●一般診療のお問い合わせ

0120-50-5929

03-5721-7000

お電話受付時間

診療時間に準じます。

●美容診療のお問い合わせ

0120-70-5929

03-5721-7015

お電話受付時間

10:00~18:30(木曜・祝日休)

院長ブログ

伝統的民間療法「里芋湿布」おばあちゃんの知恵をいじめるな!!(笑)

おばあちゃんの知恵「里芋湿布」がイチャモン付けられているとの話が。

数々のトンデモ医療を俎上に載せてきた私ですが、実はおばあちゃんの知恵的な民間療法は嫌いではありません。

まあ、民間療法が科学的・医学的な効果効能に関しては疑問点が多数であっても、まさかそれを心の底から信じて、病状が悪化しても伝統的な民間療法オンリーで治癒を望まない人がほとんどであることが大前提ですけどね。

先日、「里芋湿布」なる民間療法(これが伝統的なものであるか、本当におばあちゃんの知恵的なものであるかについては後述)が、日本テレビの「スッキリ」でいじめられたようです。

https://twitter.com/z45YiEa3xiBNLrW/status/1226659980792610818より画像のみ拝借。

同時に「キャベツ枕」というかなり以前から真っ当な医師に批判されたトンデモ健康法もお題として登場したようです。

キャベツ枕は誰がどう考えても、頭痛や発熱に効果あるわけないじゃん、と判断すると思っていたら自然派拗らせた方面の助産師さん界隈で根強い人気があったりします。

話を里芋湿布に戻しますね。

私がコレクションしているトンデモ系の資料として、里芋湿布に関して一番古いと思われる一次ソースは「家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法」(東城百合子 著)です。

由緒正しい、健康で一家だんらんのお供、「家庭でできる自然療法」をもとに里芋湿布の効果・効能を検証してみたいと思います。

おまけ:いつも私を叱っていた小学校の担任の先生に「お前が他の先生に怒られていると、その先生に腹が立つんだよなあ」と言われたことを思い出しながら、このブログを書き出しました笑。

里芋湿布の正式名称は「芋パスター」です(笑)

日本テレビの「スッキリ」で里芋湿布をいじめていた医師は、多分トンデモ医学に造詣が深いわけじゃないと思われるので、トンデモさんに対する愛情が感じられません(怒w)。

さらにトンデモ案件である「里芋湿布」の歴史さえ紐解かない姿勢は大いに反省するべきです(ウソ)。

昭和53年に東城百合子さんが書かれた「家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法」では「芋パスター(里芋湿布)」と明記されています。

これ、著作権等に抵触する場合はご連絡ください。速やかに削除します。

まず、「パスター」という古式ゆかしい用語にトンデモ初心者は驚かされるのではないでしょうか?

パスターは英語で石膏を意味する「Plaster」が語源であろう、と私は当初判断していました。里芋をこねこねして、それを患部にあてがい「手当」する。見た目が石膏を患部に塗り付けたように見える風景をみて、大正14年生まれの東城さんが「これはパスターね」と命名したんだろうなあ、なんて妄想をしながら思考を巡らすのもトンデモ散策の楽しみの1つです。

謎の言葉「パスター」は「Paste」が語源じゃないかとも考えられます。

これも粉をネリネリしたものを意味する英語ですし、イメージ的にはもろ「ペースト状のもの」ですから。ちなみにパスタロンという外用医薬品があります。英語では「Pastaron」と書きますので、そもそものパスターの元の意味というか語源は「Paste」が正解なんじゃないかなあ・・・。

じゃあ、なんでパスターって「ー」で伸ばすのか。これはよく地方ほ観光地の寂れた売店にあるじゃん「コーラー」って伸ばしちゃっているのが、あれの流れだと強く予想します。

トンデモを愛するということは、どんな些細なことであっても一次ソースを見つけ、その定義を明確にして、それから俎上に載せるのが決まりです(って、誰が決めたんだw)。

里芋湿布の効果効能は「熱のある痛み、捻挫、喉の痛み、乳腺炎、肋膜炎、リュウマチ熱、がん」と前掲の自然療法には書かれています。

ええっ!!ガン等の特効薬!!えええっーーーー!!

里芋湿布をいじめた医師を叱りつけてやろうと思っていたら、里芋湿布は可愛らしいおばあちゃんの知恵系伝統的民間医療の範疇を超えちまっているじゃないですかあ!!

