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「波動測定装置メタトロン」はトンデモ系ニセ医学なのか?未来を救う医療機器なのか?

トンデモ医学である波動医療、このニセ医学の検査や治療で使われるのが「メタトロン」という波動測定装置です。

メタトロンの歴史を知れば波動医療が限りなく疑似科学を駆使したポンコツであることが理解できると思います。

波動医療・波動医学の必需品「メタトロン」とは

昨日は「波動医療」あるいは「波動医学」という限りなくトンデモ系ニセ医学の基礎知識に関してブログ記事を書きました。

この波動信奉者は医師の中にも混入しています。私はどこをどのように考えても波動医学はまっとうな科学に基づいた医学・医療とは思えないのですが、なぜか医師でも信奉者がいて日々の診療に役立てているようです。

波動系のお医者さんが診断に使い、治療にも使用する医療機器風のトンデモマシンが「波動測定装置メタトロン」です。

現代医療を根本から帰る可能性のある画期的な波動測定装置メタトロンはどのようなことがきっかけで開発され、未来を救う近未来医学の基本となると期待されているのか(えーと、期待しているのは極々少数ね)、メタトロンへ至る長い長い、波動理論に基づくメタトロンは一時期はロックフェラーなどの巨大陰謀組織に叩きのめされても生き残り続けてきたのかを考えてみたいと思います。しかし、自分たちの考えが上手くいかないと巨大陰謀組織に闇に葬られたとの説明はオールマイティーな言い訳だけどね(笑)。

https://nozomiam.net/metatron-session201810/

私が最近見たメタトロンはもう少しコンパクトだったような気がするけど、類似品があるのかな?

メタトロンに至るまでの波動測定器の長い長い歴史

前回のブログ記事で紹介しました船瀬俊介氏(医師でも医学の研究者でもない消費者運動家と思われる)の著作「未来を救う『波動医学』」(共栄書房 2017年初版)を参考にメタトロンなる機器はどのようなものであるかを説明してみます。

  • アルバート・エイブラムス氏(Albert Abrams)がラジオニクス(Radionics)治療という治療法を開発しました。これは健康な人と病気の人を導線で繋ぎ、健康な人を打診すると病気の人と同じ打診音が見られたことに端を発するものでその導線に可変抵抗器をはさむと抵抗値の変化で病名がわかるという大発見だったよーです。これを「オシロクラスト(Oscillo Clast )」と命名して治療にあたったのですが米国医師会から迫害を受けたとのこと。このラジオニクス理論に基づいて治療をしていたルース・ドラウン氏(Ruth Drown )は医師法違反で逮捕されています。
  • レイモンド・ライフ氏(Raymond Rife、1933年に6万倍の光学顕微鏡を発明したと称する人物)が16人の末期がん患者を全員完治させました。その治療方法はがんを作るウイルス(船瀬氏はウィルスと表記)の姿を可視化させるために波動の共振・共鳴技術を利用したもの。残念ながらその実績は医薬品業界に圧殺されてしまったそーです。
  • パウル・シュミット(Paul Schmidt)氏(削岩機の製造会社の経営者)が臨床成績85%をドイツ波動健康法を発見・開発してその仕組をバイオ・レゾナンス(Bio-resonance)理論とぶち上げました。これは生体共鳴法とよばれていていて、1962年に生体波動の乱れを治療する波動医療装置「レヨメーターを開発したそーです(Paul Schmidt氏について書かれた「Bioresonance According to Paul Schmidt」では「the Rayonex analysis and harmonising system」となっているけどね)

まだまだ続くけどこの辺りにして話を進めます。

※波動医療の偉人(?)たちの名前は船瀬氏の著作ではすべてカタカタ表記であり、英語表記は私が苦労してネットで検索して見つけました。また波動測定器も船瀬氏はカタカナ表記だったので、これまた私が徹底的にネットで検索したり英文の原著をAmazonで購入したものを参考としています。

