【悲報】やっぱりサプリって必要ないようです、特に骨関係のサプリ。

骨粗鬆症による骨折を予防しよう、とせっせとカルシウムやビタミンDを服用している方をよくお見かけしますが⋯

骨折予防のサプリって意味無いらしいです

まあ、薄々は気がついてはいたけどね

骨を強くする骨折予防目的のサプリは意味がないっぽい

基本的にサプリ必要ないよ説を取る私はニヤニヤ、栄養補給のためにお腹いっぱいになるくらいサプリぼりぼりの方は今までのサプリ代返せ!!という感じの結論が先日出ました。

骨粗鬆症の年代別有病率(骨粗鬆症の予防とガイドライン2015年版) 年をとれば右肩上がりで骨粗鬆症と診断される方が増加しています。男性より女性の方が明らかに多いのは性ホルモンが関係していると考えられているからです。

骨粗鬆症が原因となっての骨折予防のために、毎日毎日せっせとカルシウムサプリやビタミンD方面サプリを服用している方が読んだら、本気で怒るような研究は「Vitamin D, Calcium, or Combined Supplementation for the Primary Prevention of Fractures in Community-Dwelling Adults: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement」(JAMA. 2018 Apr 17;319 (15) :1592-1599)というタイトルで権威ある医学誌にしっかりと掲載されています。

カルシウムやビタミンDは骨折の予防にならない、ってどうしてよ!?

骨粗鬆症になって、骨が折れやすくなる、そして骨折すると寝たきりになる可能性が増えるために骨を強くしましょう!!骨折を予防しましょう!!とよく言われています。危機的な保健医療財政を少しでも改善したい厚生労働省も「骨粗鬆症の予防のための食生活」と題してe-ヘルスネット

食生活を含めた生活習慣の改善が骨粗鬆症 (osteoporosis) の予防につながります。食生活ではカルシウム摂取量の不足とならないように心がけながら、1日3回規則正しくバランスのとれた食事を実践することが重要です。

と述べていますので骨粗鬆症そして骨折はカルシウムと密接な関係があることは間違いなさそうですね。カルシウムが骨を作る上で大切な役割を果たしていることは感覚的に理解できます。

一方のビタミンDは血液中のカルシウムの濃度やカルシウムを吸収する上で重要な働きをしていますので、骨を強くして骨折を防ぐには、当然カルシウムとビタミンDの摂取は重要と思われるのですが、今回取り上げた医学研究では

骨折予防目的にカルシウムやビタミンDは関係ないよ!!

って言っているワケなんですよ。以前からUSPSTFと呼ばれる米国の予防医療に関連する情報を提供している機関はサプリメントとしてのビタミンDやカルシウムの骨折予防効果に対して懐疑的でした。当時の結論としては「エビデンスは無いよ、あったとしても質が低いよ」。サプリ業界にとって失礼なUSPSTFの声明に対して、猛烈な批判があったようでその後もカルシウムとビタミンDと骨粗鬆症・骨折との関連性は継続して研究されていたようです。

でも、やっぱり今回のように

ビタミンDやカルシウムをサプリとして摂取しても、骨折の予防にはならないよ

とのサプリ業界真っ青な死者に鞭打つような出てきてしまったのです。

ビタミンD、カルシウムは骨折予防にならない説のザックリの内容はこんな感じです

ビタミンDで検索するとサプリメーカーの広告ばっかり、カルシウムで検索しても同じような状況。今回のようなサプリ業界的には死活問題にもなりかねない研究はこんな内容です。ちなみに今回の研究はシステマティックレビューと呼ばれる手法が取られています(質の高い研究を集めて、バイアスを取り除いて分析を行うエビデンスレベルの高い手法)。

●ビタミンDを単独で摂取しても骨折予防効果に有意差はなかった

●カルシウムを単独で摂取しても骨折予防効果に有意差はなかった

●カルシウムとビタミンDを併用して摂取しても骨折予防効果に有意差はなかった

つまり、カルシウムもビタミンDも全然骨折予防にはなっていなかった!!

ってことですね。まあ、サプリ業界にとって不幸中の幸いは、以前から副作用的に心血管系に悪い影響があると予想されていたこれらのサプリが死亡率等とは無関係ということがわかったくらいですかねえ。

あのー、今整形外科でカルシウムとビタミンD系の薬を処方されているのですが⋯

以前はカルシウムやビタミンDがお約束のように処方されていた感がありました。骨粗鬆症の治療薬がどんどん研究されて新薬が発売されるようになって、以前ほどカルシウムやビタミンDをどっさり処方された患者さんは見かけなくなったような印象があります。

でも、依然としてカルシウムやビタミンDを処方されている患者さんが今回の研究結果をメディアで見かけたら「えええっ、意味ない薬を処方されていたの〜(怒)」ってことになりかねません。その点はご心配なく、今回の研究で対象となったのはあくまでサプリメントであり、医薬品ではありません。

例えばビタミンDが単独で処方されていた場合、高用量であれば骨折予防にある程度の効果があることが有意と書かれています。

また、閉経後の女性にとっては現時点のデータではエビデンスは不十分である、つまりさらなる研究が行われれば結論が変わる可能性があることを示唆する書かれ方がされています。

さらにあくまで今回の研究は骨折予防に関してであり、骨折してしまった方を対象としたものではないに注意が必要とも書かれていますね。

なんで最終的にこんな弱気なことが書かれているかというと⋯2013年にUSPSTFがカルシウムやビタミンDは骨折予防に効果ないよ、とアナウンスした時に米国の整形外科関連学会が猛反発した影響もあるから、今回はサプリメントに限定したのかもね、なんて余計なことを感じてしまった今回の論文でした。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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