ちなみにこの本には「かゆい人はじゃがいもを代用してもOK」という、里芋である必然性を覆す、かなりカジュアルな記載もあります。

がんの特効薬、里芋湿布・・・これは庇いきれません

「家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法」には、真っ当な医師であっても、若干トンデモ臭がする医師であっても飛び上がって驚く話がぞろぞろ記載されています。

●植物人間の子が立ち上がった

●全身ガンの苦しみも自然療法で健康になった

●コカコーラ中毒から立ち直った

●咽頭がんが2ヶ月で消えた

●脳出血が自然療法で全治

などなどです。

なんとな〜く、新聞広告で見かける民間健康雑誌の見出しの元祖を見つけたような、清々しい気分になってしまうのも、トンデモウォッチャーの複雑な心理の1つですね(笑)。

私の住む世界とは別の世界に生きていらっしゃる方々の間では、当然、がんであっても里芋湿布で完治しちゃうのでしょうねえ・・・。

里芋湿布でがん治療の医学的メカニズムについて

こんな報告があります。

生姜湿布で良い血を集めたところに、里芋湿布をすると、患部から毒を吸い出すことが出来ます。ガンであればガンが広がっている形に体の表面の皮膚の色が変わります。

だはははっ、このがんはかなりリスキーな状態にあるのではないでしょうか、かなり心配になってしまいます。

このトンデモが書かれているサイト(http://npomedaka.net/wisdom/satoimo)、実は私とは深い深い関係があるグループのものです。

なんで私のようなニセ医学を徹底的に批判し、トンデモ医学を笑い飛ばしている人間が、このようなかなり自然派を拗らせたグループと交流があるかに関しては、多くの人のご迷惑になる可能性がありますので、今回は触れませんね(以前、どっかのトークショウで喋ってしまったかも)。

封書の裏面、かなりキテいます。

私はこの会の主宰者のおばさんが、知ったかぶりをして、純朴実直を絵に描いたような農家のおじさんに水田の中でド叱られた場面に遭遇したこともありましたっけ。

里芋湿布で毒素が出てきたとの話に戻ります。

乳がんを患っていた方が自然派を拗らせに拗らせ、手当として里芋湿布を乳がんの患部に当てました。その結果、翌朝には里芋湿布を覆ったガーゼがドス汚れた分泌物にそまったのです。

それを見て「わあ、がんの毒素が里芋湿布に吸収された!!」とその方とご家族は喜んだそうですが・・・その状態は乳がんが皮膚を突き破って汚染された滲出物がガーゼに付着しただけにしか、医師である私には見えません。

中には腹部のがんが腹膜に広がって(腹膜播種)いるのに、里芋湿布を使用して様子を見ていたら腹膜播種が皮膚を破って体外に漏れ出てきてしまったと考えられる例さえあります。

参考サイト
サイゾーウーマン(https://www.cyzowoman.com/2018/10/post_206037_1.html)
参考図書
「乳がんと里芋湿布 写真でつづる手当て・食事・こころの記録」(鬼塚晶子 著)

民間療法、トンデモ医学、ニセ医学の境目について

おばあちゃんの知恵や伝統的な民間療法を悪用した、かなりタチの悪い人々もいます。自然派方面でインチキ治療を推奨している人々の中にはNPO法人を立ち上げて、信用度を高めようと試みる一派もあります(実際にNPO法人を作るのはそれほど大した手間はかかりません)。

私は可愛らしいおばあちゃんの知恵的な伝統的民間療法を頭から否定しません(毒にも薬にもならない、あるいはちょっと薬になるけど毒にはならない)。

本人が真面目に語れば語るほど、別の意味で笑ってしまうようなトンデモさんを優しい眼差しで見守りながら、悪の道に進まないように、趣味としてウォッチングしています。

しかし、標準治療を受ける機会を損失させるような、ニセ医学に関しては真っ向から、詳細な質の高い科学論文・医学論文を提示しながら厳しく批判していく活動は微力ながら継続せていただく所存です。

ちなみに里芋湿布ですが、熱の痛みにはそれなりに効果はあると思います。

高校で学ぶ熱力学第二法則を知らなくても、誰でも感覚的に理解できるのではないでしょうか?お風呂が熱い時は誰でも水を入れるでしょうし、暑ければプールに入りたくなるでしょうからね。

おまけ:「スッキリ」でキャベツ枕や里芋湿布などのトンデモ医学やニセ医学を批評していた医師が書かれたトンデモ本がそういえば書棚にあったような気がしないでもありません。書棚の整理ついでにその著作を見つけたら披露しちゃおうっかなあ。