闇の巨大陰謀組織に迫害された波動医療の悲しい歴史

こんな感じの流れで迫害を受けた波動医療の測定器や治療機器ですが、その後様々な流派が出現して(全部書くとめっちゃ長くなるので省略)、旧ソ連でメタトロン(Metatron)という波動測定・波動調整器が発明されたそーです。

ちなみに波動医療や波動測定器を屈指した人々は医療独占を狙ったロックフェラーやロスチャイルドなどの世界征服を目指す巨大陰謀組織にことごとく潰されてきたそーです。

波動医学が迫害されたとか、波動測定器や波動治療機がまっとうな医学界で認められないのは巨大陰謀組織の圧力だと船瀬氏は嘆いていますが、そもそも医師法違反であったり、当時でさえめっちゃ非理論的な仕組みのガラクタだったから、思うのは私だけでしょうか?

メタトロンを仕組みは嘘発見器と同じ

メタトロン類似商品でバイオセンサーアナライザーというものがあり、これはMRA (Magnetic Resonance Analyzer) として、トンデモ疑似科学である「水からの伝言」を証明するために使用されています。実際に医療現場で使用する核磁気共鳴画像法 (MRI) を利用して血管を見ることのできる医療機器Magnetic Resonance AngiographyもMRAと略されますので注意が必要です。

波動測定器である、つまり疑似科学のMRAを手に入れて解体してしまった人がいます。名著「超科学 こう使う・こう遊ぶ―不思議大好きテクノロジーの世界」の著者多湖敬彦氏はMRAを解体して出した結果は、皮膚抵抗測定器つまり、嘘発見器でした。

アルバート・エイブラムス氏が発明したラジオニクスも同様に可変抵抗器を直列につないだだけのもの。

「超科学 こう使う・こう遊ぶ―不思議大好きテクノロジーの世界」P106より

※多胡敬彦さん、この図の使用が著作権等に抵触するようでしたら御一報ください。

メタトロンの原理を量子力学や熱力学第二法則で説明してもねえ

このようなウェブサイトもありますので、メタトロンはいまでもそれなりに売れていることが理解できます。

https://metatron-jp.com/より

メタトロンの説明として

量子物理学(力学)の重要な法則に「熱力学第二法則」があり、それを構成する公理のひとつが「エントロピー増大の法則」であり、メタトロンにおける心身の計測に重要な役割を持ちます。

と書かれています。

またまた物理学用語が出てきました。エントロピー増大の法則は「熱力学第二法則」は高校の物理で習うはずですが、簡単に説明すれば「低音物体から高温物体に熱を移すことはできない」ってことです(参考 チャート式シリーズ「新物理」などによる)。

お湯を放置しておけば水に変化します。水を置いておいて何も手を加えなければお湯になることはありません。

これが熱力学第二法則が一番理解しやすい説明だと思います。

なんでエントロピー増大の法則がメタトロンの基本理論と関連しているのか、だれか説明してくれないかなあ。なぜ波動が乱れることが熱力学第二法則と関係していて、それを測定するメタトロンが量子力学と関係していたり、人体臓器のあるか無いか不明な固有振動と関連しているのでしょうか???

確かに熱力学第二法則を量子力学で説明する研究が行われています。しかし、これはニュートン力学の考え方に対する量子力学からのアンチテーゼであり、最終的には熱力学第二法則を量子力学的なアプローチで理論上説明できること解説しているものです。

「Fluctuation Theorem for Many-Body Pure Quantum States」(Phys. Rev. Lett. 119, 100601 )

この研究論文をもとにメタトロンのメカニズムを説明してくれる人がいたらメタトロンの効果を0.0001%くらい信用してもいいけどね、もちろんほんちゃんの物理学者をこっちは同席させるけど。

メタトロンは中国でも販売されているようですね。

「澤康生物科技(Ipp Metatron大中華區經銷代理)」のFacebookより https://www.facebook.com/IPP.TK/posts/518449765024971/

この波動測定器「メタトロン」を駆使して現代医学では治すことのできない病気を治している、と主張しているお医者さんの活躍についてブログ記事を書く予定しています。お楽しみに!!

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

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