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なぜ、一重まぶたの人は二重まぶたに憧れ、二重まぶたメイクや手術ををするのか?

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日本人はぱっちり二重の人と一重の人が混在しています。一重まぶたの人で、二重にしたがる方が多いのでアイプチ・整形が人気です。これは、なぜなのか?真剣に考えてみました。日本人が島国で欧米への憧れから生まれた西洋コンプレックスの表れなのでしょうか?それだけでは説明がつかないと思い、医学的に考察してみました。

一重まぶたを二重にする必要があるか?

人には言えない悩みがあるのは人間として当然ですし、こっちが気にしていなくても本人にとっては悩みのタネであることは人生を送る上で誰もが経験することです。

当院は美容医療部門もあり、中でも一重まぶたを二重まぶたにしたい、との希望者も多いのです(五本木クリニック美容担当医師及び美容スタッフの聞き取り調査による笑)。

私は二重まぶたであり、家族も見回す限りは二重まぶたばっかり。友人知人の顔を思い浮かべて、誰が一重まぶたで、誰が二重まぶただったかなんて気にもしていなかったので、全然わかりません。

でも、やっぱり一重まぶたの方は悩んでいることがこの記事を読んで再確認しました。

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産経新聞「【二重VS一重!】9割以上の女性が重ための一重よりもぱっちり二重の方がモテると回答!一重まぶたの悩みとは⋯? 」(https://www.sankei.com/economy/news/190415/prl1904150358-n1.html)

この調査の信頼度等に関しては追求はしないけどね(笑)。

なぜ一重まぶたの人と二重まぶたの人がいるのか?一重まぶたと二重まぶたを比較した場合、どのような医学的な違いが生じてしまうのか?一重まぶたを二重まぶたにする治療方法とはどのようなものかを考えてみます。

前掲の調査以外にも興味深い論文があります。

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埼玉女子短期大学研究紀要 第23号 2011.3

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自分自身の理想と求められる理想、共に二重まぶたであるとの結果になっています。

やはり一重まぶたの方の多くは気にしていて、二重まぶたになりたいと考えているのですね。

そもそも東洋人は一重まぶたで、西洋人は二重まぶた、は正しいのか?

色々と自分なりに調べたつもりなのですが、日本人における一重まぶたと二重まぶたの割合に関して、信頼にたるデータは発見できません。でも、とにかく一重まぶたと二重まぶたに関して話を進めます。

私も訪れたことがある兵馬俑、ここにズラッと並んだ兵士は全員一重まぶた(そんなこと気にして見ていなかったけどね)。

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AFP「兵馬俑はなぜ一重まぶた? 三つの説」(https://www.afpbb.com/articles/-/3181512?pid=20320488)
  1. 二重まぶたの兵士もいたけど顔料が落ちて、一重まぶたに見える
  2. 二重まぶたにすると手間がかかるから、一重まぶたにしちゃった
  3. 一重まぶたは漢民族のシンボルだから

と、3つの理由があげられています。西洋人であるから二重まぶた、東洋人だから一重まぶた、と断言するのはちょいと難しいように思えます。

私は西洋人(白人)でも一重まぶたの人はいるような印象があります。

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この方は一重まぶた?二重まぶた?奥二重という複雑な表現もありますし⋯。

たぶん、コーカソイド (Caucasoid) であっても、遠い昔にどっかでモンゴロイド (Mongoloid) と混じり合ったのかもしれません。そうなるとコーカソイドとモンゴロイドのハーフの子供のまぶたは一重になるのか、二重になるのか、気になってきます。

一重まぶたの遺伝子は劣性遺伝(この言葉は非常に良くないです。劣っているわけでは無く、「潜性遺伝」と言い換えることを日本遺伝学会は決定しています)です。

一方の二重まぶたの遺伝子は優生遺伝(この優生も良くないため、「顕性遺伝」と書くのが本来なら推奨されます)です。

遺伝子の点で考えると確率的には低くても西洋人であっても、一重まぶたの人がいても良いような気がするのですけどね。

二重まぶたの美的評価は江戸時代にもあった?

一重まぶたが生活上でどのように不利であるか、こんな記事がありました。一重まぶたであると目が小さく見えること、これは女性にとって重要なポイントのようです。

目が小さい人は一重のことが多いとされます。一重だとどうしても目が細い感じになり、小さく見えてしまいます。奥二重も小さく見えますが、二重だと目がパッチリとして大きく見えるのが対照的です。

https://spicomi.net/media/articles/1588

この記事にはさらにこのようなことも書かれています。

日本人は7割程度が一重だと言われています。一重でもむくみがなかったりすると、小さく見えない場合があるようです。

前掲の調査の結果は一重まぶたの人は33パーセント、この記事によると70パーセント前後、ということになりますので、前掲の調査結果が間違いか、あるいはこの記事のデータが間違いか、ということになりますね(だから、信頼度に関しては調べなかったの)。

明星大学人文学部日本文化学科のサイトの「日本人は二重まぶたをどのように見ていたのか」(https://www.jc.meisei-u.ac.jp/action/course/039.html)には興味深い話が書かれています

酒に酔ってとろりとなった目つきが、「フタカワ目」ということになりましょう。その二皮目が一時的なものではなく常の状態であれば、しかもそれが女性であれば、これは色っぽい目つきという以外の何物でもないでしょう。

