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鳥インフルエンザ対策はまず敵を知ること!

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一般的にウィルスは細菌の一種類と思っている人が多いのではないでしょうか?それは大間違いです。かぜはウィルスによって発症しますが、抗菌剤は無効です。

ところでウィルスとはなんだ?

いつも風邪をひくと抗菌剤が処方されるけどと思うかもしれませんがが、ウィルスによって弱った体は二次感染といわれる細菌による感染がある場合は抗菌剤が処方されるのです。残念ながら風邪を引き起こすウィルスは200種類くらいありますので、それらすべてに効果がある薬はありません。ウィルスは細胞を持っていない!ので生物学的には生き物ではないとされています。

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わかりやすく説明すると遺伝子はもっているが、自分自身の体をもっていないと考えるといいかもしれません(医学的には正確な表現ではありませんのでご注意を)。ウィルスは他の生き物の細胞内に入り込んで、自分の遺伝子をどんどん増殖させているのです。良く使う比喩で「あいつは寄生虫の様なやつ」はウィルスにピッタリの表現です。

通常のインフルエンザとの違い

今までに何度も人類は新型インフルエンザに襲われてきました。はじめてのウィルスに対して人類はまったく抵抗手段をもっていません。しかし、何パーセントかの人はたまたま襲いかかってきたウィルスに対しての抵抗力を持っていたので人類全滅は避けられてきたのです。今の私たちは医学の歴史で考えると常に登場してくる新型インフルエンザから生き残ってきた人々の末裔なのです。今までに流行してある程度の記録が残っているのはスペインかぜと言われている世界中を襲ったパンデミックです。世界中の50パーセントが感染し、25パーセントが発症し、なんと2000万人近くが亡くなったのです。
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今回の鳥インフルエンザは当時のスペインかぜと同じように今まで人類が襲われたことがない遺伝子をもったものなので、もともと免疫力がある人類がどれだけいるのか予想できません。

対策はどうすればいいか

インフルエンザの予防というとマスクをする方が増えますが、一般的なマスクは残念ながらウィルスの侵入を許してしまいます。もちろん感染した人が咳などによって第三者への感染を防ぐという意味はありますが、十分効果があるとはいえません。万が一インフルエンザに感染した場合は、他人との接触をできるかぎり避けることはマナーだと考えます。感染する経路は感染した人の咳・鼻水によって付着した分泌物が、手などに付着してそれが口から入ることが一番の原因です。その対抗策としてはこまめな手洗いです。特に外出先から自宅・職場に戻ってきた時は十分に特に指の間と手首を含めた手洗いを行いましょう。また、言われ古されている十分な休養・睡眠・食事は人間本来の免疫力を高めることになりますので、日ごろからの注意が必要です。あなたが職場で上位の立場であったら「熱くらいで休むなよ」は禁句です。また、あなたも「休む勇気」が必要です。万が一あなたが感染したら、不要な外出は新たな感染者を増やしてしまうことになりますよ。あなたに移された方がまた誰かに移して⋯・これがパンデミックのきっかけになるかもしれません!

薬は効くのか

現在発表されている情報ですと既存のタミフルを含む抗インフルエンザ薬は効果を発揮するようです。

  • タミフル
  • リレンザ
  • イナビル

しかし、ウィルスはドンドンお薬に対する耐性を自分の遺伝子を変えることによって獲得していきます。ということは今回の鳥インフルエンザ騒動が悲惨なパンデミックを起こさなくても、密かにさらなる新型インフルエンザが生まれている可能性があります。こうやって生き物の歴史が続く限りウィルスは生き残っていくのです。

国立感染症研究所にお願いがあります。

こんなに騒ぎになっているのに、国立感染症研究所の感染症情報センターを検索結果をクリックすると
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ダイレクトに検索ヒットするようにしてほしいです。
また公開している情報が英文だと利用する人は困惑します。もっとわかりやすいHPに改善できないのでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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