男性力の裏返し?男性ホルモンと前立腺肥大症と頻尿の関係

「最近就寝後に3回くらいトイレに起きるんだよなぁ⋯」 似たような症状の中高年男性の方、いませんか?

夜間頻尿の原因

就寝してから、起床するまでの間の排尿回数を「夜間排尿回数」といいます。 1回以上夜間排尿回数が有る状態を「夜間頻尿」と呼びます。 夜間頻尿の原因疾患としては、元々水分を過剰に摂取している場合に加え、糖尿病、高血圧といった、一見すると「おしっこ」とは関係のない病気も、原因となります。  こういった「夜間多尿」によるもの以外では、前立腺肥大症、過活動膀胱、間質性膀胱炎といった泌尿器科で取り扱う疾患群が夜間頻尿の主な原因となっています。

前立腺とは?

今回は、これらの中で前立腺肥大症についてのお話です。 「前立腺」⋯ 聞いたことはあるが、カラダのどこにあって、どんな役割をしているのか?は詳しくはわからない⋯ こんな方が殆どではないでしょうか?  男性特有の臓器で、基本的に生命の維持に直接関わらないのですから、無理はないでしょう。

前立腺は、膀胱の真下にくっつくように存在し、尿道を取り囲んでいます。 その生理的役割は 前立腺液を分泌し、これが射精時に精液に混ざり精液を液状化させ精子の運動を促す作用があります。また、前立腺液中の酵素にはドロドロの精液の中の蛋白質を分解してサラサラにする作用がありますが、この酵素はPSA(前立腺特異抗原)と呼ばれ、前立腺肥大症や、前立腺の炎症、前立腺癌などで血清中の値が上昇します。

前立腺肥大症はなぜ起こる?

前立腺肥大症は、50歳以上の中高年男性の5人に1人が罹患しているといわれている頻度の高い疾患です。膀胱の真下にある、クルミ大の前立腺が肥大し、取り囲んでいる尿道を閉塞するため、おしっこが出にくい状態になります。 すぐ真上にある膀胱も刺激するため、尿意を感じやすくなるとも言われます。 また、長期間前立腺肥大症により尿道の通り道が狭い状態が続くと、膀胱壁の肥厚が生じ、膀胱の膨らむ「しなやかさ」が損なわれ、1回で貯められる容量が減少するため、トイレに頻繁に行くことになります。 さらには、膀胱の知覚がより過敏になると考えられており、夜に何度も尿意を感じてトイレに行ってしまうことになってしまいます。 前立腺肥大症の発生には、食事内容や、加齢に加え、男性ホルモンの影響を受けます。 食生活の欧米化により、(高脂肪食)前立腺肥大症の本邦での罹患率が上昇するという報告もあり、平均寿命の延長とあいまって、いまや前立腺肥大症は「中高年の国民病」といっても過言ではないでしょう。

また、男性ホルモンの分泌量が多いと、前立腺肥大症になりやすいとの説もあるようです。

男性ホルモンと前立腺肥大症

「男性ホルモン」は最近テレビなどのメディアでよく見かけるキーワードですよね。 男性ホルモンは、活力を上げ、社会的アクティビティを持続させます。 「英雄、色を好む」は必ずしも間違ってはいないということです(笑) (当院では、「男性更年期障害」に対して、男性ホルモン補充療法を行っています) 前立腺に対しては、増殖を促進させる作用をもっています。  男性特有の臓器、前立腺に男性ホルモンが作用するのは理にかなった生理的な現象ですよね。 前立腺肥大症の治療に抗男性ホルモン薬がしばしば用いられるのはそのためです。

みなさんのまわりで、「出世している」「社会的に成功している」中高年男性をよ〜〜く観察してみてください。 頻繁にトイレに行っている、会議が終了したらまっさきにトイレに向かうことなどはありませんか?? 男性ホルモンが同年代の方よりも豊富で、社会的活動度も高いが、前立腺も大きくなっているかもしれません。 そういった目で上司を見てみるのも、おもしろいですよね⁉

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このページの執筆した医師

桑満おさむ医師

このページの筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

患者さん1人ひとりのホームドクターになるという理念のもと、常に敷居が低くどなたでもお気軽に来院できるクリニックを目指しています。技術の向上はもちろんですがより新しい医療機器や治療方法・医学情報の提供につとめています。患者さんとの会話を大切にしています。

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