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緊急!死亡率66%!? H10N8型の新型インフルエンザだと⋯どこまで拡大するんだ、中国の鳥インフルエンザ

新型鳥インフルエンザとして昨年2013年から本年2014年にかけて中国で感染拡大が懸念されているH7N9型について、信頼度の高い論文をもとに考察を加え簡単に説明しましたが、書き終えてひと休憩しているところに今度は「H10N8型で死亡者が二人目」というニュースが飛び込んできました。

先ほど新型鳥インフルエンザのH7N9インフルエンザについて書いたばっかりなのに 、さらに新型!

中国でH10N8型の新型インフルエンザ拡大

インフルエンザウイルスは多くの型があるのですが、今シーズン日本で流行したのはH1N1型でこれは5年前に新型インフルエンザと日本が半分パニック状態になったウイルス。そして昨年中国で感染が拡大したH7N9新型鳥インフルエンザ、さらに昨年末に初の死亡者がでたH10N8型です。

インフルエンザは医療機関でA型かB型の判別はつきますが、さらに細かい遺伝子系の分類は特別な機関でないと検査できません。ちなみに今季流行したノロウイルスは一部の方に対して簡易キットでの感染の有無に判定が保険適用できますが、インフルエンザのように直接死に至らしめることは少ないため(ほとんどが脱水による重篤化)、特殊な場合を除いて詳細な遺伝子の変化が話題になることは少ないのです。

H10N8型はつい最近まで感染者が2名となっていたのに⋯。

2014年2月14日上海時事によると江西省で新々型?鳥インフルエンザであるH10N8に感染者がでて、中国全体で感染者は現時点では僅か3名なんですが、死亡者は2名となっています。これって感染すると三分の二の確率で死んじゃうということになるんですが、このデータが信頼置けるものであったらそれこそB級映画のタイトルのように「殺人ウイルス」になってしまいます。

できるだけ信頼度の高い情報を集めて分析してみます

中国発となるとどうしても情報の信頼度が大本営発表的になってしまいますので、公正な立場である医学誌を中心に調べてみました。WHOも信頼度高いのですが、なんせトップが中国寄りの方なんであり、情報開示が結構遅い傾向にありますので、医学系で信頼度高く情報が速いオンライン版を利用してみました。「Lancet」とういうイギリスの医学誌にこのH10N8インフルエンザウイルスの情報が掲載されていました。残念ながら論文と言う形式ではなくcommentとなっています。

ランセットに掲載されたH10N8インフルエンザウイルスの情報

要点としてはN10N8のインフルエンザウイルスの特徴として「肺の深部に侵入して、人から人へ感染がしやすい」というとても困った可能性をもつウイルスなんです。

H10N8型インフルエンザの特徴のまとめ

Chuneae Center for Disease Contorol and Preventionの報告と今まで知られているこのウイルスの歴史を調べると

  • 発見は1965年にウズラからイタリアで見つかった
  • 日本では2006年にアヒルから検出
  • 2010年に韓国のマガモから検出
  • 2012年に中国広東省でアヒルから検出
  • 2013年中国江西省で人類初の死亡者
  • 2014年1月26日江西省で人類史上2人目の感染者
  • 2014年2月に3人目感染者
  • 2014年2月14日までに全感染者3名中2名の死亡を江西省の衛生局が発表

となっています。 特徴として一番最初に感染してなくなった方は73歳の高齢の女性でしたが、抗ウイルス剤(詳細は不明)は効果を発揮しませんでした。鳥市場で仕事をしていたようですが、直接鳥には接触していないけど、もともと持病があって免疫力が無かった為、肺炎から死亡に至った可能性が高いと思われます。

しかし、この女性から検出したインフルエンザウイルスの分析によって既に遺伝子変異が確認されています。今まで鳥の間で感染がおこなわれいたH10N8ですが、遺伝子が下手をすると人間から人間に移る能力を獲得している危険性がでてくるのです⋯これが大問題なんです。

この新々鳥インフルエンザ(?)は今までに流行した経歴のある遺伝子H9N2の影響を受けているようで、H9N2型の遺伝子は致死性の高いN5H1や昨日書いてNEJMにまとまった論文が掲載された昨年当初から本年まで中国で感染が拡大しているH7N9型鳥インフルエンザにも影響を及ぼした遺伝子なんです。

H10N8は今判明している情報に基づいて計算すると致死率66%

ウイルスは自分自身では生きていくことも、増殖することもできません。生き物の細胞内に入り込み増殖するために、一つの細胞内で二つのウイルスが繁殖・増殖することはほとんど無いと考えられます。もちろん次から次と違った型の遺伝子をもったインフルエンザに連続的に感染することはあります。ですから今期予防接種を受けていても効果は期待できません。

厚生労働省のインフルエンザ対策

今期予想外の大流行を示した季節性のインフルエンザの対応に追われていた厚生労働省ですが、年明けに新型鳥インフルエンザH7N9型騒ぎ⋯これに対してはある程度万が一用の対策は行っているようですが、新新型鳥インフルエンザウイルスH10N8に対してはホームページを見る限りでは、まだ対応を準備していないようです。オッサンは手洗いがしっかりできていないことが知られています。

手洗いが厚生労働省のインフルエンザ対策

こんなこと言われないように正しい手洗いの仕方をこれを機会にマスターしましょう!

下記の別記事で正しい手の洗い方をご紹介しておりますので、外も雪の週末ですからぜひお読みいただいて、上記のポスターのように言われないようにしましょうね。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

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