健康のためならサプリを飲むよりアスピリン!?

アスピリンは元祖痛み止めの西洋薬として知られていますが、低用量のアスピリンを服用することで様々な病気の予防になることがわかり、2020年から2021年にかけて世界を騒がせている新型感染症に対してもなんらかの影響がありそうです。

すごいぞ元祖血液サラサラのアスピリンの予防効果。

ヤナギの樹皮から抽出された有効成分であるアスピリンは古くて新しい薬といえます。ヒポクラテスの時代からヤナギの樹皮に含まれるアスピリンの有効性が利用されていました。

元祖痛み止めの西洋薬としてアスピリンは古くから処方されています。さらに低用量のアスピリンを服用することで様々な病気の予防ができるのではないかと、研究が行われています。。

2020年から2021年に世界中に流行したヘンテコな新型感染症の予防効果があるのでは、との論文が出てきました。

アスピリン服用者で新型コロナ🦠感染症リスク29%低下

「The use of aspirin for primary prevention of cardiovascular disease is associated with a lower likelihood of へんてこな感染症 infection」(PMID: 33621437)。

さらに

アスピリンで新型コロナ🦠感染症人工呼吸器装着44%低下

なんて研究結果も出だしています。ソース→ PMID: 33093359。

私はなぜか脳梗塞恐怖症で、サプリメントを服用するくらいの気持ちで、ここ10数年間低用量アスピリンを服用し続けています。果たして低用量アスピリンは新型感染症にも、いままで言われてきたように様々な病気の予防になるのかを自分の知識をブラッシュアップするつもりで再検証してみます。

低用量アスピリンで予防できると考えられている病気

低用量アスピリンで予防できると考えられている病気は以下のとおり。

  • 大腸がん
  • 認知症
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞

でも低用量アスピリンで予防できるとされている上記の疾患に対して、予防効果は無いし逆に副作用の方が怖いじゃん、との研究結果も出ています。

両論併記の重要さが再確認されているご時世ですが、病気に関しての両論併記は混乱が起きます。患者さんは「お医者さんによって言っていることが違う!!」と2020年から今現在まで混乱に混乱しているヘンテコな感染症のような事態に油を注ぐことになってしまいます。

低用量アスピリンが大腸がんの予防になるは両論併記状態

私は個人的には低用量アスピリンを服用することが大腸がんの予防になるとの説を信じ切っていました。しかし、低用量アスピリンを服用しても大腸がんの予防にはならない、とのそれなりに信頼できる研究結果もでています。

今年2021年に「Effect of Aspirin on Cancer Incidence and Mortality in Older Adults」(PMID: 32778876)という人騒がせな今までの常識に反する論文が発表されました。

この最新の医学論文は低用量アスピリンを服用しているとがんの進行を早める可能性がある、とショッキングなことを伝えていまう。よくよく読めば高齢者の場合であることが理解できはしますが、いままでは次のような考え方が主流でした。

「Aspirin Use and Survival After Diagnosis of Colorectal Cancer」(PMID: 19671906)では大腸がんの場合はアスピリンを服用していると男性の場合は31%も大腸がんで死亡するリスクを少なくし、女性の場合は乳がんのリスクを11%下げることの結果になっています。私が専門とする泌尿器科領域だと前立腺がんの死亡リスクがなんと23%も減少するとも報告しています。

一方の論文ではがんの死亡リスクを減らすとの結論であり、もう一方の論文ではがんの進行を促してしまうとの結論。がんが発生することと、癌になった場合の病状の進行は別物だとしても、このような両論併記的な話が出てくるために一般の方は混乱しますし、医師であっても混乱してしまいます。

私の個人的な見解としては、アスピリンが効果ないよ、との研究対象は高齢になってから服用をした人たちなので、私のように若いときから服用している場合はがんの発症リスクを下げると自己判断したいところです(笑)。ということは、患者さんが将来のがん発症リスクを減少させたいとの希望で低用量アスピリンの処方を希望されても、私は処方しないのでそのあたりはご了承いただけると幸いに存じます。

アスピリンの服用で新型感染症リスクが低下する、との報告について

前掲の「The use of aspirin for primary prevention of cardiovascular disease is associated with a lower likelihood of へんてこな感染症 infection」(PMIはアスピリンを服用していると、新型の感染症に対する効果として次のような結果に至ったとのこと。

  • 低用量アスピリンを服用していると新型感染症になるリスクが優位に低かった。
  • 新型感染症になってもPCRが陰性化するのが優位に低かった。
  • 死亡リスクに関しては有意な差は認められなかった

ここで気になるのはアスピリンを服用しているグループは服用していないグループと比較して年齢が高いことです。死亡リスクに違いは無くても、高齢者がもともと多いことを考えると低用量アスピリンを服用していることは、今回の世界中を騒がしているヘンテコな感染症となんらかの関係がありそうですね。

明確な結果が出るまでは低用量アスピリンを感染症対策として服用は正しくない、後日真逆の結論が出てくる可能性があることを十分に認識してくださいね。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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