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東洋経済さま、医療記事は玉石混交のようですがこれはあまりにも⋯。

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東洋経済オンライン(http://toyokeizai.net) といえば、近年大人気のウェブサイトであることはご存知だと思います。

元々伝統のある経済誌がネットの世界に入ってきたところ、今では月間2億PVを超える勢いで、私も時々拝見させていただいています。

ネットでは大人気の東京経済オンライン、しかし医療記事は問題含み?

ネットの世界で一番検索されているのが健康関連キーワードであるとの話もあるためか、時々東洋経済オンラインにも医療物記事が掲載されています。金融経済のプロである

東洋経済も医療となると素人丸出しであり、良記事のなかにトンデモ系の医療記事も紛れ込んでしまうようです。

通常、媒体がしっかりしていれば、掲載された記事も信頼度が高い、と思いがちでしょうから落とし穴があることをお伝えする為に私が東洋経済オンラインの中で見つけたヘンテコな健康情報記事をいくつかご紹介します。

糖質制限でがんを兵糧攻め⋯これ色々な意味でかなり偏っております

医師には裁量権というものがありまして、自分の責任の範囲内である程度自己流の考え方を実践することができます。しかし、がんの治療など生死にかかわる病気の場合は責任重大であるために、ガイドラインに従った標準医療を行うのが一般的です。

もちろん、患者さんの状態は多種多様であるために、全例同じ治療とはなりませんが、EBM(evidence based medicine)、つまり根拠にもとづく医療を意識しながらさじ加減を決定していきます。しかし、なかには思い切りが良いというか

よく病院の倫理委員会が承認したと思われるような標準医療とはかけ離れた治療が東洋経済オンラインに掲載されていました

それはこれです。

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http://toyokeizai.net/articles/-/144042

この治療の特徴は糖ががんの栄養となっているために、徹底的に糖を制限することによってがんを退治しようというものです。この記事の後半に著者の本が掲載されているので入手して読んだところ、こんな凄い効果があるなら論文があるんじゃないかと探してしまいました(結局見つからなかったけどね)。

食餌療法でがんを克服した、なんて感じの一般書籍が多く出版されています。これもそのレベルを超えていないのです。

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http://toyokeizai.net/articles/-/144042?page=3

この本に書かれている治療法は標準治療を受けながら徹底的な糖質制限食を行うもの。その結果、「約7割の末期がんが改善した」とのことですが⋯症例として挙げられている多くが大腸がんと乳がんの患者さんで構成されています。

大腸がんも乳がんも抗がん剤がかなり効果を上げることは医師だけでなく、患者さんの多くもご存知なんじゃないでしょうか?

症例としてあげられた患者さんも糖質制限食なんて食べなくても、どうようの結果が得られたと考えられます。そういえば以前この本を読んでこんなブログ書いたっけ⋯がん免疫栄養ケトン食療法、なんだか怪しげな雰囲気が

話としては感動的な末期がんと宣告された料理研究家、これも変❗

ここ数日ブログで話題にしたオーガニック薬膳料理研究家の記事も東洋経済オンラインに掲載されています。

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http://toyokeizai.net/articles/-/108409

全身に転移した卵巣がんに罹ってしまった女性が、標準医療を途中で放棄して車椅子でフランスに渡り、食の大切さを感じ、さらにその後、中国まで渡り薬膳を学んだとのふれこみです。ご自身の経験と知識を取り入れて現在はオーガニック薬膳料理研究家として料理教室を開催したりしているようです。この方の記事にも著作が紹介されていましたので、当然購入しましたよ、私は。

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http://toyokeizai.net/articles/-/108409?page=4

この本ともう一作を読んで二つのブログを書きました。

「食べものだけでガンが消えた」のオーガニック薬膳料理研究家高遠智子さんの本がかなりヘン❗

やっぱりヘンだよ❗料理研究家の高遠智子さん、経歴詐称疑惑は別物としても⋯。

この方の著作物やサイトを見ると、まだまだヘンテコなつじつまの合わない出来事や記述が大量にありますが、このあたりでやめておきます。

私も東洋経済オンラインに記事を書きましたが⋯炎上しました(涙)

恥ずかしながら私も東洋経済オンラインに記事を書いたことがあります。「エッジの効いた原稿をお願いしますね❗」って言葉に誘われて調子に乗って書いた記事がこれ。

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http://toyokeizai.net/articles/-/149514

ハイ❗皆様のご期待通りに炎上寸前となりました

私としては漢方薬って副作用がない、との一般常識に対して、漢方薬といえども副作用はあるんだよと伝えたかったのですが、東洋経済オンラインの読者層と私のブログの読者層は違っていたようです(しかし、下のコメント欄にがんがん投稿している産婦人科医ってどんな人だ?)。

東洋経済オンラインさま、面白そうな興味深い一般書籍の紹介であるなら、「この本を書かれた医師によれば」とか「この本を発刊した料理研究家の本の内容の紹介です」って初っ端に記載しておけば、ブルータスおまえもか的な捉え方はある程度回避できるのではないでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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