医療業界の権威が薦めるブロッコリーのサプリ⋯本当に効果があるの?

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今回も個人的に大嫌いなブロッコリーに嫌な絡み方をします。

素朴な疑問があります。医療業界の権威が薦めるからといって効果は実証されているのでしょうか?

ちなみに前回ブロッコリーを原料としたサプリに絡んだのはこれです↓↓↓

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

ブロッコリーから作った特許取得サプリで、がんは治るのか??

数ある野菜の中で、たびたび健康にすごいいいとしてもてはやされるブロッコリー。ブロッコリー自体になんの罪はないのですが、●●を食べてがん予防・●●食べ続けていたらガンが消えていたといった健康食品詐欺に利用されている模様です。なぜブロッコリーの成分がガンに効くかのように宣伝されるのか検証してみました。

ブロッコリーに恨みは無いのですけど、苦手な食材って誰にでもあるはずです。

私の場合苦手なブロッコリーを母親にすすめられる度に「ブロッコリーって健康にいいのよねえ」と言われるのが心底イヤでした。「じゃあ、その健康に良い成分だけ抽出して薬になればいいじゃん❗そしたら飲む」なんてことを若かりし頃の反抗期に私は考えていました。

そんな「健康にいいのよねえ」的評価を受けているブロッコリーの有効成分だけ抽出したサプリメントが登場しているです❗

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Amazonで簡単に購入できるブロッコリーを原料としたサプリメントです。

どんな業界でも「権威」がある方はいらっしゃると思います

当然私が生業としている医学の世界でも権威と呼ばれる医師は多数存在しています。そんな権威ある医療関係者が推奨する治療方法であったとしても、医学も科学の端くれなので、「ありゃ、旧式の考え方」「あの人も昔はそれなりに頑張っていたんだけど」的に一度獲得した権威も長幼の序は守られつつも、ひっくり返されることも少なくはありません。

前置きが長くなりましたが

医療業界の権威が薦めるサプリであっても効果が保証されたわけじゃない❗

ということをお伝えしたいのです。

サプリメントの広告は病気の治療又は予防を目的とする効能効果を表記することは薬機法違反、身体の増強、増進を主たる目的とする効能効果を表記することも薬機法違反、薬に期待されるような効果効能を暗示することも薬機法違反と見なされることがあります。

つまり

サプリメントの広告は効果効能を表記することが禁じられている

と法律の素人ではある私は解釈しております。

そこで医療関係者への取材というか、インタビューというか、意見を広告記事とすることによってあくまでも「※個人の感想です」的に処理して薬機法に抵触しないような工夫が凝らされています。

先日、アフィリエイターの方が医師になりすまして特定のサプリメントを販売した騒動があったことがありましたね、私もブログでこんなの書いちゃいました↓↓↓

ニセ医者疑惑急浮上❗内科医工藤って誰だ????

ニセ医者疑惑急浮上❗内科医工藤って誰だ????

内科医工藤というtwitterアカウントですがツィート内容は特定のサプリメント推しです。医師である私は、内科医工藤さんは医者ではないと確信しています。ネットで活躍する医師を名乗るアカウントが本当に医師なのか、どのようにして確認するか、一般の方でも可能な方法と医師ならではのニセ医者あぶり出し方法についてもお伝えします。

その後、バズフィードで記事になったので、あなたも目にされたかもしれません。このニセ医師になりすましたアフィリエイターが売り込んでいたサプリがブロッコリー を原料としたこれです。

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http://www.brolico.jp/html/page3.html

超有名私立大学医学部の教授であり、医学部長にもなられた医療業界の権威なんで、さすがの私もお名前と大学名はモザイク処理してしまいました。

長幼の序は知ってか知らずか少なからずとも儒教の教えが染み込んでしまっている私ですけど、この記事全体が醸し出す妙な空気について分析してみます。

医療業界の権威の方の文章がかなりヘンテコリン

まずは言い訳を⋯私は文章を書くことが商売ではないので、趣味として書いているこのブログも誤字脱字は多数ですし、文章がヘンなこともしばしばです。しかし、医療業界の権威に書いていただいた推薦文(?)ってそれはそれは慎重に取扱注意物件のはずです。でもこの文章で「おお❗健康維持するにはこんなことに注意しなきゃ❗」って受け止めますか?

