ミラドライと剪除法、どちらが本当に自分に合う?当院が“剪除法”にこだわる理由と、ワキガ治療の真実

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「ワキガを治したい」と思ったとき、まず目に入るのが「切らない治療」として知られるミラドライ。一方で、保険適用される外科手術「剪除法(せんじょほう)」の存在は意外と知られていません。
果たして、本当に自分に合った治療法はどちらなのか――。
このページでは、形成外科の専門医の立場から、ワキガ治療の根本的な解決を目指すために知っておくべき「真実」と「選択基準」について、わかりやすく解説します。

ワキガは「体質」ではなく、医療で向き合うべき悩みです

「ワキガ=体質だから仕方がない」と思っていませんか?
たしかに、ワキガの原因には遺伝的な要素があり、自分ではコントロールできない部分が多いのが実情です。
しかしその一方で、においが原因で人間関係に支障をきたしたり、職場や学校で距離を置かれたりと、社会生活にまで影響するケースも少なくありません。

本人に自覚がないまま、周囲がストレスを抱え、知らず知らずのうちに「無言の排除」が起きてしまうことすらあります。
だからこそワキガは、単なる“においの問題”ではなく、生活の質(QOL)に大きく関わる医療課題なのです。

こうした背景から、国もワキガ治療を「美容目的の自費治療」とは考えておらず、剪除法(外科手術)に限って健康保険の適用対象としています。
それはつまり、「きちんと治療すべき疾患である」と認めている証拠でもあります。

ミラドライと剪除法、本当の違いを知っていますか?

「切らずに治せるワキガ治療」として注目されているミラドライ。
マイクロ波によって汗腺を熱で破壊し、施術後すぐに日常生活に戻れる点が人気の理由です。広告でもよく見かける治療法ですね。

一方で、剪除法(せんじょほう)は医師が実際に皮膚を切開して汗腺を直接確認・除去する外科手術です。手術後は数日間の圧迫固定が必要となりますが、高い効果と再発の少なさが特徴です。

では、ミラドライと剪除法には、どのような「決定的な違い」があるのでしょうか?
次のセクションで詳しく見ていきましょう。

ミラドライの魅力と、見落とされがちな限界

ミラドライは「切らない」「傷が残らない」「ダウンタイムが少ない」など、患者さんにとっての負担が少ないのが大きなメリットです。
初めてのワキガ治療として気軽に選ばれるケースも多くあります。

しかしながら、照射範囲にムラが出やすいことや、医師が汗腺を直接確認できないという構造上の問題から、効果に個人差が大きく、再発するケースも少なくありません。

特に、ワキガ症状が中等度以上の方にとっては「完全には改善されなかった」「再度受けることになった」という声も聞かれます。
しかも費用は自由診療のため、1回あたり30〜40万円と高額で、再施術が必要になればさらに負担が増える可能性があります。

剪除法は「確実に治したい人」のための選択肢

剪除法は、形成外科医が目視で汗腺を確実に取り除く外科手術です。
皮膚を数センチ切開し、アポクリン腺・エクリン腺を丁寧に除去していくため、治療効果が非常に高く、再発も少ないとされています。

ダウンタイムとして5〜7日間の圧迫固定が必要ですが、「一度で確実に治したい」「もう悩みたくない」という方にとっては、根本治療として非常に理にかなった選択肢です。

さらに、剪除法は健康保険が適用される治療です。医師の診断により3割負担で受けられ、両脇での手術でも自己負担は4万円前後と、費用対効果に優れた方法でもあります。

当院がミラドライを行わず、剪除法にこだわる理由

当院では、あえてミラドライは行っていません。
理由はただひとつ、「確実に治療効果が得られる方法」を提供したいからです。

もちろん、見た目の問題や術後の生活を重視したミラドライの利点も理解しています。
しかし、患者さんが本当に望んでいるのは「においにもう悩まされない毎日」ではないでしょうか?

当院では、形成外科専門医と美容外科医が連携し、診断から施術、術後のケアまで一貫対応しています。
「機能面でしっかり治す」と同時に、「見た目もできるだけ自然に仕上げる」ことを大切にしています。

ワキガ治療で最も重要なのは、その治療が人生を前向きに変えてくれるかどうかです。
再発の不安を残すよりも、しっかり治して安心して生活できる未来を選びたい方へ――剪除法こそが、最適な選択肢であると私たちは考えています。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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