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炎上した「あたしおかあさんだから」の絵本作家と「胎内記憶」のトンデモ系医師の深い関係

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のぶみさんという絵本作家がいらっしゃいます。胎内記憶という科学的にありえない現象を主張して医学的にヘンテコな意見を積極的に子育て中のママやプレママに講演会等を通して、トンデモを拡散している池川明医師がいます。この2人の思想信条なのか、ビジネス方針が一致したのか、お二人はタッグを組んでさらなるトンデモをターゲットを絞った層に強烈にアピールしています。

教育番組「おかあさんといっしょ」の「あたしおかあさんだから」の歌詞に反応したネットユーザーの鋭どさに驚いた

最初「あたしおかあさんだから」の歌詞がなぜ批判され、ネット上で炎上したのか理由が分かりませんでした。よくあるお母さんをテーマにした童謡だと感じたのですが「子育てに専念するお母さんを賛美しすぎ」「母親の自己犠牲が美しく書かれている」などの理由が批判の原因のようです。

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この炎上を報じたハフィントンポストに童謡の歌詞が掲載されていて、よ~く読んでも「まあ、昔からある童謡じゃん」と思ったのですけど⋯昔と違ってこのお母さんのキャリアも歌われているぞ❗最近の童謡ってそんな感じなんだ的に受け止めたのですが⋯ネットの世界の人って、非常に鋭いです。この詩を書かれた方の思想背景を嗅ぎ取って「これなんだかヘン❗」って思ったんでしょうね。

なにを隠そう、この歌詞を書かれた絵本作家のぶみさん、トンデモさんと思われる胎内記憶とか経皮毒とかのニセ医学を提唱している池川明医師の影響を受けているのです。

今までも私は繰り返ししつこくヘンテコ医学の絶好のターゲットは子育て中の母親や妊婦さんです。池川医師はまさにその層に狙いを定めています。

池川明医師「胎内記憶」って赤ちゃんや母親に無茶苦茶プレッシャーかけていませんか?

池川明医師「胎内記憶」って赤ちゃんや母親に無茶苦茶プレッシャーかけていませんか?

私たちは、生まれてきた意味・生きる意味を見出すために生きて、日々悩んでいます。子供は親を選んで産まれてくるという考え方で救われる人もいれば、傷つく人もいます。反対に子供は親を選べないという考えに納得してしまう人も多いはず。前世や生まれ変わり、そして一度は胎内記憶について考えたことありませんか?

もともと本とか詩とか作者の意図しない読み方をされる傾向があるので、まあ、読者によって様々な受けとめ方ができるのは当たり前です。でも、やっぱりこの童謡の作詞をされた絵本作家さんと池川明医師の関係はかなり気になってしまいます。

絵本作家ののぶみ氏と池川明医師の関係

「胎内記憶」とか「胎教」を強く訴える普通の解釈ではトンデモ系の池川明医師ですが、熱狂的な信奉者がいることで、トンデモウォッチャーの間では知られた存在で、彼を定点観測している人も多いです。

「胎内記憶はありまぁす!」派に感じる違和感⋯。全力でツッコみます。

女性向けヘンテコリンなトンデモ系ニセ医学について観察している山田ノジルさんの記事。messyというサイト、実は私が今までブログネタとして利用させていただいているビジネスジャーナルと同じサイゾーという会社が運営しています。まあ、それはひとまず置いといて

池川明医師は、言わずと知れた胎内記憶研究の第一人者。本によると、子供の口から語られているのは「ぐるぐる回って泳いでいた」「ひもでつながれていた」などの胎内記憶です。精子記憶の証言では「たくさんの仲間がいて競争し、自分が勝った」なんてものも。

こんな話をもっともらしく拡散しているのが、池川明医師。私はどう見ても非科学的でありニセ医学の領域であると断定します。

池川医師は子供は親を選んで生まれてくる、との考えもありこれは必要ないプレッシャーを親とくに母親に与えるものに他なりません。また「母乳神話」というこれまたいらん苦労とプレッシャーを母親に背負い込ませる考えも池川明医師は強く主張しています。