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ストレスにも種類があり、何かに立ち向かうストレスと、受け身なストレスがあります。NK細胞を低くさせてしまうのが受け身のストレス、悲しいストレスなんですね。

それに続いて

若くて規則正しい生活をしている高等学校の学生などは、健康状態が非常に良いですが、期末試験なんかでお母さんが「試験だ!試験だ!」というと入試前に健康を維持できなくなるのも、ストレスのためです。

と書かれています。

NK細胞の件に関しては、あとで解説しますね。

本題とは関係ないけど、高校生のことを「高等学校の学生」と表現するところに権威とお年を感じてしまいました。

この文章って明らかにヘンです。

期末試験でお母さんが「試験だ!試験だ!」と言うとなぜ「入試前に健康を維持できなくなる」のでしょうか?
,br>入学試験前に「試験だ!試験だ!」とお母さんが言って、それが高等学校の学生のストレスとなりの、入試前に健康が維持できなくなる、との話ならまあ納得できます。

さらに推薦文と普通は受け止める記事は続きます。これも医療業界の権威がおっしゃった、あるいは書かれた文章とは思えないくらいヘンテコ。

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ここで初めて具体的にブロッコリーを原料としたサプリメントの名前を挙げて健康維持について述べられています。

私が行った研究で、健康を維持できていない人に漫才を観てもらってゲラゲラ笑った後に調べたところ、健康なカラダの状態を維持できるようになりました。日頃から笑顔でいることが、今すぐ簡単にできる最高の健康法です

と述べられています。お言葉を返すようですけど

ええっ❗ゲラゲラ笑いと笑顔でいることはちょっと違うんじゃない⁉

なんて長幼の序に反するような高等学校の学生的に絡んでしまいました(ちょっとしつこいか)。

1番最初に分かったのが、大量のビタミンCです。注射するくらいのビタミンCを入れると健康な状態を維持できますが、普通の食物に含まれるビタミンCを摂るくらいではなかなか上がりません。

このビタミンCの大量投与はトンデモ医学の中でも非常に有名な案件です

ビタミンC大量摂取で病気を治す説を唱えだしたのは、ノーベル賞をダブル受賞した科学界の本物中の本物、大権威であるライナスポーリング博士であるとこが非常に厄介です。この高濃度ビタミンC点滴等に関しては関連ブログをどーぞ↓

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで⋯高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??❗

週刊朝日の医学記事は一線を越えてしまったようで⋯高濃度ビタミンC点滴療法でがん治療??❗

世の中にはたくさんのクリニックがありますが、高濃度ビタミンC点滴療法を実践しているクリニックが意外と多く見たことがある方も多いでしょう。高額なだけで効果なく、当然標準医療ではない高濃度ビタミンC点滴療法ですが、がん治療に効果があるとする記事が週刊朝日に掲載されました。これは医師からすればあるまじき行為です。

普通の食物に含まれるビタミンCではなかなか上がりません、って何が上がらないのでしょうか?

多分、免疫力が上がる、と書いちゃうと薬機法で禁じられている身体の増強や増進に関する効果効能を謳ってしまうからなんでしょうかねえ。最後のお言葉、非常に重要なんでぜひメモを❗

とにかく、長生きするためには、健康な状態を維持することが重要なのです。

ええっと⋯無言。

NK細胞を使ったがん治療って確立された方法なの?

医療業界で謎の3大キーワードとされているのが「体温を上げて免疫力アップ」「免疫力でがんを治す」「体の毒素をデトックス」です。このブロッコリーを原料としたサプリがNK細胞を活性化、あるいは免疫力をアップさせる、ようなイメージをユーザーに与えていると読解力の無い私は捉えました。中高年以降を読者層とした週刊誌やネット広告で見かけるNK細胞を使ったがんの治療法はまともな医師の間で

NK細胞によるがん治療は科学的に効果が証明されていない❗

って判断されています。ご興味のある方は日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之医師のこの記事等をご参照くださいませ。→画期的ながん治療の罠(2)~エビデンス・ベースト・メディアのすすめ

今回取り上げたブロッコリーを原料としたサプリメントの広告には他に2名の医師が登場します⋯この方々が医療業界の権威である、と認識している医療関係者はごくごく少数と考えられるので割愛させていただきました。

そういえばトップに掲げたこのサプリ広告のキャプチャに注目を、上の方に「効果が口コミで拡大中」って書かれているけど、これっていいの???

ニセ医者騒動→彼が推奨したサプリは特許取得しているそうだけど、効果があるとことは別問題→医療業界の権威の推薦文(?)がへん、とシリーズ化しつつあるブロッコリーを原料としたサプリの広告、なんとなーく、あと数本ブログを書けるような記述がテンコ盛りです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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