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水太りって本当にあるの?水分と体重の関係を解説

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診察での会話「先生、内科の先生に糖尿だから瘦せろって言われたけど、私って水を飲んだだけで太っちゃうじゃない」と肥満体に女性に言われた場合「医学的に水太りなんてあり得ません」と直球で答えたらダメですよ、もっと大人の対応をしなければ。

体重が日々変動することはよくありますが、その中でも「水太り」という言葉が頻繁に使われています。一体、水分と体重はどのように関連しているのでしょうか?この記事では、水太りの本当の意味と、その実態について探求します。

ほんとうに水太りってあるんでしょうか?

「そういう人っているけど、瘦せようじゃなくて、これ以上太らないようにしよう、くらいの方が良いんだよね、ストレスにならないで」と返すのが恐らく上級医師の対応のはず。水分を大量に摂取した直後に体重が増えたは、一時的な体重増加であって太ったとは言いません。水だけで太ってしまうことはあり得なくても、患者さんのやる気をなくさないためにも「先ずはうなずく」のが上級者の老獪な態度です。このような理屈を訴える患者さんは一方的に「瘦せなさい!」といっても「私、それがストレスで反対にドカ喰いしちゃうの」と返されるのがオチですから。

基本的に当院では患者さんには瘦せなさいという指導は行いません、だって患者さん自身肥満が原因で諸症状が起きていること十分にわかっているんですから。

セルライトなどの脂肪細胞を燃焼する為には多量の水分は必要か?

セルライトという用語は医学用語ではありませんが、肥満傾向にある女性を悩ませる目に見える症状であることには変わりがありません。
エステやクリニックに通ってセルライトを失くそうと思う人もいるでしょうが、その辺りは「自宅でセルライトを解消する方法をいくつか検討してみました」というブログを昨年書いていますので、参考にしてください。

セルライトのイメージイラスト

http://www.cellulite.co.ukより一部改変

瘦せれば即セルライト解消というわけには行きませんが、肥満を解消するために脂肪を燃焼させるめには水分が必要だから、瘦せるためにも水分はいっぱい摂りましょう!が常識になっていますが、それって本当でしょうか?

米国のNIH (アメリカ国立衛生研究所)も同様のコメントをしています。
ダイエットのために水を飲む必要は無い
内容としてはダイエットをする場合、多量の水を飲むように指導されることが多いけど、体重を落とすのために必要ではないというか、役立つことはありませんよ、というものです。 the University of Alabama の Beth Kitchin氏によると

「水を飲むと瘦せやすいというエビデンスはありません キッパリ。」

これが真実であるとするとエステでセルライトをなくそう的な広告には必ず「脂肪を燃焼されるためには水分補給が必要です」「こわれた脂肪細胞を水分補給してリンパとして流しましょう」なんて書いてありますが、このエステ理論が破綻することになります。

リンパマッサージによって余分な脂肪は流れませんって❗

これはなんどもブログでかいていますが、セルライト解消といって壊れた脂肪はどこに行ってしまうのでしょうか?静脈で吸収されてなんて回答をするエステや一部医療機関がありますが、血管系に脂肪細胞が紛れ込んだら「脂肪塞栓症」を起こして即入院ですし、下手すりゃ死んでしまいます。

少し勉強したエステですと「破壊された脂肪をリンパマッサージすることにより体外に排泄します」という説明をしますが、これはあり得ないことも以前ブログで書いています。

破壊された脂肪細胞はマクロファージという白血球の一種によって消化され消え去るのが正解です。そのとき排出される経路は主に尿としてですが、余計な水分を補給することのよってマクロファージによって消化された脂肪細胞のなれの果ての排出が促進されるという医学的なエビデンスはありません。当院ではセルライトの治療に対しては体外衝撃波を使用していますし、部分的な脂肪除去にはHIFUという医療システムを使用しています。

おまけ⋯適切な飲水量の目安は排尿量です

先ほどの会話にあったような糖尿病の患者さんの場合は、本当に水を飲んだだけで体重が増加するなら、腎不全の疑いがでてしまいますので慎重な対応が必要となります。水太りが本当であると最低限の水分さえも体重を意識して摂らなくなりますので、どのくらいの水分を摂ることが健康には良いのでしょうか?

私は泌尿器が専門ですので頻尿多尿の原因が水分の摂り過ぎである場合に多く接します。そこで患者さんに伝えるのは「飲む量ではなくオシッコの量が一番の目安」と告げるようにしています。脱水を起こさないで、頻尿にならない目安は一日1500〜2000CCのオシッコがでるようにするのが一番のお薦めです。

尿の量を毎日測定するのも大変ですので「一回当たり気持ち良く排尿したときは250CC程度でていますから、それで一日に7-8回程度の排尿回数が目安です」と告げています(前立腺肥大症・過活動膀胱の場合は例外ですが、目標はこの量と回数に設定します)。

もう少し詳しくいえば体重あたり40ccのオシッコが1日に出ていれば非常に健康的だといえます。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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