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再生医療?再建医療? 失った鼻の一部を培養して再建手術した症例の報告

確かに再生させていますけど、正しくは再建医療です

再生医療といえばES細胞やiPS細胞を使用して、失った機能を回復させる治療のことを正確には示しますが、単純に「なにかを再生させた医療・治療」を以前は略して「再生医療」と呼んでいましたので、混乱を招いています。再生医療として実現化されている治療は日本では「角膜損傷の再生医療による治療」が初であり、皆さんが思い浮かべる失った臓器を再生させる所までは達していません。

失った毛髪を生えさせる治療を「再生医療」と呼ぶのは大げさであり、今では正しい用語の使用方法ではないのです⋯残念ながら実際には美容医療では使用されていますので、今後自主的に改めた表現が必要と考えます。Lancetというかなり権威のある医学専門誌に鼻の一部を失った人に対して、細胞を培養して移植したという興味深い報告がありました。「Engineered autologous cartilage tissue for nasal reconstruction after tumour resection: an observational first-in-human trial」(The Lancet, Volume 384, Issue 9940, Pages 337 – 346, 26 July 2014

これは厳密に言えば再生医療ではなく培養した細胞を使用した「再建医療」ですが、一般の方がイメージする再生医療ってこっちの方じゃありませんか??

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具体的に鼻の細胞を増やす方法

皮膚がんなので皮膚の一部を切り取った場合、今までは太ももなどから切り出した皮膚で皮膚の欠損部分を補っていた治療方法が一般的でした。今回の報告は皮膚がんを切除した時に鼻の軟骨を6mmほど取り出しておいて、軟骨細胞を分離して4週間かけて培養して、細胞のシートを作って欠損した部分に移植した方法です。

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こんな感じの軟骨細胞シートを作ったのです。軟骨を皮膚がんを取り除いた場所に埋め込んで、おでこから取った皮膚を被せと⋯。

軟骨細胞シートで皮膚ができる不思議

移植した軟骨細胞シートの部分を半年後に一部検査のために取り出して顕微鏡で覗くとそこには、脂肪組織も繊維組織も含んだ正常な鼻翼になっていました。皮膚の感覚も呼吸も通常に戻っていたと論文には書いてあります。今までも切り取った鼻翼の再建手術には耳や肋骨から取り出した軟骨を使用していましたし、小耳症の再建手術も軟骨をベースにして行なっていますので、人間のもともと持ち合わせている再生機能の不思議を感じるのではないでしょうか?このように人体の一部を培養して、失った部分を埋め合わせる技術は確立されつつある状況からすると、今後の応用方法としては鼻や耳へ肋骨などを使用しない治療が可能となり、美容医療においても治療の幅が広がることが予想されます。

再生医療と再建医療と明確に別ける必要があります

日本が世界に誇る医療技術であるiPS細胞を使用した「再生医療」は国策として推進されています。それ以前は幹細胞から抽出した成分である成長因子を使用した増毛法法を当院でも「毛髪再生医療」という表現を使用していますので、安易に「再生医療」という言葉を使用したことに対して反省をするとともに新たな表現方法を考える必要性があります。

毛髪再建治療となると「再建」っていうとビルの建て直しみたいな響きがありますし、「ハゲ治療」というのも直球過ぎて患者さんが「ハゲ治療お願いします!」とは言わないでしょうから、新しい呼び方を学会主導で決めていただきたいと思っています。

ちなみに当院が得意とする「再建治療」は鼻を高くしようとプロテーゼという人工の異物入れてしまった場合、それを取り除いて筋膜や軟骨を再挿入する治療方法です。なんでプロテーゼを取り出さないとならないか、というと鼻に入れたプロテーゼはかなり高い確率で将来的には鼻の皮膚を突き破ってしまうのです。皮膚を突き破ったといってトラブルの原因となるプロテーゼを抜き出すだけでは、せっかく高くした鼻はペシャンコになってしまいますので、それを軟骨や筋膜で補うというかなり複雑な治療方法なのです。この手術のスキルを持ち合わせた医師って日本では数えるくらいしか存在しないのが現実です。

もし、鼻に挿入したプロテーゼが心配になって美容外科を受診して「じゃあ、プロテーゼを一回抜いて、他のプロテーゼを入れましょう」なんて言われたらさっさとそのクリニックから脱出してください。シリコンプロテーゼが時間とともに異物反応を起こして飛び出してしまうことを理解していない医師と思われますので、数年後にまたもやプロテーゼが飛び出すことは必至です。