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韓国で日本人女性が整形手術後に死亡⋯❗韓国美容整形の裏事情

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韓国は整形大国、日本より安い?という理由で、わざわざ韓国に整形手術を受けにいく女性が増えているようです。韓流に始まり、K-POPブームも落ち着き、日韓関係が冷え込もうが、韓国好きな女性は減ってはいないようです。今回は日本人が韓国で整形手術後に死亡したというニュースから韓国美容業界の裏事情を紐解きます。

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美容整形目的で韓国を訪れる日本人⋯死亡事故が起きてしまいました

韓国ブームも日韓の関係悪化によって下降していると多くの方が感じていると思います。ある時期K-POPが流行り、みんな同じ顔じゃん、そりゃ整形しまくりだからだよね、と囁かれていました。最近遅ればせながらK-POP番組をCSでチョイチョイ観ていますが、グループの場合、各々の顔をじっくり見ると全然コピペでもないしプロの目から見てもそれほど大掛かりのな美容整形をしている気配はありません。しかし、なぜか韓国は美容大国というイメージを持った日本人が多く、美容整形目的で韓国を訪れる方が未だにいるようです。経済的に落ち目と言われている韓国から驚きのニュースが飛び込んできました。

整形手術後の日本女性が宿泊先で死亡❗

はじめレコードチャイナに数行の記事でこのニュースを知りました。ニュースソースとしては信頼度微妙な為、ブログにするのを控えていたのですが、朝日のデジタル版に掲載されていますので実際にあった事件として考察を加えます(朝日の信頼度も微妙とのご意見もありますけど)。

日本人女性、整形手術後に宿泊先で死亡 韓国・ソウル:朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASHD76FFJHD7UHBI01G.html

美容整形を受けた数日後に宿泊先で死亡⁉

報道では整形手術とありますので、脊椎の手術か膝の手術かな?と一瞬思いました。前立腺がんのロボット手術では韓国は日本より進んでいた時期がありましたし、脊椎の手術もかなり高度なことを症例多数行っている施設が韓国にはあります。

今回の韓国での死亡事故の記事によれば「鼻と顔の輪郭を治す手術」を受けたとありますので、美容整形目的で韓国を訪れたに間違いありません。大掛かりな手術をした場合、入院すると普通は考えますがなぜ入院ではなく宿泊先で死亡ということになったのでしょう?

鼻の手術はともかく、顔の輪郭を変える手術となると骨を削る必要があります。骨って出血しだすとなかなか止まりにくいですし、手術が終わってもじわじわと出血するため入院施設がない美容外科で手術をするなんて常識的な医師なら怖くて手を出せません❗日本でも残念ながら美容整形を受けて死亡事故が起きていますが、その多くは脂肪吸引または顔の輪郭を治すために骨を削る手術です。骨を削る手術の場合、出血がじわじわと続き数日後に血液が喉に詰まって窒息死という場合もありますので、入院して受けるべき手術なのです。

脂肪吸引の危険性「死亡率ってどのくらいなのでしょうか?」

脂肪吸引の危険性「死亡率ってどのくらいなのでしょうか?」

体重減少を目的としない脂肪吸引の危険性についてFDAはしつこく注意喚起しています。アメリカと日本とでは医療はもちろん美容に関する環境が異なりますが、その点を踏まえて脂肪吸引について医師が掘り下げます。

なぜ韓国で美容外科手術を受けるのか⋯韓国の国策

韓国は医療で訪れる人を増やそう❗というのが国策の一つとなっています。前立腺がんのロボット手術で言えば、治療できる病院を数カ所に絞って施設ごとの症例数を増やすことによって医師の経験値を高める利点があります。美容整形はその国策の一環には入っているのか、いないのかは不明ですが日本人の多くは