「母乳神話」母乳で育てると赤ちゃんはもちろん、ママの病気も防ぐ、でも疑問だらけ。

「母乳神話」母乳で育てると赤ちゃんはもちろん、ママの病気も防ぐ、でも疑問だらけ。

母乳で哺育した母親は乳がんのリスクが低下する、母乳で育てた赤ちゃんの方が知能が高くなる可能性といった眉唾な情報がありますが、信じない人が大半とはいえ、一部の母乳こそ至高とする隔たった考えを持った人たちが母乳で育てないママさんは母親失格と決めつけるので医学的にきちんと批判しておきます。

トンデモ医学の伝道者である池川明医師と今回炎上した「あたしおかあさんだから」を作詞した絵本作家のぶみさんが仲良しさんであることを、ネットユーザーは鋭い感性で気が付いたんでしょうか?

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「東京・横浜ヒプノセラピスト&カウンセラー Takakoのブログ」 アメブロ

ちなみにヒプノセラピストとは催眠療法を行なっている人のことで、前世のこととか未来のこととか潜在意識とかを調べて病気や悩み事を解決するらしい、これまた怪しげな民間医療の一つと考えて間違いありません。

池川明医師ってこんな人なんだけど

ここで注意があります。私は今回の「あたしおかあさんだから」は、子育てにおけるワンオペ育児を褒め称えている感はありますが、内容自体は今風の童謡はこんな感じだろうと思っています。

「蟹工船」や「セメント樽の中の手紙」の愛読者が共産主義信奉者であるはずもなく、三島由紀夫ファンの全員が愛国者であり右寄りであるわけでないと思います。

また作家や作詞家、詩人の中にも自分の思想信条とは別の考えの作品を書き上げるばかりでもないので、絵本作家のぶみさんの作品である「あたしおかあさんだから」の受け止め方は聞いた人、読んだ人それぞれの違った解釈でOKのはずです。

でも、のぶみさんは「このママにきーめた!」という絵本もお描きになっているので⋯池川明医師の影響を強く受けているのは間違いなさそうです。

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私はこのシリーズ全部持っています。

池川明医師はトンデモ医学の御大真弓定夫医師とがっちりタッグを組んでいます。これでも池川明医師のトンデモさがわからない方はこれをどうーぞ。

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http://www.30ans.com/memory/backnumber/200609.html

さらに養生LABOというサイト(http://youjo-labo.com/shampoo-from-amniotic-fluid-4234.html)で

よくネットとかに経皮毒の問題で羊水がシャンプーの匂いがしたなど 書かれていたりしますが、それは本当なんですか?

との問いかけに対して池川明医師は

「先生、ちょっと来てください」って。「どーしたの?」って聞くと、「何か匂いません?」結構広い部屋なんですが、部屋に入った途端にすごい 臭うんですよ。これが例のシャンプーかと思いましたね。

と返答しています。さらに

特にその方は、毎日朝晩シャンプーしてたみたいで、だから臭うんだなと思いましたね。

とも。経皮毒、特にシャンプーが原因で羊水がシャンプー臭いなんてデマと考えて問題ないことを拡散しております。

私は経皮毒は非科学的なニセ医学であり、これを流布する人、特に医師を批判してきました。

都市伝説「経皮毒が原因で羊水からシャンプーの臭いがした」⋯ニセ医学です

このようなトンデモ医学を拡散している医師の影響を絵本作家のぶみさんは受けている可能性があることは、知っていても邪魔にはならないと考えます。

そういえば、のぶみさんの絵本って以前も話題になりました

夫婦喧嘩の後に珍しくご主人が子供さんに絵本を買ってきてその本が「ママがおばけになっちゃった! 」だった、なんて話も耳にしました。この絵本の内容はママが交通事故にあって死んでしまって、残された4才の息子さんがオバケになったママとの交流を書いたもです⋯アレアレ、これも作者はのぶみさんだ❗この絵本も一時期ネット上で賛否両論が議論されていました。のぶみさん、とかく話題性のある作品を創作しているいい意味でも悪い意味でも話題性ある方なんですね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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