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「水ぼうそうキャンディー」、これって海外の話ではなく日本でも密かに⋯。

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自然派と呼ばれる人々がいます。ワクチン接種を忌避している人の理論背景に、この自然派が潜んでいることも少なくありません。

水ぼうそうの子どもがいたら、みんなでパーティーをして、水ぼうそうをうつしっこするという非科学的な行為を行っている集団さえあるようです。

水疱瘡は重篤化すると生命に関わる感染症であり、ワクチンがあります。なぜ、自然派の人々はワクチン接種を忌避して、感染症を故意にうつしあうような愚かなパーティーを開催してしまうのでしょうか?

我が子にわざと水ぼうそうを感染させるための「水ぼうそうキャンディー」⁉

先日女子SPA!に衝撃的な記事が掲載されていました。

「水ぼうそうキャンディー」で我が子にわざと感染させる⋯ワクチン反対派の母親たち 女子SPA!2018.06.08

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この記事は2018年4月に発行された「子どもができて考えた、ワクチンと命のこと」(柏書房)という一般書籍に書かれていた内容のダイジェストです。

その中に衝撃的な水ぼうそうに感染させるために、水ぼうそう感染者の舐めたキャンディー舐めさせる危険きわまりない民間信仰的予防策や水ぼうそう感染者を招いて、水ぼうそうを移させる水ぼうそうパーティーなどというトンデモ予防方法に関する実態が紹介されています。

実は水ぼうそうパーティーは海外の話ではなく、すでに日本でも行われいるということを皆さんはご存知でしょうか?海外の自然派を拗らせた人ってカルト化するけど、一般常識や科学に対するある程度均一な教育が行われていると信じている日本ではありえないでしょ的なレスポンスを示した方、かなりショックな内容をお伝えします。

読売オンライン「発言小町」で5年前に話題になった「水ぼうそうの移しっこ」

私があるきっかけでブログを書き出したのが2013年3月ごろです。まあ、当初は読んでくれる方も少なく、ちょっとアンチものを書くとヘンテコな集団に滅多打ちにされていました。

当時からいつかブログにしようとねちっこくEvernoteにネタをセコセコとメモっていました。今、Evernoteでチェックすると私が最初に水ぼうそう感染者に我が子を積極的に接触させることを推奨している一派を記録したのは水ぼうそう、移しっこしようよ⋯って??というYOMIURI ONLINE発言小町です(2013年11月22日付け)。

その内容は水ぼうそうの予防接種を受けていないお子さんの所に水ぼうそうに罹ったお子さんをもつ親が来て

水ぼうそうなんて誰でもかかるでしょ?早くかかったほうがいいよ。一緒にかかれば遊べるじゃん、移しっこしようよ

と現代医学を否定するような、ワクチン発明以前のような発言を聞いたそうです。

そして相談者の方は

これって凄く非常識だと思うのですが⋯私が気にしすぎでしょうか?

と真っ当な疑問を投稿しています。

それに対する素人さんたちの回答がこれまた現代医学の利点を全く享受することがない残念なもの。例えば

確かに、予防接種より、小さいころにかかってちゃんと免疫をつけた方がいいという考え方もあります。

⋯どこが確かに何でしょうか?半可通さんの医学的な回答ってこんなレベルです。

さらに「私の友達も言っていました」との小見出しに続いて

一人のママが「え~、熱とかなくて発疹だけだったら来ればいいのに!そしたら移してもらって早く終わるよね。」と言っていました。そして別のママも「こないだうちの子がおたふくになったってママ友に言ったら、『言ってよ~!うつして欲しかったのに』って言われたよ。」と言ってました。

⋯あの〜、その友達って医療関係者なんでしょうか?移してもらったら早く終わる、との謎の文言は医学的な裏付けがあるものなのでしょうか?

こんな感じで欧米に先駆けて日本でも水ぼうそうの移しっこは行われていた❗ことが歴史的な記録として確認することができます。もちろんYOMIURI ONLINE発言小町には他に多数の真っ当なアドバイスというか回答も投稿されています。

ここで素朴な疑問

何で病気のことを素人に質問するのかねえ?

正しい情報をネットから収集することは非常に難易度が高いことは、数年前の健康医療関連サイトの社会的な問題で近年では知られるようになってきました。

しかし、2013年当時はイケてるママはネット上の医学情報に振り回され、半可通の素人ママの意見に振り回されかけていることがわかります。子供を育てる上でかかりつけ医と呼べる気軽に医療について相談できる医師が当時はいなかったとは考えにくいですし(もちろん地域差はあるでしょうけど)、そのような医師が見当たらなくても公的機関のサイトを見れば正しい医療知識を得ることは不可能ではなかったはずです。

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幸いにして水ぼうそう感染者は年々減少しているのがせめてもの救いかも。でも、これは水ぼうそうパーティーでも水ぼうそうキャンディーの効果じゃないよ。

