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トンデモさん、3連発。新型コロナ騒動のどさくさに紛れて登場❗

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どさくさに紛れてトンデモないトンデモさんが猛りくるっています。

どうみても触れてはならないアンタッチャブル系トンデモさんから、疑うことを知らない純真な心を持った人を惑わすようなニセ科学系トンデモさんまで、私が気になった3例のトンデモさんをご紹介します。

新型コロナ騒動のどさくさに紛れて湧き出てきたトンデモさん達

まずは、本来ならばそーっとしておきたいとは思う、道ですれちがったら目を合わせない方が良さそうな国会議員候補者。

もう1つは残念ながら医師のようですが、どさくさに紛れてご自分の独自のニセ科学系トンデモ医学をご披露されている女医さん。

最後は、以前私が集団訴訟の準備に入りました、とのメールをいただいた花粉を水に変えるマスク騒動を彷彿とさせるような、限りなくニセ医学とも考えられるウイルスを除菌しちゃう(笑。なぜ「笑」なのかは後述)マスクのクラウドファンディングです。

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@hashimotokotoeより 現在凍結中?

専門用語を理解しないで使いまくるトンデモさん

トンデモさんの特徴として、ご自身は理解していない専門用語を使いたがります。純真な素人さんを、「おお!この人は専門家だ」と思わせるための手法であったり、どっかのサイトや読んだ本からの一部切り抜き的な引用が多い印象があります。

この元国会議員候補(あくまで議員候補であり、それも元です)は新型コロナ(正式名称はヘンテコなウイルス)の構造について「外膜タンパク質(envelope)」との科学用語・医学用語を使用しています。

新型コロナはエンベロープ(envelope)をもったウイルスに分類されているのは間違いではありません。アルコールが新型ウイルスの感染予防に効果があるのも、そのエンベロープがアルコールによって破壊され死滅(正しくは失活)するためです。

でもさあ、正露丸のどんな成分が新型コロナのエンベロープにどのように作用するのかに関しての記述は見受けられません。

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http://jsv.umin.jp/news/news200210.html

もしも正露丸が元国会議員候補さんがおっしゃるように、ウイルスのエンベロープを破壊することが知られていのであれば、他のエンベロープをもったウイルス全般にも効果があると普通は考えます。

ちなみにアルコールが多くのウイルスを失活させる作用は、エンベロープが脂溶性であるからなのです。正露丸の主成分は木クレオソート・アセンヤク末・オウバク末・カンゾウ末・陳皮末であり、アルコールは含まれていないようです。

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大幸薬品 正露丸 成分・分量(https://www.seirogan.co.jp/products/seirogan/)

このようなご自分の世界に閉じこもってしまったトンデモさんをあまりにガッチガチに追い込むと、さらなる独自の論法を振り回してきますので、無視するのが正しい対処方法と推奨します。

Twitterのアカウントが凍結されてよかったです、そのうち「正露丸は新型コロナの波動と共鳴して」なんてことを言い出しかねないですから。

医師免許持ちのトンデモさんはやっかい

私が自動車運転免許や船舶操縦免許と共にもっているのが医師免許です。医師免許は国家試験に合格して厚生労働省に届けることによって医籍登録することのよって、お免状のようなものをいだだけます。このお免状のことを「医師免許」と呼んでいて、前述の運転免許証や船舶操縦免許とは違ってフォトIDではありません。

どのような集団であっても、一定の割合でヘンテコなのが混じり込むことはどうしようもないことだと割り切って考えてくださいね。

こんなトンデモさんが湧き出ています。

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https://twitter.com/ginzaayumi/status/1237322426251272192

トンデモ系ニセ医学で「子宮教」と呼ばれる分野があります。また、トンデモ系ニセ医学で「体温上げて免疫力アップ」と呼ばれる分野も存在しています。

私は体温上げて免疫力アップ業界に関してはいままで複数のブログで批判してきました。反論があるなら、体温を上げることが免疫力アップにつながることを研究した質の高い臨床系医学論文の提出をお願いしているのですが、音沙汰がありません。

製薬会社HPの「体温を上げて免疫力アップ」???なので電凸しましたレポート❗

製薬会社HPの「体温を上げて免疫力アップ」???なので電凸しましたレポート❗

免疫力あげれば病気にならない・病気になってもすぐ治る、と世の中なのほとんどの人が盲信しています。免疫力なるパワーを高める方法の中で基礎体温を上げると免疫力UPというものがあるのですが、これを製薬会社が堂々と明記していたので質問してみました。免疫に関してはわかっていることのが極めて少ないのが現実なのです。