さらに

この二重まぶたをめぐる価値転換をもたらした背景にあったのは、欧米人の視線です。実はこのコンテストは、アメリカの新聞社であるシカゴ・トリビューン社が日本の新聞社である時事新報社に、世界美人コンテストの一環として要請したものでした。

とも書かれています。

顔の美醜についての欧米人の価値観を自らのものとして受け入れ、日本人の顔をその新たな価値観に沿って序列化しようとしたのです。

との結論に至っています。

まとめてみると、一重より二重まぶたの方が魅力的であり、さらに明治時代以降は西洋人っぽく、というか西洋人目線で見た場合の美の基準の1つが「二重まぶた」だと考えられるようになったのですね。

医学的見地による、一重まぶたと二重まぶたの違い

一重まぶたと二重まぶたにはどのような医学的な違いがあるのか、これを画像等を使用して誰にでもわかりやすく説明しているサイトはなかなか見つかりませんでしたが、岐阜県にある松波総合病院の説明が医学的にも正しくて、わかりやすいので引用させていただきます。

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松波総合病院「一重まぶたと二重まぶた」(https://www.matsunami-hsp.or.jp/iryou_jyohou/ishi_colum/hitoemabutahutaemabuta/) 

一重まぶたの人は目を閉じていても、目を開けていても眉毛と上瞼の端との距離がほとんど変化ありませんが、二重まぶたの人の場合は大きく差が出ています。二重まぶたの人は目を開けたときに、眼球表面を覆っている皮膚を畳み込んでいるのです。

目は常に瞬きをして、まぶたは閉じたり開いたりしていますので、二重まぶたの方が目がぱっちり見えるようです。

また、目が大きく見える効果も二重まぶたにはあるようです。

セルフで一重まぶたを二重まぶたにする方法

とにかく、産経に掲載されいた記事によれば90パーセント以上の女性が二重まぶたの方が一重まぶたよりモテる、と回答していますし、二重まぶたを希望するが故に66パーセント以上の一重まぶたの人がアイプチを使用したことがあるとの結果になっています。

人類学的とか医学的とかの問題は端折って、とにかく一重まぶたより二重まぶたにしたいとの希望者が多いとの当院の調査結果とも一致しています。

では、アイプチや手術以外に一重まぶたを二重まぶたにする方法はあるのでしょうか?

モンゴロイドは寒い地域に住んでいたので、まぶたに脂肪が溜まることによって一重まぶたになっている、と解釈も存在してます。

そのためか、まぶたの脂肪をとるマッサージを行うことによって、一重まぶたを二重まぶたにする方法がYouTubeにありました。

その解説は

3分で目元がパッチリするフェイシャルマッサージのやり方です。リンパを流しながら、一日の疲れを癒すこともできます。

besthowtovideo

なので、一重まぶたを二重まぶたにするわけでは無さそうです。

まあ、マッサージを伝授している人がもともと二重まぶたなので、説得力はありませんね。

こんな記事も見つけました。

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「憧れの二重まぶたになる方法って?一重さんのアイメイク方法も伝授」(https://woman.excite.co.jp/article/beauty/rid_Myreco_203/)

即効性はありませんが、化粧品やアイテムを使わず、自然に二重まぶたになるのがポイントです。

と書かれてますが、実際にこの方法によって一重まぶたが二重まぶたになるのかは不明です。

ご自宅で簡単に一重まぶたを二重まぶたに、というわけには行かないようで、最終的には化粧方法を工夫して魅力的な一重まぶたにしましょう、ってことになっているようです。

実は私もアイプチや化粧方法で工夫すればいいじゃん、と思っていたのですが⋯。

一重まぶたを気にする必要なし、とは言えないようです(汗)

私個人的には一重まぶたであろうが、二重まぶたであろうが気にする必要ないじゃん、なんて考えていたのですが、このような考え方が女性ファンを失う大きな原因であろうと反省しております。

時々、「先生のところって美容やっていますよね。二重の手術もやっていますか?」と一般診療中に質問されることがあります。「えっ、二重じゃないの?」と若い女性患者さんの顔を見ながら返答すると、「アイプチっ」との答え。

なんでも、ある患者さんによれば、ご自分の気に入った二重にするために、毎朝1時間近くかけて、一重まぶたを二重まぶたにしているとのことでした。毎日一時間もアイプチ片手に鏡に向かっているのです。

それはどう見ても時間の浪費と判断できますので、「もちろん二重まぶたにする手術は美容部でやっているよ」とお伝えするしか私には選択肢がありません。

話はもとに戻ります。当院では二重まぶたにする手術をひっそりと行っていますので、私ではなく、美容担当医にご相談くださいませ。この治療方法を「美容整形」と呼ぶのには抵抗がありまし、「美容皮膚科」と呼ぶのも違和感が。

やはり「プチ整形」と呼ぶのが適切かも(なお、プチ整形との言葉はあまりにも簡単に治療できるイメージがあるため、ガイドライン的には使用するべきでは無い、とのご意見もあります)。

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当院の二重まぶたのおすすめ治療法

気に入らなければ、糸を抜くだけでもとに戻りますので、永久的な治療では無い点にご注意ください。もちろん男性も大歓迎です。

しっかり二重を希望する方には切る方法もご案内しています。若いうちに切る二重まぶた治療を受けると、歳をとってから左右差などが気になることがあるために、院長としては埋没法と呼ばれる切らない治療を推奨します。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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