見は結論ありきです。残念ながら玉川さんはデータの解釈方法や計算自体が苦手なようです。

モーニングショー玉川徹さんには騙されちゃった

専門家が多忙でコメントする余裕が無かった時に声がかかり、その独特なキャラが受けて芸風を確立したどこかの医師じゃない大学教授は、気にならないくらい耐性がついた私です。

一方でまさかのこの人は真剣にこんな意見を持っているわけじゃなくて、一社員として受けを狙っているを解釈していたテレビ朝日モーニングショーの玉川徹さんだったのですが、

玉川徹さん、マジで全く数学的センスがないことに驚かされました。

画像

2020年7月23日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川さんの勇姿。今日もヘンなことを言っていないか、後ほど録画をチェック予定

本年3月に玉川徹さんが、PCR検査の感度が低いことに対して、検査を繰り返せば感度が上がるとの発言を耳にして、「まあ、医師じゃないので感度についてあまり知らないのだろう」と大人の解釈をしつつ、ひょっとして玉川徹さんは確率や統計について詳しくないかもしれないとの疑念を持ちました。

私の玉川徹さんへの疑念、先日確信に変わりました。

玉川徹さん、統計や確率は全く理解していないじゃん❗

データしか拠り所が無いとおっしゃる玉川さん自身がデータを読み取れていない

玉川さんは「データを基にして話をすすめるしかない」的な発言を繰り返しています。数字に弱い視聴者の多くは「玉川さんって知的〜❗」と判断しているかも知れません。私が玉川さんのことを、「この人はそもそも統計学を全く理解していない」と強く感じたのはこのような発言があったからです。

東京の感染者の棒グラフに関して、「左右対称で正規分布と言うんです」と爆弾発言をしたのです。正規分布という専門家風の言葉を発する玉川さんを、さすが京都大学卒業の知的な人、って感じ取ったひともいるのでは無いかな。

正規分布とは受験の目安にする偏差値と深い関係があります。私が知っている正規分布はベルカーブと呼ばれる曲線を描くものであり、グラフはたしかに左右対称になります。

画像

https://bellcurve.jp/statistics/blog/15344.htmlより

でもさあ〜、玉川さん、左右対称のグラフだから正規分布じゃないんだよ。 例えばデータが二等辺三角形を描いたら正規分布?

正規分布は平均値と最も頻回に現れる数字と中央値が一致するという不思議な現象です。正規分布は別名ガウス分布とも呼ばれて高校の数学で習うはずなんだけど。玉川さんは国立大学の理系卒業とのこと、受験勉強で間違いなく学んだはずなんだけどなあ⋯。

感染症者数は必ず正規分布を描く???

私は出勤途中の車のナビで聞いた、玉川さんの爆弾発言に反応して急ブレーキを掛けそうになりました。前後して玉川さんは、「感染症者数は必ず正規分布になります。だからこの感染者数は増加します」的な驚くべき発言をしたように記憶してます(詳細がちがったらごめんなさん)。

東京都の感染者数のグラフ、これって正規分布に見えないのは私が老眼だからでしょうか?

画像

一見、中央が高くなった山型のグラフは正規分布のように見えても、2つの山がある正規分布なんて見たことないのですけど⋯。

そもそも、感染者数は日々の積み重ねであり時系列として変化しているデータを正規分布で読み取ってしまう玉川さん、ちょっと強引だぞ。

玉川さんのPCRへの理解度の低さを再確認

一部ではPCR真理教とも呼ばれているモーニングショーの面々。まるで体温計で体温を測れば発熱者が減ったり、解熱しちゃうような考え方は改めて欲しいです。

例えば、玉川さんはPCRの感度が70%であることの憤慨して、そのような感度になってしまうのは検査する人の腕が悪いとの爆弾発言もしてます。なるほど、感度は検査する側の問題なんだ、と思い込んでしまった人もいるでしょう。モーニングショーに登場する人は根性や気合でPCRの感度が高くなるの考えで一致しているようです。

経済を優先しないで、国はリーダーシップを発揮してPCRの感度や特異度を高めろ⁉

経済を優先しないで、国はリーダーシップを発揮してPCRの感度や特異度を高めろ⁉

国が優先すべきは、経済ではない!リーダーシップを発揮してPCRの感度や特異度を高めろといういわゆるPCR推進派の主張をPCR慎重派は理解できないので永遠に分かり合うことはなさそうです。推進派は検査すること・検査する側の人たちを重視し、慎重派は、検査を受ける人を大切に考えているので、視点が違います。

こんなヘンテコな発言をする医師も。

以前モーニングショーでなかばレギュラー化していた医師はPCRは繰り返し行えば感度が上がるとの爆弾発言をしています。PCR検査の感度そのものは何回繰り返しても変化することはありえません。さらに、PCRをやりまくれば以下のような問題も出てきますぜ。

一回目のPCR検査で陰性と判断された人が二回目のPCR検査で必ず陰性と判定されるとは限らないよ。

感染していない人を正しく陰性と判断する割合を特異度と呼びます。特異度が90%の検査を同じ人が10回繰り返し受けた場合の計算は0.9の10乗ですよね、玉川さん。0.9の10乗は0.3486⋯・・約34.9%、34.9%の人は10回連続で陰性、つまり感染していないと判定されます。

ってことは、

残りの65.1%の人は10回検査を繰り返すと、一回は少なくとも陽性と判定されることになっちゃうのですけど。

いやー、玉川さんのデータ尊重しつつ強引に結論に導く話法は演出上のキャラだと大人の解釈をしていた私が馬鹿でした。玉川さんって統計や確率はもちろんのこと、掛け算レベルで難のある人だったようです。

モーニングショー問題関連ブログ、ひとまず関わるの止めます。

【モーニングショー】検査拡大阻止の理由は、「人権問題になるから」は大間違い❗

【モーニングショー】検査拡大阻止の理由は、「人権問題になるから」は大間違い❗

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」は検査拡大推進派の急先鋒です。検査を抑制しているのは、偽陽性者を隔離することが、人権問題となり裁判になることを恐れている厚生労働省の陰謀である、とモーニングショーは考えています。むやみやたらな検査を行うことに、まっとうな医師が批判的な、どなたでも分かるようにお伝えします。

こんな陰謀論的な話にしてしまうのですから⋯

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

Affiliated Medical Institutions

主な提携医療機関

一般診療
診療日
月・火・水・金
9:30~12:30/15:00~18:30

土 9:30~12:30
休診日
木・日・祝
受付時間
9:00〜12:15/14:30〜18:15

泌尿器科・内科・形成外科

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7000

美容診療
診療日
月・火・水・金・土
10:00~18:30

※完全予約制です。ご予約はお電話ください。
休診日
木・日・祝
受付時間
10:00〜18:30

美容外科・美容皮膚科

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7015

© 2023 医療法人社団 萌隆会 五本木クリニック