様々な方法を駆使して、数年間に渡って体温上げて免疫力アップ関連論文を捜索していますが、今のとこはある医師が東洋医学に基づいた独自の理論が「体温上げて免疫力アップ」であるようです。

子宮教は「子宮系女子」との呼称もあり、自己啓発セミナーの温床でもある点にご注意ください。

この女医さんは美容系のクリニックを営んでいるようです。世界中がパニック状態になりつつあるこの時期に新型コロナ対策として、独自のアイディア(たぶん、独自ではなく先駆者がいるっぽい)で子宮力(免疫力と同じように怪しい医学風の言葉)を上げることを推奨しています。

子宮をあたためるだけで新型コロナ感染症ウイルスに感染しにくくなる、そんな医学論文があったらぜひぜひご提示願いたと思います。

私はウイルスの専門家でもありませんし、婦人科系も専門としてはいません。しかし、真っ当な医学を学んだのであればそのような効果・効能はありえないことは理解できる範囲の医学知識は持ち合わせています。

ウイルスを除菌するマスク?

以前、「花粉を水にかえるマスク」というものがあり、このマスクの効果効能に対して疑問を呈するブログを書いたところ、関係者から「集団で損害賠償の裁判をおこすぞ!」と恫喝されたことがあります。

花粉を水に変えるマスク、その効果は医学論文で明らかに⋯なってないよ❗

花粉を水に変えるマスク、その効果は医学論文で明らかに⋯なってないよ❗

ハイドロ銀チタンマスクという医師が考案したことを売りにした製品があります。花粉を水に変えるマスクとして有名です。そして消費者庁に不当景品類及び不当表示防止法で禁止された行為に該当すると課徴金857万円の支払いを命じられたマスクです。このハイドロ銀チタンマスクが医学論文をどのように利用したのか、その手法を解説します。

これがきっかけでした。

今回、このような案件を見つけてしまいました。

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https://www.facebook.com/plj.itn/

クラウドファンディングを利用して銅の除菌効果を利用したマスクの開発が行われるようです。

なんらかの研究開発をクラウドファンディングを利用することが増えてきています。マイナーかつビジネスになりにくい分野の研究にクラウドファンディングを利用することに対して、私は好意的です。

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https://academist-cf.com/projects/147

私はこのクラウドファンディングをサポートしました。

しかし、少しでも資金協力を得たいのであれば、医学用語・科学用語を正しく使用されることを希望します。

ここで使われている「抗菌」は医学用語でもありませんし、科学用語でもありません。衛生用品業界が独自に使用している用語であり、私たちが抗生物質のことを「抗菌剤」と呼ぶものとは全くの別物です。

銅に細菌を減少させる効果があっても、ウイルスに効果があるとは言い切れません。ウイルスは菌ではありませんから。

ウイルスを99.9パーセント除菌、との謎の文言はどんな状態を表しているのでしょうか?

さらに詳しい説明が書かれた記事(https://www.makuake.com/project/dou-mask/)には

銅繊維の開発で様々なウイルスに対し99.9%~99.999%除菌することが試験結果により証明されたのです。(※除菌の効果については使用環境により異なります)

とあります。

銅が細菌類に対してなんらかの効果があったことを示す資料として神戸製鋼(KOBELCO)のウェブサイトのこのようなことが書かれています。

この実験では、銅イオン濃度と作用時間の関係を調べたんだ。銅イオンというのは、銅が水と接した時に溶出するもの。それで、濃度を段階的に変えた銅イオン溶液にレジネオラ菌を接種して、3時間、6時間、24時間、4日間ごとに作用させて培養してみたんだ。ほら、この写真では3時間後と4日間の実験結果が見ることができる。

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細菌が死滅するまでにかなりの時間がかかっていることがわかります。万が一、銅がウイルスを失活させる効果があったとしても、効果を発揮するのに数日もかかってしまうのであれば、ウイルス感染が成立ちゃうのでは無いでしょうか?

ちなみに銅を使ったウイルスを99.9パーセント除菌(笑)する抗菌マスクを説明している記事では

除菌効果の高い銅の繊維を肌触りが滑らかな選りすぐりのシルクで包み込んだ付け心地バツグンの美容衛生マスクの登場です。

とありますので、マスク不足に悩まされている一般の方をはじめ医療業界が求めているマスクとはちがったマスクなのかもしれません。

しかし、「美容衛生マスク」って何???

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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