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「タレント女医、診療報酬不正請求で逮捕」考え込んでしまった⋯。

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タレント活動・芸能活動をしている医師が増えています。健康情報関連のテレビ番組がニーズとしてあるので、適切なコメントをするために専門家として医師が登場するのは良しとしても、お笑い番組系に出演している医師って診療しているの?と疑問もわきます。

タレント活動してもいいじゃん、とも思ったけど診療報酬不正請求はマズい

医学部は定数があるから医師になれる人数も決まっています。作家の北杜夫、加賀乙彦、渡辺淳一など医師免許を持ちながら、多分診療は行っていない人がいる⋯限られた医師の数なんで、これって医師不足問題の小さな原因の一つかもしれません。

しかし、文豪森鴎外は軍医としての仕事もしっかりとこなしていたし⋯テレビに出まくっていてもしっかり仕事をされている方もいるはずです。

診療報酬の不正請求でいきなり逮捕って、普通は無いです

医師の診療報酬の不正問題が大きくマスメディアに取り上げられます。普通は怪しげな診療報酬があると保険診療代金を支払う機関からお尋ねがあります。さらに高い診療報酬を複数回、常習的に請求すると個別指導と言って呼び出されてレセプトごとに詳細な説明を求めらます(ここのシステムは医師の方、医療機関の方、単純化していることをご了承ください)。

タレントで医師の女、診療報酬詐欺で逮捕–日テレNEWS24

http://www.news24.jp/articles/2016/03/09/07324329.html

モザイクかけているよね、名前消しているよね、と心配しながら画像アップ。テレビでこの方を拝見したことはないですし、私と同じ目黒区で開業していたそうですが医師会でもお目にかかったこともないし、クリニックの存在すら知らなかったです。

単なるうっかりミス(以前、生理食塩水1000本って請求した医療機関を悪質って書いていた医療ジャーナリストいたけど、どんな悪質な医師でも生食1000本でインチキしないだろう)で余計な診療報酬を請求してしまった場合は医療機関から支払基金に連絡してレセプトの返戻を行います。以前は医師会でレセプトをまとめてチェックして、それから支払基金に請求するシステムもありました。レセプト一枚一枚プリントしてチェックする非能率的な作業でしたが、うっかりミスを発見する効果もありました。

現在では電子カルテを使用すると、レセプトもレセコンが自動的に計算してくれます。ちょっと前までフロッピーディスクを使用していた電子化が遅れていた日本の医療をお笑い下さい。怪しげな診療報酬は数段階でチェックされるシステムであり、警告も出されるのにいきなり逮捕ってかなり珍しい事件です。

医学部受験システムの問題点

医師になりたい情熱を持っていても、家庭の経済事情が許さない場合もあります。そのため国公立の医学部があるのですが、あまりにも安い授業料がマスメディア(例の新聞系)が批判をしたことによって今ではかなりの高額になったようです。

ちなみに私は横浜の公立の医学部を卒業しましたが、年間の授業料は10万円そこそこでした❗(昭和初期じゃないですよ)

当時の私学の医学部は物価の上昇を考慮しても今とほとんど変わらなかったんじゃないかな?当然、私立の医学部に入るには経済的に恵まれた家庭でないと不可能でした。自由経済の大原則「神の見えざる手 (?) 」によって安い授業料の医学部は難関校に当然なりました。医療を行う上で膨大な知識が必要となる時代を迎えて、高い授業料の私学も未来に備えて授業料をかなり減額したことにより、以前よりは私立の医学部入学も一般サラリーマン家庭でも不可能ではなくなりました。

経済的な問題で医師になれない、との状況はある程度は改善されています。

医師の兼業なら許されても、専業的な活動はどうなのか?

芸能活動を専業的に行う医師がいる、作家活動を専業的に行う医師がいる⋯実際の医療に携わる医師数が減ることになりますよね。医師免許を持って議員活動をしている方も多数います。芸能活動・政治活動に時間と労力を割いて医師活動をするには森鴎外くらいの知識と頭脳と体力が必要なはずです。となると、どちらかの業務が中途半端になるんじゃないかと、常人である私は悩むんです。

もし、芸能活動・政治活動が専業になるのなら、医師免許を返還するって方法もあるんじゃないでしょうか?その分を振り分けて翌年度の医学部定数にプラスする。医師の適正数を常に考えているはずの厚生省さま、いかがでしょうか、こんなアイディア?

たった1点で優秀な人材を失っている可能性のある日本の医師事情

受験はたった1点で合格・不合格が決まります。いかに優秀な人材を確保するかが医学部の将来の発展あるいは存続に大きく影響します。単に勉強だけできる人をチョイスしてしまう傾向を防ぐために、通常は二次試験では面接という関門を設定しています。

この選別をしてもその学生が将来不正請求をしちゃうとか、幼児にいたずらしちゃうとかは予想できません。

芸能活動をしながら、しっかり医療に貢献する人もいるでしょうし、医療そっちのけで芸能活動をする人になることも推測できませんよね。何か良い解決方法ってないのでしょうか?1点の差で不合格になった学生の中にも人間性として優れていて、医療に貢献できる人材がいるはずです。

今回、たまたま「美人女医ホストクラブで豪遊」とのネット記事を見て、「これって美人か?」と素直にレスポンスしてSNSに投稿しちゃった私。その女医さんが診療報酬不正請求で逮捕、の報道を見てこんな思考を巡らせたことをメモ的にブログに残します、最近物忘れが多くなったので、と書きながら「認知症になった医師ってどうなるんだ」とまたもや思考を巡らせるお題が見つかってしまい、困った、困った。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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