手術料金が安いから韓国で美容整形手術を受ける

という方が大多数です。もちろん美容大国韓国で韓流スターのような容姿になりたいと思って韓国で美容整形を受ける方もいるでしょうけど、美容大国なら手術の腕も高い、と考えるのは短絡的です。

美容整形で韓国旅行をする日本人を韓国側はどの様に思っているのか?論文発見。

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中国人・日本人・韓国人の医療観光の認識と異文化の研究と第された論文を紹介します。韓国で整形手術を受けたいと考えている女性は多いですが、実際に韓国で手術を受けた日本人女性は、金銭面での満足度は高くても、コスパは良くないと感じているようだと韓国側が分析しているという興味深い結果になっています。

韓国の親子の美容整形に関するいい話⁉にする予定が大幅に変更となりました〜❗

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韓国で娘に美容整形を受けさせる母親は多いですが、今回取り上げる親子の話は、単に自分勝手な母親の売名行為でしかないという残念な結論です。熱血スポ根お母さんによる娘の整形の経緯をどうぞご覧ください。

美容大国の裏事情

確かに韓国は美容的な手術治療を受けた人の率はダントツです。実は大掛かりな手術はあまり多く行われていない、という裏事情もあるのです。それというのも

コンビニよりも数の多い美容クリニック

つまり、美容整形を行うクリニックの乱立問題が韓国のベテラン美容外科医の間でも困った問題と考えられています。首都ソウルの高級住宅地に隣接するおしゃれな街「カンナム」地域はそれこそ原宿や青山にブランドショップが並ぶごとく、美容整形を行うクリニックが乱立しています。乱立によって競争が激しくなりますので、経済の幻想として価格破壊が起こり、日本と比較して物価の安い韓国の美容整形の料金も低下しています。料金が安いならそれはそれでいいことですが、儲かる整形外科、との風潮も強く若い経験値の少ない医師が見よう見まねで得た危なっかしいテクニックで独立開業してしまう現状にオッサン美容外科医は目を顰めています。

ブローカーが介入する海外での美容外科治療

朝日の記事にもありますが、ブローカーの紹介で整形手術を受けたそうです。このブローカーの介入は韓国美容外科の暗部です。以前ブログにも書きましたが、中国人が韓国で美容整形を受けた際にもブローカーが介入して、本来の目的以外の治療もされちゃった、顔が変わりすぎて中国に再入国する際に入国審査で別人とされてしまった事件もありました。

整形後遺症⁉何故こんなことになったかを医師が勝手に推測

整形後遺症⁉何故こんなことになったかを医師が勝手に推測

慣れは怖いです。これは欲深さの問題ではなく環境の問題かもしれません。依存症は周囲の環境・人間に依る影響は大きく、美容整形依存症も例外ではありません。そして美容整形マニアを食い物にする美容整形医の存在も問題です。中国の美容整形マニアと暗躍する美容整形医を取り上げます。

いくら安い価格が魅力であってもブローカーは美容外科医からバックマージンを受け取ることがビジネスなので、主目的以外に治療を追加させて自分の手数料を稼ごうとします。言葉が通じないから単に通訳さんを雇ったつもりが、実は美容外科医と癒着したブローカーもいることは忘れてはなりません。

韓国には勉強熱心で日本の医師免許と韓国の医師免許を持った美容外科医もいます。美容ブローカーを介する必要もありません。骨を削る治療を入院施設のない医院で受けるのはかなりリスキーです。亡くなった方には大変申し訳ないのですが、大金を使って自分の容姿を治す美容整形を受けるなら、もう少し情報を収集してからにするべきでだったのではないか、多くの方が今回の事件で感じたのではないでしょうか?

今回の韓国で死亡した事故は美容整形が原因と現時点で特定されたわけではないのですが、万が一手術が原因であった場合、賠償問題などはどうなるんでしょうか?と非常に気になります。

一部の報道で睡眠薬が原因か?とありますが、睡眠薬で死ぬことって今はほどんどないんだけどなぁ。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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