標準治療・標準医療に真っ向から戦いを挑む自然派ママ、という厄介な問題

近所の付き合いが希薄になっている状況で初めて同じような世代の子供を持つ親と交渉を持つ機会は以前話題になった「公園デビュー」だと考えられます。公園デビューでヘンテコな思想に染まったママ達に接触された場合はその公園に行かないようにすることによってリスク回避が可能となります。

その後、子供達が集団で過ごす機会として保育園・幼稚園があります。

保育園や幼稚園のママの中に厄介な人が紛れ込むと問題はややこしくなります。

自然派ママと呼ばれる人工物は毒で天然のものは安全という妄想に汚染されたママ友がいたとしても、やっと入れた保育園や幼稚園を辞めることは現実的ではありません。

自然派ママは「火傷はあたためる」のが新常識⁉これメチャ危険なホメオパシーじゃん❗

自然派ママは「火傷はあたためる」のが新常識⁉これメチャ危険なホメオパシーじゃん❗

真面目な子育て中のママはひとりでなんとかしないとと一生懸命努力します。困ったこと分からないことはスマホで検索して、出て来る出て来る子育てママ支援サイトの情報を頼ることが多いハズ。ですがそこにある情報は危険なデマが多いのも事実。今回は火傷は温めて治すというトンデモ情報を取り上げます。

自然派ママがママ友のボス格であった場合はマウンティングの意味もあり、自分が信じてきた常識を徹底的に否定されることもあるようです。今回取り上げた「水ぼうそうパーティー」や「水ぼうそうキャンディー」関連記事として私がEvernoteに記録してあるもので2016年10月07日のTOCANAがあります。

まあ、このトカナは世界中の噂話レベルをもっともらしく記事にするサイトであり、物事の真偽は読者が各自調べて、事実を知って笑い飛ばそう的な発想の元に作られているサイトと私は認識しています(トカナに書かれている記事が真実だと思い込んでいる珍しい人も実はかなり多数存在しているっぽいです)。

TOCANAの記事のタイトルは「水ぼうそうパーティー」で子どもの免疫力を高めさせる⁉ ワクチン接種を拒否する韓国の自然派ママたち、でその記事は

自然派ママたちが開催する「水ぼうそうパーティー」だろう。これは、水ぼうそうにかかった子どもを自宅に招待して、意図的に自分の子どもにも感染させようとするものだ。このパーティーを開くため、わざわざ感染した子を探し回るママたちもいるというからあきれる。

に続き

「予防接種の副作用で、発達障害や自閉症になる可能性がある」「少しでも幼いうちにかかっておくといい」といった出所不明の情報もシェアされており、それを信じ込んだ親の中には、水ぼうそうに限らず、すべての予防接種をやめた人もいるという。

と書かれています。

この記事を読んだ時「これはブログネタになる❗」って一瞬思いましたけど、元ネタがトカナだと流石にこちらの信頼度もガタ落ちになってしまいます。

今思い返せば、YOMIURI ONLINEの発言小町とトカナの合わせ技で自然派ママの間で密かに流行している「水ぼうそうパーティー」に関してブログを書くことも可能でしたが、真偽となるとちょっと不安でした。今回女子SPA!の「水ぼうそうキャンディー」というパワーワードを力強い味方と考えてブログを書いてみた次第です。

2014年から水ぼうそうワクチンは定期予防接種になっています

子宮頸がんワクチンと称されるHPVワクチンの副反応問題もコクランレビューの発表により結論が出てきました。しかし、依然としてワクチンに対して必要以上に副反応を問題視するグループもいるようです。

ワクチンが人類にどれだけ貢献してきたかという歴史を無視、ワクチンが自然に感染するより安全であるという事実も無視、そんな方々の多くは純粋に自然派を拗らせた方面の人が多くを占めています。さらに、そんな自然派志向の人たちを操っている一派もいることをお忘れなく。

彼ら彼女らはワクチンを敵視することにより、なにがしかの利益を得ている可能性もありますし、ヘンテコな思想に染めてしまおうと考えている一派も混じり込んでいます。

水ぼうそうは感染力が強く、接触感染・飛沫感染だけではなく空気感染もする新型コロナ感染症です。妊婦さんが感染すると先天性の病気の原因にもなりますし、成人で感染すると重症化することが知られています。それらを考慮して平成26年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となっています。

日本でも毎年4000人程度が入院して、20人程度が死亡している水ぼうそう

厚生労働省のサイト 水痘

呪術的な水ぼうそうパーティーや他の感染症のリスクも考えられる水ぼうそうキャンディー、これ普通の科学的な知識を持ち合わせていたらあり得ない予防方法なのになぜ世界中で行われているのでしょうか?あるブログがきっかけでヘンテコな団体に猛抗議を受けた時に公安関係の友人に囁かれたことで、今までなんども繰り返してきていますが

カルト的な集団が一番狙っているのは子育て中のママですこれは重要なことなのでぜひメモを❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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