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40代から気をつけたい、サルコペニアとサルコペニア肥満について

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サルコペニアとは英語でsarcopeniaと書きます。肉を意味するギリシャ語のsarxと少なくなるを意味するpeniaを合体させて作られた医学用語です。肉が少なくなる、人間は歳をとれば筋肉量が減っていきます。このサルコペニアと肥満についての記事です。

NHKあさイチ「40代から要注意!サルコペニア肥満」ってやってた

あさイチって時々朝には相応しくない内容を取り上げて、あのNHKが!って驚かせるのですが、私が見る限り実は「ためしてガッテン」より正確な医学情報を提供していることが多いのです。最近患者さんがしきりと「サルコペニア、サルコペニア」というのでなんでかと思って調べてみると、やはりあさイチでサルコペニア肥満を取り上げていました。

普通のサルコペニアではなく「サルコペニア肥満」。この辺りが健康に関心のある人がみる「ためしてガッテン」とちがって、多分主婦向けに制作されているので(朝に相応しく無い内容も)、サルコペニアだけでは視聴者の関心を引かないために、肥満をプラスしたという制作スタッフの市場調査力に脱帽です。

サルコペニア肥満

                                   

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/より

サルコペニアとは?

サルコペニアはsarcopeniaと書きまして、肉を意味するギリシャ語のsarxと少なくなるを意味するpeniaを合体させて作られた医学用語です。今現在は当たり前のように医学用語として使用されてはいますが、実のところその定義さえ日本においては明確にはなっていないんです。単純に言えば年齢とともに筋肉量が減ってくる⋯これは当たり前、だけど筋肉が減ってくると、足腰が弱くなって転倒とかの危険がでてくるので、高齢者の生活のしつQOLが落ちてしまうから問題ですね、という点から注目されているのです。

といっても年を取ってからいきなり筋トレを始めるのもそれなりに無理がありますので、他にサルコペニアと関連している因子を探している研究者もいます。今のところハッキリ分かっているのは「年齢(当たり前!)」「血管の固さ」「インスリン抵抗性」などが関連因子として知られています。

サルコペニアの筋肉の状態

サルコペニア肥満とは?

サルコペニアに肥満がプラスされた状態という、まんまの意味なんですが、これが40歳代から気をつけないと将来骨折など生活の質を落とした老後を送る事になるから気をつけましょう!というのが今回の内容です。

    サルコペニア肥満の診断は簡単で

  • BMIが25以上
  • 骨格筋の割合が女性で22%未満、男性で27.3%未満

です(あさイチより)。でもサルコペニア自体の定義がハッキリしていないのに、さらに肥満をプラスして考えているサルコペニア肥満の基準って、確実なエビデンスは無い様な気がしないでも無い様な気がします、と少し歯切れに悪い記述になってしまいますです(日本語まで少し変になってきた)。

でも患者さんが「私サルコペニア肥満じゃないでしょうか?」とお尋ねになった時に「それはまだエビデンスが確実じゃないんで⋯」なんて回答をしていたら町医者失格です。そんな時は「サルコペニア肥満って筋肉量を確実に測定しないとできないんですよ、それにそんな検査をそこらの大病院が簡単に受けてくれないですよ」と答えるのも一つですが、それではまだ町医者としてはランクは低いものになります。そんなときは他の考え方を患者さんに提示して、それこそ町医者の上級者となれるのです。

サルコペニアとサルコペニア肥満の危険因子

サルコペニアの危険因子としては血管の固さである動脈硬化の指標である「上腕ー足首間脈波伝搬速度」なんです。足首と腕に測定機器を装着してそれによって血管の老化度を判定するのです。気の利いた人間ドックではオプションとして行なわれています。もちろん通常の医療機関でも測定器を導入しているところも多くなっています。

さらに「インスリン抵抗性」です。これは空腹時の血糖値、空腹時のインスリン量、ヘモグロビンa1cなど簡単な血液検査で判定することが可能です。さらに一番問題になるのは内蔵肥満です⋯つまりメタボ。サルコペニアだけの人とサルコペニアプラス内蔵肥満の人を比較した場合、ふらつき易く、つまり転倒し易い傾向は内蔵肥満を合併している人に多かったのです。

サルコペニアやサルコペニア肥満の問題点は将来的に筋力が衰えて転倒して、骨折して、寝たきりになって、と言う事ですのですのでこの辺りを整理しますと 加齢で内蔵肥満になる→年齢で筋力も落ちるのでサルコペニア肥満になる→インスリン抵抗性が増える→動脈硬化が進む→ふらつきが増える→歩行や階段の上り下りがおっくうになる→さらに筋力が落ちる→振り出しに戻る という悪循環が始まってしまうのです。

サルコペニアと肥満の関係

サルコペニア肥満の対抗策

内蔵脂肪を増やさない、血糖値に気をつけるなどはメタボリックシンドロームの注意を同じですね。さらに内臓脂肪を増やさない程度の運動ではなく、筋肉を鍛える程度の運動をしなくてはいけません。筋肉をつける為にはタンパク質を積極的に摂らないといけませんね。年をとるとどうしても内蔵脂肪がつき易くなります。つまり、肥満が無くても筋肉を維持又は鍛える為に栄養に気をつかい、肥満があれば痩身のためのダイエットとしての食事と運動だけではなく、筋肉を増量するための運動も必要になってきます。

となると運動としてはヒンズースクワットが良さそう。

画像

WWEのスーパースター John Cena!!

そういえば友人の医師が言っていました。「昔は和式トイレだったので、日夜ヒンズースクワットを行なっていた日本人が洋式トイレになってから足腰が弱くなったんだ!健康の為には和式トイレを復活させよう!」と声を大にして(酔っぱらっていた)主張していましたが、男って和式で屈んで用をすますのって「大」の時だけだと思うんですが、彼は「小」の時もかがみこんでいたんでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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