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日本における医療事故
日本においては医療事故とよばれるものの実際の発生件数を全て把握することは事実上できていません。公益財団法人日本医療機能評価機構というところがデータを収集して報告をしています。 昨年の結果
具体的なチェック項目とは
以前、海外の新聞で読んだ記憶があったのですが、何に掲載されていたか思い出せなかったため休日にスクラップブックを引っ掻き回して、関連記事をやっとみつけだしました。さらにそのチェックリスト自体も見つけました。 これです。
新聞の基調は海外も厳しい
海外の新聞は2009年のThe New York Times でした。医療では手術の合併症を予防したり医療事故を防ぐためには多大なコストがかかるが、実は簡単なチェックリストが手術による死亡率を減少させ、医療費全体もコストを下げられるというような内容でした。 日本の場合、患者さんの被害に論調が傾きがちで医師の責任を問うことが多いのですが、医療費というコスト面から話題を広げるという日米に違いも興味深いてんでしたのでスクラップしてあったのです。 さて、そのチェックリストの内容ですが、当たり前といえば当たり前の事ばっかりなんです。 例えば ・患者さんが手術を受ける当人であるかを確認する(実は私の出身大学で取り換え事件がありました⋯事故ではなく事件です) ・医療スタッフは手術器具が滅菌されていることを確認する ・必要な治療機器が揃えられているか確認する ・感染を防ぐための事前の抗菌薬の服用がなされているか確認する ・監視装置が作動するか確認する ・術前に撮影された画像検査の結果が用意されているか確認する などの極々当たり前のチェック項目が表となっています。果たしてその効果は⋯
効果は抜群でした。 アメリカ、カナダ、ヨルダン、タンザニアなどの病院で7688人の手術に際してこのチェックリストをしようしたところなんと ・平均死亡率は1.5パーセントから0.8パーセントに減少 約半分 ・平均合併症率は11パーセントから7パーセントの減少 約4割減 と非常に効果を上げたのでした。 元々医療技術の差や改善の余地の幅によってこの結果はかなり左右されますので、もっと多くの病院でこのチェックリストを使用して結果をまとめる必要はあるとは思います。しかし、日本でマスメディアを騒がす医療事故のほとんどはなんでそんな単純なミスがおこったのか?と思われるようなものが多いのではないでしょうか。だからこそマスメディアは大騒ぎをするのです。医療現場以外ではやっている単純なチェック
電車に乗るときに駅員さんが指さし確認をしていますね。バスの運転手さんも一々指さし確認をしていて少し滑稽に思えることもあります。当たり前のことですが、単純な指さし確認が事故を防ぐことが証明されているから取り入れられているのです。