〜「皮脂を抑える」という少し違うアプローチ〜
当院では開業以来、長年にわたって
ニキビ治療・ニキビ跡治療に力を入れてきました。
それなりに評価もいただいていた…はずです。
(ここはあえて過去形にしておきます。諸事情により笑)
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ニキビ治療というのは実はとても奥が深く、
・外用薬
・抗菌薬
・ピーリング
・レーザー
・内服(イソトレチノインなど)
と、選択肢はいくらでもあります。
それでも、
👉「良くなったと思ったらまた出てくる」
という患者さんは少なくありません。
本記事の内容
■ニキビ治療の“見落とされがちな本質”
ニキビの原因はいくつかありますが、
臨床的に見ていて最も大きいのは
👉 皮脂です。
皮脂が増えると、
・毛穴が詰まる
・アクネ菌が増える
・炎症が起こる
という流れになります。
ここで重要なのは、
👉 皮脂を抑えない限り、再発は止まらない
という点です。
しかし従来の治療は、
・炎症を抑える
・菌を減らす
・角質を調整する
といった
👉 “結果に対する治療”
が中心でした。
■そこでマイクロボトックスという選択
今回当院で導入する
👉 マイクロボトックス(スキンボトックス)
は、この流れを少し変える治療です。
これはボツリヌストキシンを
皮膚の浅い層に細かく注入することで、
👉 皮脂腺の活動そのものを抑える
という作用があります。
つまり、
👉 「ニキビができてから治す」ではなく
👉 「できにくい状態を作る」
という発想です。
■エビデンス的にはどうなのか?
この手の治療は「流行り」で語られがちですが、
一応ちゃんと論文もあります。
レビュー論文では、
・皮脂分泌の低下
・毛穴の縮小
・肌質改善
といった効果が報告されています。
さらにメタ解析でも、
・脂性肌の改善
・肌の質感向上
について有意差が確認されています。
ただし正直に言うと、
👉 まだ“完成された治療”ではありません。
・症例数はそれほど多くない
・手技の標準化も途上
という段階です。
このあたりを曖昧にせずに伝えるのは、
医療機関として大事なところだと思っています。
参考文献:Microdroplet Botulinum Toxin: A Review(PMID: 35965899)
Efficacy of diluted botulinum toxin type A (Microbotox) in treatment of mild to moderate acne vulgaris(PMID: 39825998)
Carbon-Assisted Q-Switched Nd:YAG Laser and Microneedling Delivery of Botulinum Toxin: A Prospective Pilot Study(PMCID: PMC11346700)
などなど。
■ニキビ跡への位置づけ
ここは誤解されやすいのですが、
👉 マイクロボトックスは
👉 瘢痕そのものを削る治療ではありません
ただし、
・皮脂を抑える
・炎症を減らす
・肌質を整える
ことで、
👉 「これ以上悪化させない」環境を作る
ことができます。
つまり、
👉 “ニキビ跡を増やさない治療”
という位置づけです。
■どんな方に向いているか
臨床的には、以下のタイプに合います。
・皮脂が多くニキビを繰り返す
・Tゾーンのテカリが強い
・毛穴が気になる
・従来の治療で限界を感じている
逆に、
・深い瘢痕を劇的に改善したい
・強い変化を求める
という場合は、別の治療を優先します。
■リスクと限界
比較的安全な治療ですが、
・皮下出血
・軽い表情の違和感
・効果は3ヶ月前後
といった特徴があります。
また最も重要なのは、
👉 技術依存性が高い
という点です。
浅く・均一に打たないと、
👉 普通のボトックスの副作用になります。
ここは完全に“手技の問題”です(まあ、ここが専門医揃い踏みである当院の強みかな笑)。
■当院で導入する理由
今回この治療を導入した理由はシンプルです。
👉 ニキビ治療は「対症療法」に寄りすぎている
👉 しかし本質は「皮脂制御」にある
このズレを埋めるために、
👉 皮脂に直接介入する選択肢
として導入しました。
そしてもう一つ、個人的に大きな理由があります。
当院で一昔前にニキビ治療を受けて、
きれいに改善された患者さん。
その方々のご子息が、
👉 今まさにニキビに悩む世代として来院される
というケースが、ここ数年で増えてきました。
時間が経てば、
👉 悩みは次の世代に移る
これは当たり前のことかもしれません。
それでも、
👉 親のニキビを診て
👉 子のニキビを診る
という経験は、医師として少し特別なものです。
だからこそ、
👉 「一時的に治す」ではなく
👉 「繰り返さない設計」
がより重要だと感じています。
その意味で、
👉 皮脂そのものに介入するマイクロボトックスは
この流れに対して理にかなった選択肢の一つです。
■まとめ
マイクロボトックスは、
・皮脂を抑える
・ニキビの再発を減らす
・肌質を整える
という特徴を持つ治療です。
ただしこれは、
👉 「魔法の治療」ではなく
👉 “設計を変える治療”
です。
ニキビ治療で本当に重要なのは、
👉 一時的に治すことではなく
👉 繰り返さない状態を作ること
です。
当院では、そのための一つの手段として
マイクロボトックスをご提案していきます。
■最後に
美容医療はどうしても、
・強い治療
・派手な変化
に目が行きがちです。
しかし実際には、
👉 悪化させない設計の方が難しく、重要です。
そしてこの分野は、
まだまだ伸びしろがあります。
久しぶりに少し面白い領域に戻ってきたな、
というのが正直な感想です。
(過去形を現在進行形に戻せるかどうかは、これからですが笑)
👉 地域の中で、時間をまたいで同じ悩みに向き合う
そんな医療を、これからも続けていきたいと思います。